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平成21年2月13日 新潟市長との共同記者会見要旨

2009年02月17日

こちらから録画をご覧いただけます

1 日 時  平成21年2月13日(金)

2 場 所  記者会見室

3 発表項目
 ・新潟水俣病福祉手当の創設について

4 質疑項目一覧
 ・新潟水俣病福祉手当の創設について

5 発表(9:46~9:52)

(新潟水俣病福祉手当の創設について)(文頭に戻る)

○泉田知事
 新潟水俣病は一体何であったのであろうといいますと、高度成長期に社会が豊かになる中で、普通の生活をしておられた方々が今までどおりの生活をする中で、突如有機水銀に汚染され、体が蝕まれたという事象でありました。その後、日本は社会が豊かになり、それに比例しながら様々な公害規制を入れ、環境を改善してきているということであります。
 ある意味、(新潟水俣病患者の皆様方は)この高度成長期の歪みを一身に背負われた方々であり、地域社会として支援をしていく必要があると思っています。
 それを具体的に社会の中で定着をさせるために、先般、県において条例(新潟水俣病地域福祉推進条例)を制定させていただきました。本当に長い間苦しまれている皆さんの負担が少しでも軽減されるように、そしてまた、我々が今の環境を享受できているというその背景に大いなる犠牲を払われ、声を上げ続けてこられた皆さんの努力が影にあったということを想いにしつつ、この「新潟水俣病福祉手当」を創設させていただきたい(と思います)。社会全体が受けた恩恵に対して、苦しみを負った方々に社会全体でサポートをしていきたいという想いで、「新潟水俣病福祉手当」を創設したいと思っています。
 金額についてはいろいろご意見等があったわけですが、新潟市と共同で月7,000円で始めさせていただきたいと思っています。その他に、患者の皆さんを支援するネットワークを構築するとともに、大変不幸な事態であった新潟水俣病の経験というものを次の世代に伝えていくための若者への教育の充実(を図りたいと思っています)。また、地域の再生と融和、お互いにお互いのことを思い、本当に苦しんでいる方々と、我々が今享受している環境のすばらしさというもの、このギャップを一身に背負っている方々に対する思いやりを持てる地域社会を構築していくための取組、融和の推進にも取り組んでいきたいと思います。その一環として、「環境と人間のふれあい館」の情報発信機能の充実を進めてまいりたいと思います。
 新潟市が政令指定都市になりましたので、新潟市におられる患者の皆さんの手当の半額を(新潟市に)ご負担いただくということで、ご了解をいただきました。ぜひこの問題を風化させることなく、人類の共通の教訓として生かしてまいりたいと思います。

○篠田新潟市長
 第二の水俣病であった新潟水俣病、これによって地域が引き裂かれ、人間の絆がずたずたになったということは、皆さんご承知のとおりだと思います。この絆をなんとかもう一度取り戻すというときの一番の土台が、「(新潟水俣病)患者の定義」ということであったと思います。それを、今回新潟県のご議論の中で、「阿賀野川流域に住まれ、長年魚を常食されていて、手足の末端に障害のある方は新潟水俣病患者である」と規定したことが、今回最大のポイントであると思います。泉田知事のリーダーシップの元で、そういう方向が明確に打ち出されたことにより、絆をつないでいく、もやいをつなぎ止めていく最大の基盤が生まれたと思っています。
 そして、この新潟水俣病患者の皆様をどのように救済していくかということについては、新潟県条例(新潟水俣病地域福祉推進条例)の傘の元で、新潟市も政令指定都市になったわけですし、今手帳(医療手帳や保健手帳)などをお持ちの方、いわゆる今回の対象になるだろうと想定されている方の概ね半数が新潟市民であるということを踏まえて、新潟市が半額を負担ということといたしました。新潟県と新潟市そろって患者の皆さんに対応するということをお示しすることが、安心感にもつながるのではないかと思い、今回の対応をさせていただくことで合意をいたしました。
 新年度予算にはその分担額を盛らせていただきますし、また新潟市は基礎自治体でございますので、患者の皆さんの相談窓口など今までも明確化してきているところですが、更に今後は市民の皆さんの広いご理解を得ることが大事だと(思います)。そのために、新潟市職員の研修もやっているわけですけれど、教育分野も新潟水俣病の理解を進めるには非常に大事なところですので、新年度からは教職員の研修を強化したい(と考えています)。そして「新潟水俣展」も開催をしていきたいし、市民講座なども更に充実をしたいと考えております。
 今日は私ども10時半から新年度予算を発表させていただくわけですが、その予算案の中にそのようなことを盛り込ませていただいたということです。
 ※(報道資料)  (別紙1)  (別紙2)

6 質 疑(9:52~10:09)

(新潟水俣病福祉手当の創設について)(文頭に戻る)


 全体の対象者数がどれくらいになるのかということを知事に伺います。

A 知 事
 今まで名乗り出ることがなかなか難しかった方々も、名乗り出ていただけるような環境が整備されることを期待しています。今これぐらいということは言うべきではないのかな(と思います)。なるべく多くの方、苦しんでいる方々から名乗り出ていただきたいと思っています。


 予算に計上するのはどれくらいの人数と額に。

A 知 事
 予算発表のときに説明します。


 新潟市の分は今日発表ということで。

A 篠田市長
 私どもは、今各種手帳などをお持ちの方が基礎的な人数になると(思います)。更に新年度でどれだけの方が名乗りを上げていただけるのか、まだそこは把握できませんけれども、概ね300人以上の方が基礎的な人数としていらっしゃる。そして、そこに大きな上積みがあった場合は、補正等で対応していけばいいと思っております。
 今回は300人ちょっとを基礎として予算に計上することとしております。


 額としてはどれくらいになるでしょうか。

A 篠田市長
 額としては、概ね1,800万円が条例(の新潟水俣病福祉手当)に関する直接的な部分と(いうことになります)。そして、先ほど申し上げた、それ以外の教職員の研修、あるいは「新潟水俣展」など新規のものも織り交ぜますと、2,700万円程度を計上して予算案を作っております。


 今回県と新潟市が共同してということですが、新潟市以外の市町村に住んでいる方については県が全額を負担して。

A 知 事
 はい、そういうことです。


 今後は流域市町村にも共同を求めていくことになるのでしょうか。

A 知 事
 基本的に県で対応したいと思います。

A 篠田市長
 基礎自治体としては、新潟市がやることについて当該の自治体にお伝えし、負担ということではなく、それ以外の施策ということで共同歩調でやれるものについては、やっていきたいと思っています。


 篠田市長にお伺いしますが、「新潟水俣展」の開催を新年度予算に盛り込むということですが、開催時期や内容など概要を教えていただければと思います。

A 篠田市長
 時期はまだ確定してませんが、昨年開催した「水俣・新潟展」のノウハウを活用させていただいて、「新潟水俣展」として開催をするという大枠だけ決めております。


 「フィールドミュージアム事業」をやっていると思いますが、この平成21年度の(新潟水俣病患者)支援施策の中で、どのあたりに位置づけられますか。

A 知 事
 基本的に患者さんとの間の話し合いで、望ましい形で事業構築をするように指示をしております。実際の運用については、よくご理解を得ながら進めていきたい(と思います)。個別の話はまた部局の方からご説明いたします。


 「新潟市居住者については、1/2を新潟市が新潟県に対して負担します。」とありますが、これは新潟市の患者に対しての2分の1という。

A 篠田市長
 そうです。新潟市に住まわれている患者の方に対して2分の1を新潟市が負担をすることで合意をしたということです。


 残りの2分の1は新潟県という。

A 篠田市長
 そうです。新潟市としては、患者さんの方への対応で新規のものとしては、「ケアブック」を作成し、様々な保健情報なども含めたケアブックをお配りします。また今までもやってきましたが、啓発のため、名乗り出てもらうための基礎としての健康相談事業について、更に力を入れていきたいと思っています。


 「ケアブック」とは。

A 篠田市長
 ケアブックについては、新潟大学などと連携して、患者の皆様やその関係の業務に従事する方が、どのようにケアができるのかということをお示しするガイドブックのようなものです。


 条例の取組については、今回大きな節目を迎えるわけですけれど、一方で国の認定基準というのは最高裁判決以降も変わっておりません。そうした中で、新潟水俣病第四次訴訟が6月を目処に提訴されることになりました。新たな提訴についての所感と国の認定基準の変更、見直しを今後も求めていくお考えかどうかお二人に伺います。

A 知 事
 まず所感ですが、また提訴に踏み切らざるを得ない方々、責任関係をはっきりしてほしいというお気持ちの表れであろうと思っています。何故新潟で二度目の水俣病が発生しなければいけなかったのか。何故二度目の水俣病を防ぐ仕組みが社会として機能しなかったのかということをしっかり検証するということでも意義深いと思っています。
 今与党PT(プロジェクトチーム)で救済策について話し合いがなされているところであります。時間との戦いになっている部分があり、少し相反する部分があるということで、内心忸怩たるものはあるんですが、何が原因であったかはっきりさせるという公益的ニーズと、やはり痛みはなるべく早く軽減、でも歴史で何があったのかということを明確にする取組というものが、うまくバランスが取れて進んでいってほしいと思います。


 認定基準の見直しを今後も国に求めていくお考えというのは。

A 知 事
 特段今までと変える予定はありません。まずは地域の融和を進めますけども、それが終わったらまた次の課題があると認識をしております。


 私どもも、今知事がおっしゃったように地元に自治体、行政としてできることを最大限やらせていただくということです。しかし、それではどうしても胸のつかえが下りない、納得できないという方は、いらっしゃると思います。それが今回の形(提訴)で現れたと思っており、それはそれで司法の場で争う、あるいは国政に対して転換を求めていくという運動というのは、私は理解できるものがあると(考えます)。そして与党PTに今までも新潟県の立場、あるいは新潟市の立場を申し上げてきているわけですけれども、今回更に県と市はこのようにやらせていただくということをあらためてお伝えし、与党PTについても、第一の水俣病を含めて全面解決に近づくように、更に国として動いていただきたいということは要望していきます。


 知事にお伺いしますが、フィールドミュージアム事業に取り組む「(NPO法人)文化現場」が民間団体の中心として活動していくという認識でよろしいでしょうか。

A 知 事
 先ほども申し上げたとおり、よく患者さん、被害者の皆さんの声を聞いた上で具体的な執行には努めていきたいと思っています。


 今回の条例の制定に当たって、原因企業の昭和電工は積極的な参加をしないわけですが、知事と市長それぞれ昭和電工にどのような対応を望むのか、今後県あるいは市側から何か働きかけを行う予定があるのどうか。

A 知 事
 先ほどの質問とほぼ重複だと思っています。今回損害賠償という観点で福祉手当を創設したわけではありません。新潟水俣病で被害に合われた方々の苦しみの上で獲得されてきた様々な公害規制、これは日本全体が恩恵を受けたと言って過言でないと思います。その過程において一部の方に痛みが集中的に現れている、地域も分断をしてしまったということに対して、苦しみを受けた方々を地域全体で支えましょうという主旨でこの福祉手当を創設しました。損害賠償関係の話ということとは、別の理念でやってますので、当然PPP(汚染者負担)の原則で議論をしている昭和電工は今回のスキームに入ってこないということになります。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、どうして二度目の水俣病が、それも9年も経ってから新潟で発生しなければいけなかったのか。社会のどの装置がうまく作動しなかったら、こういう不幸なことが起きるのかということ。これは責任関係を明確にするという意味でも必要なことですし、この話とは別に歴史に光をあててくことは必要だろうと思っています。そのための新潟水俣病問題に係る懇談会で提言書でレポートもまとめているわけです。ただそれ(責任関係)が訴訟を通じて確定をするということは望ましいと思います。

A 篠田市長
 昭和電工のことについては、今新たな訴訟も提訴されているということで、その推移を見守っていきたいと思っています。
 

 小中学生の教育というところで、教師用指導資料や副教材の作成というのがあるんですが、これはどのような位置づけで、例えば総合学習といった枠の中でおやりになるのでしょうか。

A 知 事
 具体的な進め方は、現場がやりやすいようにしていかないといけないと思いますが、例えば熊本県においては、小中学生は必ず(水俣病資料館を見学し、)水俣病について学習する機会を持っています。新潟県の小中学校は全校(が熊本県のような方法で学習を)やっているというわけではありませんので、それ(熊本県)に準ずるような形で、新潟水俣病が何故発生したのか、いったい何が起きたのか、そして繰り返されないためにはどうしたらいいのかという学習は必要であると思っています。それが一番伝わるような方法で運営されるべきであろうと思っています。


 教材の作成で、(環境と人間の)ふれあい館の方が作成されているパンフレットがあると思いますが、そういったものを取り込んでいくというお考えはありますでしょうか。

A 知 事
 具体的な手法については、現場で協議して積み上げていくということだと思っています。

A 篠田市長
 新潟市の教育委員会としては、基本的に教職員の研修、これが第一歩であると(考えています)。そしてそれぞれの学校の特性、また地理的な関係で、新潟水俣病について学校のカリキュラムの中でやれるという学校が出てくれば、大いに奨励をしていきたいと思っています。


 先ほど知事がお話しになっていた、資料館に足を運ぶ機会があるということですが、その際に、熊本では片道(の交通費)を負担すると伺っていますが、県や市としてそのようなことをお考えなられてるでしょうか。

A 知 事
 今後の検討課題になるかもしれません。いずれにしても、次の世代に新潟水俣病がなんであったのか。これは水俣病とは違う「二度目の水俣病」という性格を持っていますので、それがしっかり伝わるような体制構築、必要があれば進め方については修正をしていきますので、まずは始めるということで対応していきたいと思っています。


 予算の規模について、新潟市は1,800万円とありましたけれど、新潟県の方も発表していただきたい。

A 知 事
 予算のときに発表させていただきたいと思っています。
 
A 篠田市長
 新潟市は今日(発表)なので申し上げているということです。


 新潟市が発表して、県が発表しないと(全体規模が)少しわかりにくいですが。

A 篠田市長
 大枠は2分の1、2分の1でやりますということです。それを今手帳などをお持ちの方だけで(積み)上げるやり方もあるでしょうし、新年度である程度何パーセントぐらい増えるんじゃないかと見込んでやることも可能性としてあるわけです。それぞれの財政の事務方がどういうものを上げていくかということになりますが、私どもは事務方が上げてきたものについて、いいのではないかということで今日発表します。県の場合はまだ詰め切っていないということではないしょうか。

A 知 事
 まだ調整中ということです。


 「患者支援ネットワークの構築」とありますが、これまでも相談窓口が設置されてますし、保健師の家庭訪問もあったわけですが、どのような形で充実させていきたいというイメージや考えがありますか。

A 知 事
 今ほど言われたように、保健師の巡回等今までやってきたものは当然続けます。加えて、地域の融和が進むような形のボランティアネットワークが作れないかというイメージはありますが、努力をしていくということだと思います。

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