1 日 時 平成19年8月29日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・第3回中越沖地震復旧・復興会議について
・「新潟港(東港区)国際海上コンテナターミナルの整備」等について
4 質疑項目一覧
・風評被害対策について
5 知事発表(13:35~13:56)
(第3回中越沖地震復旧・復興会議について)(文頭に戻る)
本日午前中、第3回中越沖地震復旧・復興会議を開催しました。会議の内容は、ワーキンググルールプで検討してきた内容を全体で情報共有するとともに、これからの対策についての意見交換を行いました。
概要を簡単に紹介します。まず、風評被害対策分科会からの報告ですが、若干アンビバレント(相反する気持ちが同時にある)な感情がないわけではありませんが、風評被害を一掃していくために、リスクコミュニケーション(リスクに関する情報をすべての関係者が共有し,意思疎通を図ること)の専門家の意見をいただきました。その結果は、「安全だ、安心だ」というPRを打っていくと、それもプッシュ型のメディア、新聞、ラジオ、テレビ等で打っていくことは、「かえってマイナスであろう」という意見をもらっています。むしろ、出していく情報は、誘客、販売に結びつくようなプラスの情報を出していくことがいいだろうという意見を頂戴しています。基本的に、このリスクコミュニケーションの専門家の意見を踏まえた上で、今後対応していきたいと思っています。
具体的に言いますと、エージェント等のツアーを造成するプロフェッショナルの方々には、安全の情報をしっかり提供していくということになります。そして、一般向けには、新潟の良さを訴えていくような情報を出していくということを主体として取り組んでいきたいと思っています。食についても、聞かれればいつでも情報を出せる体制をとっておきますし、引き続き放射性物質の調査、これは今2週間に1回やっていますが、県民の安心と安全を守るという意味からも、引き続き継続していくことを考えています。情報についても関心のある方はいつでも透明性をもって情報にアクセスできるように、ホームページには、この調査の結果、情報を開示していくという対応をとっていきたいと思っています。
それに加えて、本県に関係のある方々とのチャンネルは、できるだけ有効に、ご協力いたくという形で、お願いをしていきたい。何をイメージしているかというと、例えば(本県出身の俳優)三田村(邦彦)さんに先般仮設住宅を訪問していただいたわけですが、このような県出身の著名人でご協力いただける方には、引き続き新潟の良さ、食べ物のおいしさを発信していくのにご協力をお願いしたいと思っています。加えて、追加的に費用がかかるものについては、復興基金で対応していきたいと思っています。
次に、中心商店街の復興支援のワーキンググループです。現在商店街の中の再開率を見てみると、一番低いところは、(柏崎市)東本町2丁目商店街で、再開率57%。えんま通り商店街ですが、ここが一番低くなっています。こういった商店街におられる方々が、再建の道筋を立てられるような支援をしていきたいと思っています。商店街の皆さんが(自身で)立ち上がるという気持ちを持っていただけるように支援を続けていくということを前提に、やはりマスタープランは書かないといけないと思っています。商店街の皆さんに「さあ頑張ってください、皆さんのご希望のとおりやります」と言ってみても、やはり商店街としての戦略がないとなかなか復興は難しいだろうと思います。震災前から閉じているお店もある程度あったということですし、事業主の平均年齢が高い、後継者が見つからない、という現状の中での震災ということですから、何も手を打たないで商店街が復活することにはならないだろうと思います。全国の商店街の中でうまく回っている商店街を集めた事例集もあります。幾つか選択肢を提示する中から選んでいただけるような、受身型ではなくて、前向きにサポートするような体制を是非組んでいきたいと思っています。
もともと中心市街地の活性化は地震がなくても難しい課題だと思っています。うまく回っている商店街を見ますと、例えば青森市のようなコンパクトシティ、富山市もそういうことだと思うんですが、商店街の中心に交通体系のあり方も含めて対応していく商店街というものがありました。むしろこちらの方が可能性が高いと思っているのが、福祉と協働するタイプの商店街。何らかの施設を設置して、そこにお見舞いに来る人々をターゲットにして花を売るお店があってもいい。食事については商店街から供給していくというような、地域内でのニーズと人通りを興していくような形での商店街の再生という一つの大きな考え方、コンセプトを共通として持っていく、それも全国に目を広げて、どういう形であれば地方の中堅都市でも何とか商店街がやっていけるのかという成功のヒントになる事例を示した上で、一緒に頑張ってもらえるようなプランを提示していく必要があるんだろうと思っています。そのための作業を今後進めていくこととしました。
次に、被災者生活再建分科会です。仮設住宅で生活される方が安心して生活できる環境を作っていくことが、今一番最初に取り組まなければならない課題です。健康対策、高齢者対策、母子家庭の支援、こころのケア対策、障害者支援、こういったことをしっかりやっていくことを確認しました。それに加えて、仮設住宅は面積的にも決して広いものでありませんし、恒常的なこころの安定を取り戻すためにも、恒久住宅に移っていけるような支援策を打ち出していく。これは時間から逆算して対応していくということを指示しました。2年間で一応めどをつけるためには、住宅を再建される方、もともと貸家に入っておられて大屋さんが修繕してくれる見通しの立っておられない方、公営住宅をどのように建設していくのか、そしてまた個人の自宅をどのように再建していくのか、支援策が固まってからも、被災された方々が銀行と相談し、家族と相談し、親戚と相談し、今後の自分の生活再建を決めていくことを判断するために時間がかかってくるだろうと思っていますので、それができるようなタイミングで支援策をまとめて出していく。
一方、雪が降っている間は住宅の建設ができないという問題も抱えています。そうすると、タイミング的に言うと、雪が消えるまでにプランニングできていたとしても、その後住宅の建設にかかると、夏いっぱい、秋ぐらいまでかかってしまいます。そのタイミングを逃して、来年の雪解け後にようやく資金計画がまとまって、7月ぐらいにまとまって、ということになると、住宅の建て直しが1年ずれこむ可能性もあるということですから、それが全員いっきに再来年に集中してくると、今度は工務店の手配が難しいだろうということだと思っています。ある程度分散しての住宅の再建、ということも必要でしょうし、公営住宅をどのような形で提供していくのか。昨日、5県知事会で各県の知事さんに見てもらいましたが、1戸建ての公営住宅は相当インパクトを持ったメッセージとして受け止めていただいたということもありますので、どのような形で地域を再生していくのか、選択肢を示した上で、また住宅を再建していく時期、工務店のことも念頭に置いた総合的なスケジューリング、これを具体的に検討することを指示しました。
これらのプログラムを進めていくために、どうしても必要になるのが、やはり復興基金を早期に設立することだと思っています。復興基金については、起債した上で、財団法人を設立することになります。したがって、議会での了解が必要な案件になりますので、9月議会終了後、速やかに復興基金の設立ができるように準備を進めていきたいと思っています。国との調整が内閣改造の影響でストップしていました。今日増田(総務)大臣に電話がつながりました。あらためて「地方分権の推進に力を合わせて頑張っていこう」ということを確認しました。中越沖地震の復興基金が止まっているので、「大臣からのご尽力をお願いしたい」とお願いしたところ、さっそく調整していただけるという返事をいただいたので、国との調整が早い段階で終わることを期待しています。それとともに、支援策を固めて、一刻も早く被災者の皆さんの生活再建の見通しが立てられるように努力していきたいと思っています。
(原子力災害対策特別措置法改正要望の概要について)(文頭に戻る)
今回の中越沖地震におきまして、原子力発電所が被災するということになりました。やはり地域の安心・安全を確保するためにどのようにしていくのかという点について、既存制度の見直しが必要だと思っています。今回の地震対応という中で浮かび上がってきた課題を、現在国の方に意見という形で提出しています。原子力災害対策特別措置法、現行制度だけでは必ずしも十分ではないと思っています。なぜかというと、今の各法律というのは自損事故を念頭に置いているのではないかと。先行事象が発生してから放射能漏れまで時間がかかるという中で、原子力災害の本部長は内閣総理大臣になっていますし、現場、すなわち市町村長、それから知事という地元自治体の首長は副本部長という形にしかならないわけです。今回のような複合災害が起きた場合、例えば発電所から今回起きたように、炎が出て、煙が出て、情報が得られないという中で、一体どのように対応するのかということになると、今の法体系では不十分であろうと思っています。
今ある原子力を管理監督する機関というのは、事業者を管理監督するという思想でしか運営されていないのではないか。すなわち国民、県民、市民、住民に向かって情報を発信するという意識がなくて、事業者がおかしなことをしないように監督をするだけの機関になっているように思われます。やはり、住民にどのような形で情報を提供をしていくのか。今回の災害対応を含めて、県が事業者を縛るということはしませんでした。もう少し分かりやすく言いますと、普通物事を発表する際には、事業者の立場に立って言うと、根回しが必要ということになると、時間がかかるわけです。市町村にまず連絡をする。県に連絡をする。国に連絡をする。どういうことがあったかということを全部説明した上で、初めて情報発信するということになれば、時間がかかるわけです。事業者が事前に県に言わなかったからということで、文句は言いません。とにかく住民に向かって必要な情報はタイムリーに的確に出して欲しいという要請をしてあります。したがって県に根回しするのに手間取りましたということにはならないようになっています。
逆に言うと、我々も住民の皆さんと同時に事象を知るわけですから、それについてどのように評価するのか事後的に対応していくことにならざるを得ません。今回一つ例を申し上げますと、トランス(変圧器)が火災を起こしました。これはどういうことかと言えば、原子力発電所の中への電力供給が止まったということを意味しているわけで、冷却水が循環するポンプが止まっている可能性があるということが、外から可能性として予測しないといけない事象であったわけです。確かに県のテレメータでは、敷地外で放射性物質がないということは確認がとれていましたが、今後何が起きるのか、冷却水を循環するポンプが止まっていたら熱暴走する危険性はないのかというのは、やはり専門機関から判定してもらわないと、外でテレメーターを見ているだけでは分からない事象です。
原子力というのは、放射線というのは目に見えないものですから、何が起きているのかということを判断して、全ての住民に分かるような言葉で情報発信をしていただく仕組み、それも自治体に根回しをしなくても情報を出せるような仕組み。気象現象で言えば、津波警報というのは、気象庁が発表すると直接住民まで情報が届くことになっています。そういう仕組みを構築していく必要があるのではないかという問題意識を持っています。指揮の問題、安全性をどのように判断していくのか、そしてまたどのように情報提供していくのか、それからイザという時に備えて、災害の場合の避難準備情報にあたるものですが、これは本当に総理が指示を出さないと準備もできないのか、という点も含めて、制度の見直しが必要なのではないかということで意見を申し上げているところです。
※資料(原子力災害対策特別措置法改正要望概要)
(糸魚川総合病院への支援について)(文頭に戻る)
震災関係ではなくて、医師不足の関係です。糸魚川総合病院の負担が増しているという問題で、医師の皆さんが本来の医療業務に専念できるようなサポートを補正予算で対応したいと思っています。メディカルクラーク(医療秘書)と呼ばれるんですが、通常お医者さんが診察する他に、様々なカルテの整理をしたり、例えば専門医療になってきますと、統計データ処理みたいな作業も含めてやらざるを得ないということになっているわけで、医師でなくてもこういう事務作業をサポートするスタッフがいると、負担感が下がるということが分かっています。したがいまして、糸魚川総合病院における医師の皆さんの負担軽減のためにも、このメディカルクラークというものを配置して、より円滑な診療ができるように糸魚川市とともにサポートしたいと思っています。
ちなみに国に対して医師派遣の要望を出していました。なかなかうまくいかないのが現状でして、なぜそうなるのかと言いますと、こちらから要望を出しても、「それは厚生連の中の話ではないか」ということになると、厚生連の中ではそれぞれの組織の事情があるので、「あまり医師が欲しいと言うな」というような話になって、結果としてしわ寄せが現場にいってしまうという構造になっています。医師の絶対数が足りない中で、それぞれの組織が縦割りで医療サービスを提供しています。地域という横の面ではなくて、組織の中で要望を出してもらえないと、派遣をしてくれということになってもなかなかうまく回らない現実もあるわけです。
やはり、地域全体の医療に対して責任を持っている県と、全国ネットワークを持っている医療機関とのミスマッチみたいなものがあると、なかなか医師派遣というものは進まないというのが今回実感としてあります。どのようにして県内どこにいても的確な医療を受けられる体制を作っていくのか、あらためて重い課題を背負っているという認識を持っています。とりあえずメディカルクラークの派遣という対応をとりますが、それに加えて、抜本的な対応というものを考えていかなければいけないと思っています。震災で検討が一時止まっていますが、「海外からの医師というのをどう考えるんだ」というようなところ、これは相手方、派遣する方の事情もあります。日本に来るよりも他国に行った方が待遇が良いというような実態もあるわけで、その辺も含めて抜本的な対応、また来年度の施策に向けて、知恵を出していきたいと思っています。
※資料(糸魚川総合病院支援)
(「新潟港(東港区)国際海上コンテナターミナルの整備」等について)(文頭に戻る)
8月31日の概算要求に向けて国土交通省内の省議決定がなされました。新潟港は現在、沖待ちが発生していまして、バースをいかに増やしていくかということが、新潟という地域の今後のあり方に大きな影響を与えていく。大陸との交流という観点も含めて、喫緊の対応が必要であったコンテナターミナルの整備というものが、国交省の要求の中に盛り込まれることになりました。
また、冬に(新潟市寄居浜地区の)海岸が削られて侵食されています。侵食を止めるという部分についての直轄代行をお願いしていたわけですが、この事業については予算要求の中に盛り込まれるというありがたいお話が決まりましたので、県としては心から歓迎をして、今後財務省との折衝が始まるわけなので、側面的にも是非実現できるように県としても活動していきたいと表明させていただいて、事実関係の報告とさせていただきます。
※資料(新潟港コンテナターミナル整備等)
6 質疑(13:57~14:09)
(風評被害対策について)(文頭に戻る)
Q
風評被害対策で、主に観光業界がどれくらいの被害を被っているか、一時期キャンセルの件数とか具体的な数字がありましたが、そういう被害の実態を押さえた上での対策になると思いますが、県としてつかんでいる数字や指標がありましたらお聞かせください。
A 知 事
細かくは担当に聞いていただきたいと思いますが、基本的には1か月単位の前年比で見るのだろうと思っています。ただし7月16日の地震前後でどう変化したのかという数字もあるので、感覚的に申し上げると、例えばキャンセルについては6万件程度で一段落したのではないかと、つまり行くと言っていた方が取りやめたのが6万件程度だと思っています。ではその後はどうなのかと言うと、前年に比べて秋以降の予約がどの程度入っているかがメルクマール(指標)になるのですが、現時点で、一部では7割減のところもあるとされています。さらに佐渡が前年比、震災前と震災後の数字がありますが、震災後は25%位のマイナスという数字になっていますし、新潟県のマクロでどれくらいかと言うと、1割5分減というのが現状です。いずれにしても8月なら8月いっぱい。9月なら9月いっぱいという数字の前年比で比べると波も薄くなってくるのだろう。日々の数字だけでは計れない。地震が発災してからまだ1か月半というところで、皆さんが期待している思いどおりの数字がばしっと出るかというと、これは経済は生き物ですし、先日もJTBの拡大経営会議を新潟で開催していただきました。別途、集中的な送客をお願いするということですので、月の途中で上向く可能性もあるわけですので、やはり1月位でまとめて情報を出していきたいと思っています。
Q
知事の先ほどの話ですと、例えば中村真衣さんと一緒にポスターを作りましたが、そういう情報発信は基本的にはもうやっていかない方向ですか。
A 知 事
これは急性期の対応と中長期の対応は違ってくると思っています。とにかくまず誤解を解かなくてはいけないということで、中村真衣さんと撮ったポスターには「放射性物質が検出されませんでした」と数値が入っています。とにかく放射能漏れをしているのではないかという前提で出た情報を打ち消すことが急性期には必要だったと今でも思っています。
ただ風評被害というのは、頭では理解するが、「今年行くんだったらどこにしよう」というところで、地震が2回あったということもあるのかもしれません。「被災地が苦しんでいるのに遊びにいくのか」という気持ちがあるというのは、前回もそういうところがありました。それに加えて、「どうせだったら魚は別の方がいい」というような、何となく言葉で表せない、数値で出てこない不安を解いていくには、やはり地道な活動が必要なのではないかと。
「ポスターはもう作りません」ということではありません。情報は出していきますが、2009年にはNHKさんで「天・地・人」をやっていただきます。「大河ドラマが生まれたふるさとを見てみたい」という方に安心して来ていただけるような仕組み、交通網の円滑な確保をやっていきたいし、先般上越市で謙信公祭りがありました。GACKTさんに出ていただいただけで、史上見られないような人出があったということもありますので、こういった努力を積み重ねていく、ポスターを作るとしたら、「マイナスではありません」と自分で言うのではなくて、来ていただくと「こういうふうに楽しんでいただけます」「おいしいものがいただけます」「健康になるプログラムがあります」というものを発信していくことになると思います。
(原子力災害対策特別措置法改正要望の概要について)(文頭に戻る)
Q
原子力災害対策特別措置法の改正要望ですが、他の県と一緒に要望していくのかと、一般的な災害と違って原子力は目に見えなかったり、専門的な知識が必要な中で、県という中二階的な立場で果たして判断するのが適切なのかどうか、についての考えをお聞きします。
A 知 事
他県との関係ですが、幾つかルートがあると思いますが、原子力立地地域で作っている協議会がありますので、この中での意見交換は既に実施しています。その中で一部既に盛り込まれている部分もあります。昨日5県知事会議を実施しました。原子力施設を持っているのが、5県の内3県でして、新潟・福島・東海村を持っている茨城県です。では、群馬県と栃木県が全く無関心かと言うと、西から風が吹いて来ると関係するわけで、やはり一緒に問題を考えていこうということが確認できています。まず5県だけでも共通認識を作った上で要望を出していきたいと思っています。
それから、目に見えない原子力安全対策に県としてどう対応するべきかというお尋ねですが、これはリスクがある時にどう対応するかということだと思っています。今回の事例で言うと、トランスから炎が出て、煙が出ている。万が一に備えて避難準備情報も地元で出せないのかということになると、あり得るリスクについて、例えば要援護者の近くにおられる方に対して「準備してください」という情報を出していく、そういう仕組みを作っていくことは当然可能だと思っています。ゼロ・100で考える必要はなくて、それぞれができることをやっていく。
一方で、県が全部危険性を判断しろみたいな話もありますが、原子力発電所で働いている方の人数、規模を県で監督しろということになると、原子力安全・保安院を県で持てということになるわけで、これは非現実的だと思っています。国でさえ当日2人しか要員がいなかった。24時間監視する必要があるわけですから。そういう状況の中で、県として屋上屋を重ねるような機関を持つというのは資源の無駄だと思っています。それであれば、国により信頼できるような機構、組織の運用をしていただくことを求めていくことが県の役割になってくると思います。もしくは生じた事象についてどういう意味があるのか。原子力の専門家は残念ながら多くありません。したがって、県も大学の先生に委嘱することを行っています。この大学の先生を24時間拘束して原子力発電所をチェックすることもできないですから、発表された情報を遅滞なく第三者の目で解釈してもらって評価することにしかならないと思っています。中間管理機構だからどこまでということではなくて、本来できることにしっかり役割を果たしていくことで対応していきたいと思っています。
(中越沖地震の復興基金について)(文頭に戻る)
Q
復興基金は早期に起きそうだという話でしたが、今回の災害を通して、今までにない支援でこういうものを作っていきたいという思いがあればお聞かせください。
A 知 事
具体的な制度設計はまだできませんが、思いで申し上げますと、例えば3年前の地震で被害を受けて1,000万円以上もかけてようやく修理が終わった直後に、また全壊ですという状況で、本当に個人の力だけで対応できるのかというところは、今までにない対応が必要な部分だろうと思っています。いずれにしても生活の場としての住宅は、まさに人生の基本だと思っています。それは住宅という場を介して人間関係がつながっているということです。これは例えばご商売であったり、近所付き合いだったり、人によっては福祉サービスを受けるのであっても、「この地域のあの人だから」ということで親しんだ人がおられるわけですから、人は転居すればどこでもいいということではないと思っています。やはり地域と一緒に生活を再建していくということが大変重要な課題ですので、そこの障害になっている部分を取り除いていくような対応をとっていきたいと考えています。
Q
関連になりますが、軟弱な地盤で土地の災害もかなり発生していますが、その点はいかがですか。
A 知 事
これは今回初めて国の事業が適用されます。国土交通省で前倒しで適用してもらえるものもあります。ご指摘のようにブロックごと動いていくと個人だけ直してもしょうがないわけで、地域全体としてどういうふうにするのか、場合によっては移転というのもあるかもしれないし、3年前の中越地震で使った移転という選択肢も検討しますし、地盤の再整理も新しい事業で実施することもあり得ますし、場合によっては公営住宅ということになるのかもしれません。これはそれぞれ被災された方が最適に判断ができるように。
あともう一つ困るのが、大家さんが被災して資力がなくて修繕できない場合に、借家に入っていた方々も自分の力ではいかんともしがたい部分があります。今までは、例えばアパートに関して言うと、これは「ビジネスで勝手にやっているのだから、商売は自分たちでやれ」という制度になっています。でも3年前の地震でもこういう事例がありました。老夫婦が老後の足しにということで、退職金を全部つぎ込んでさらに銀行からローンまで組んで建てたアパートが全壊をしました。「ビジネスで勝手にやったのだから知らない」と言うと、年金だけではやっていけないところもありますので、本当に困っている人はだれかと言うことを十分見極めた上で支援をしていく必要があると思っています。
※文中の( )内については広報広聴課で加筆したものです。
