1 日 時 平成21年6月17日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・医療サービス確保対策の拡充について
・「電気自動車等の普及促進に関する条例(仮称)」の制定について
4 質疑項目一覧
・「電気自動車等の普及促進に関する条例(仮称)」の制定について
5 知事発表(13:01~13:14)
(医療サービス確保対策の拡充について)(文頭に戻る)
新潟県の医師不足が大変深刻な状況です。絶対数もさることながら、地域の偏在ということもあります。また県内唯一の医学部である新潟大学を卒業された方々全員が、新潟に残っていただけることでもないという、大変厳しい状況であると思っています。医療サービスの確保は地域の最重大関心事項のひとつでもあり、さらに取り組みを強化したいと思っています。
今回、臨床研修医の確保対策を強化していくこと、それから激務が続いている勤務医の処遇改善の取り組みを支援したい(と思います)。そしてまた、地域医療がどうあるべきか、ひとつの大きなモデルになってほしいと思っていますが、魚沼基幹病院(仮称)の整備推進を図りたいと思います。
まず臨床研修医の支援体制強化ですが、どういう条件が整うと研修医の先生に来ていただけるのかと言うと、住環境が大きな比重を占めると。先日の魚沼基幹病院(仮称)基本計画策定委員会の先生方からもアドバイスを頂戴しています。これも様々報道されているところですが、都会でなければ研修医の先生に来てもらえないのかというと、決してそんなことはない。研修指導体制がしっかりしている地域には、研修医の先生が集まってこられるわけです。住環境を整備し、ちゃんとした指導体制を構築していくことが、結果において研修医の先生に来ていただける条件を満たしていることになると思っています。その充実を図るための仕組の検討・設計を早急に進めたいと思います。例えばどういう通勤環境でどういう居住場所を確保するのか、金額はどういうものなのかという点も含めて設計した上で、これを具体化に結び付けていきたいと思っています。また、医師招へいに向けた取り組みの強化も図りたいと思います。
医師を派遣していただける民間のコーディネート会社があり、そういったところの費用を県費で負担する制度を始めました。平成20年度実績は3名出ました。これをさらに拡充して5名分まで増やして、優秀な医師の確保に努めたいと思います。また救急勤務医の処遇改善も、北米に比べると日本の先生方は大変厳しい環境で仕事をされています。「宿直」という形で泊まり勤務をするのはどういうことか言うと、宿直は「休憩時間」という扱いになっているわけです。働いたときだけは「勤務」ということですが、結果として2時間おきに患者が来れば一睡もできない。36時間連続勤務などということが生じているわけです。北米では3交代制でちゃんと勤務しているのに、日本はその体系ができていないという状況です。看護師も同様で、病気になられた方、けがをされた方を看護する看護師が過労死で亡くなる事例も出ていると。そういった状況も緩和していくひとつの取り組みとして、救急勤務医の手当を創設する経費の補助を実施したいと思います。
魚沼基幹病院(仮称)は現在基本計画策定中ですが、合わせて農業振興地域の解除等の手続きがかかりますので、箱物の整備等も含めて設計を開始するための手順を踏んでいきたいと思っています。ただハードだけ造ればいいという問題ではありませんので、どういうふうにして勤務医の先生を確保していくのか。そして、マグネットホスピタル(医療従事者や患者が自然と集まるような良い病院)になることを期待しているわけですが、周辺病院に派遣できるような先生方に集まっていただけるよう、最後の詰めと言えるか分かりませんが、魅力ある病院にする基本計画案の策定に向けて引き続き精力的に取り組みを進めたいと思います。
(県立学校の耐震・ICT化の推進について)(文頭に戻る)
県立学校の耐震化、ICT化(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)を推進したいと思います。校舎の耐震化ですが、平成22年度以降に計画していたもので、特別支援学校等6校の耐震化を前倒ししたいと思います。中等教育学校は津南と佐渡、特別支援学校は高田養護学校、柏崎養護学校、高等養護学校てまりの里分校、小出養護学校ふれあいの丘分校の耐震化を、前倒しで実施したいと思います。
ICT環境の整備ですが、地上波デジタル放送への移行がいよいよ迫ってきました。米国で先行して完全デジタル化が進んでいるわけですが、当初想定されたよりも多くの方々が、アナログ放送からデジタル放送に対応できないまま移行に踏み切った状況になっています。実際問題、50ドルくらいで売られているようですが、チューナーを買って自ら取り付けられる方も相当おられる。クーポン券を配って、まず電波を止めてから買ってもらおうという形になったようです。そういう状況はどちらかというと望ましくないわけで、できれば2011年を前に移行できるように、県立学校でも対応を進めていきたいと思っています。
ご存知のとおりですが、北米ではケーブルテレビが多いので若干乱暴と言われる手法も取り入れたのかなと思います。日本の場合は、ケーブルテレビも圧倒的に電波で受信している方が多いわけです。特に地上波デジタルに移行する場合は、VHFからUHFに切り替わるということになります。今までVHFで見ていた世帯は、テレビだけではなくアンテナも換えなければいけない事態になっています。我が県でも、中山間地を中心に調べてみると、300オームのフィーダー線というか同軸ケーブルではなく、数十年前に使われていたケーブルが壁に埋め込まれているというケースもありました。この場合、ケーブルの敷設まで一緒にやらないといけないことになりますので、そろそろ問題点を抱えているところに、集中的に(対応に)取り組む時期に来ているのかなと思っています。まずは県立学校の地上デジタル放送対応を進めていきたいと思います。それから教育用・校務用パソコン6500台を新規導入して、先生方1人1台の環境を実現したいと思います。
(「交流人口の拡大」対策の強化について)(文頭に戻る)
昨年10月以降、リーマンショックの後に大幅な景気の落ち込みがありました。それに加えて新型インフルエンザの発生ということもあって、人の交流に少しブレーキがかかっている状況です。さらに離島地域の振興について、高速道路の一律1000円化ということから、取り残される地域はどうするかという課題も抱えています。今年は大観光交流年ということですし、NHKの大河ドラマ「天地人」も放送されているということで、他県に比べれば「まあまあ」ということかなと受け止めていますが、これ以降続いていく施策に手を打っていく必要があると考えています。そのための対応を図りたいと思います。
まずインバウンド(外国人旅行者の誘致)対策の強化ということですが、海外の旅行社から送客していただくと。こういったところにしっかりとしたルートを作っていきたい。エージェントの招へい等を実施していますが、それに加えてロシア向け報奨金制度の導入、また教育旅行報奨金を拡充したいと思います。正直なことを言うと、インバウンドの方が新潟県経済は大きな恩恵を受ける可能性があると思っています。アウトバウンド(日本からの出国旅行)の場合は新潟県民の所得を海外で使うという話になりますし、インバウンドの場合は海外におられる人が県内でお金を使ってくれるということになりますので、地域貢献ということを考えるとインバウンドを重視する必要があると考えています。そのためのPRの拡充、さらに外国人受け入れ態勢の整備も必要だと思っています。例を申し上げると、外国語の看板が少ないと思っていますし、諸外国では便数の少ない空港でも、着いたら両替ができるというのが常識ですが、新潟空港の場合は両替している金融機関の窓口開設時間に合わせて開いていて、外国路線が飛ぶ時間に開いていないケースがあると。やはり飛行機が着いたときに両替できることが重要ですので、海外路線をターゲットに置いた両替できるような仕組をまず試行的に実施してみたいと思っています。
空港活性化のために航空会社が実施する広告、イベント、モニターツアー等のプロモーションへの助成、海外での修学旅行を勧めていくための支援も実施したいと思います。さらに離島の活力維持のための緊急対策について、秋をターゲットにした運賃割引制度を実施したいと思います。詳細は、今詰めているところです。粟島浦村とは調整がつきましたので、粟島航路の新造船を推進したいと思っています。今年設計して、平成23年に就航するような形で、古くなった高速船の入れ替えを図りたいと思います。
ポスト大観光交流年の推進ですが、着地型旅行のモデル事例を開発してみたいと思います。海外に行かれた方はよく感じると思いますが、とりあえず「どこを回ろう」というのを事前に決めないで現地に到着して、インフォメーションに行った上で、「こういう滝を見に行くツアーがある」とか、「潜水艦のツアーがある」とか、「パラセーリングをやってみよう」など、半日のオプショナルツアーをその場で申し込むことができます。新潟の場合、事前にセットされて旅行するというのはありますが、着いてから「どこを回ってみようか」という、東京で言えば「はとバスツアー」みたいなイメージになると思いますが、とりあえず来てみたけれども「与板城へ行ってみよう」などの、着地型ツアーが貧弱だと指摘されています。
また、スキーを含めた冬季観光について、2011年1月が「(日本の)スキー発祥100周年」になります。温暖化が進んでスキー場の営業が中止になるケースも散見される中で、若い頃、小さい頃にスキーにいそしんだ方々がファミリーでもう一度楽しんでいただけるような方策をどう講じていけばいいのか。国内だけではないかもしれません。海外からのスキー客の呼び込みも含めて、冬季観光促進のための対策をとっていきたい。滞在型観光の開発も必要だと思っています。
(「電気自動車等の普及促進に関する条例(仮称)」の制定について)(文頭に戻る)
地球環境を次の世代の人類にとってふさわしいものとして残していくためには、地球温暖化対策をしっかり進めていく必要があると思っています。太陽黒点が不活発化すると、17、8世紀にテムズ川が凍ったなどという話があって「太陽黒点が不活発であれば寒冷化するのではないか」などという話も散見するところです。現実問題は、太陽活動不活発化によるエネルギーの減少よりも、温暖化効果の方が桁違いに大きいということになっていますので、しっかり温暖化対策を講じていかなければいけないと思っています。EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)の普及を進めるために、自動車税の減免・免除も含めて、地方公共団体としてバックアップしたいと。そのための条例制定を行いたいと思います。条例案を策定して、9月議会での提案を目指したいと思います。
6 質 疑(10:17~10:38)
(医療サービス確保対策の拡充について)(文頭に戻る)
Q
研修医の住環境整備や指導体制の検討ということですが、県内でも比較的都市部の病院と中山間地の病院で、住環境ならびに研修医の充足状況に大分差異があると思いますが、この検討では、どういった地域を想定して検討されていくのでしょうか。
A 知 事
当然県域全体ということですが、魚沼エリア、基幹病院を目指して、というところも意識されることになります。具体的な内容については今後検討を進め、次の予算措置につなげていきたい。そのための準備を始めるということです。
Q
次というのは6月議会ではなく、9月議会ですか。
A 知 事
9月議会になるか、新年度になるかは検討状況によります。
Q
すぐに検討会を設置するということではなくて、まずは内部的に検討していくということですか。
A 知 事
具体的にどうするかは、やりやすいようにやるということですが、内部だけで検討しても良いものができるのか。少なくても、今、都市部で勤務されている先生は、「どういう条件があれば来ていただけるのか」ということは聞かなければいけない。頭の中で考えてやるわけにはいかないので、当然経費はかかるということだと思っています。
Q
魚沼地域をエリアにするということで、先般、寄附講座を新潟大学大学院に設置しましたが、ああいった取り組みと連動しながらやっていくのでしょうか。
A 知 事
魚沼エリアというのは当然意識します。ただ、タイミングの問題があります。今の小出、六日町病院のすぐ近くに寮を作ればいいのか、新しいところに作ればいいのか、その場合通勤時間はどうなるのか、などを考えなければいけません、今、結論的に「こうだ」ということではないので、検討しなければいけないということです。
Q
魚沼基幹病院(仮称)での、医師確保に向けての取り組みのひとつということですか。
A 知 事
そういう限定的なものではなく、全県的なものです。
Q
救急手当の補助ですが、当初予算では国費だけ(予算に)盛って、県費は盛らなかったわけです。その判断というのは、効果がなかなかまだはっきりしていなかったということや、「本来、診療報酬で対応するべき」という意見も医師から出ていたというようなこともあったのかなと思いますが、おそらく補正予算で対応するということですよね。その判断と、救急だけではなくて産科医の方も国は手当の制度を設けていますが、これについても県費を盛っていく考えはありますか。
A 知 事
これは、「産科を外す」という話になっていましたか。
Q
産科医優先の二本立てで、手当があるはずです。
A 知 事
今、私のところで申し上げられるのは、緊急的な手当が必要だろうということです。全ての医療体制を直すためには、診療報酬制度全体を見直さなければいけないということになるわけですが、県の権限ではできませんので、今できるところを順次やっていくということです。
Q
魚沼基幹病院(仮称)ですが、基本設計にはいつぐらいから入るのでしょうか。
A
今年度。予算が通れば。
Q
6月補正予算に諮るのでしょうか。
A 知 事
諮りたいと思います。
Q
基本計画の方も、設計に入る前に終えなければいけないのかなと。
A 知 事
並行して進むことになると思います。例えばハードだけであれば「ベッドの数がいくつ」ということで終わるかもしれませんが、「医師数をどういうふうに確保していくのか」と。魚沼基幹病院(仮称)だけ作って「終わり」ということではないのです。周りの病院とどう連携していくのか。そしてどこと提携していくのか。こういうことも決めなければいけないので、基本計画を「ハードだけだ」というふうに捉えるのは妥当ではないと思っています。そのために地域全体の協議会を設置して、その上で先生方からアドバイスをいただいています。したがって基本計画をまず確定して、ハードということは考えていません。
Q
基本計画については「6月議会で示したい」という方針が以前出ていましたが、それには今はこだわっていないと。
A 知 事
「素案」ぐらいになるのではないでしょうか。確定したものとしては出しえないということです。
(「電気自動車等の普及促進に関する条例(仮称)」の制定について)(文頭に戻る)
Q
自動車税の減税については、バス会社とか、運送業者も対象にはなるのでしょうか。
A 知 事
今後詰めていくことになります。広げることが重要ですから、効果の上がる線の引き方、制度設計が必要になってくると思います。
Q
まだ線は引いていない。
A 知 事
もちろんです。これで決めて「一方的にやります」ということではなくて、今いただいたようなご意見も踏まえて、制度設計していく必要があると思います。
(「交流人口の拡大」対策の強化について)(文頭に戻る)
Q
佐渡汽船と粟島汽船の割引の関係ですが、土日祝日で割引の割合というのは、半額以上の割引になるとか、そういう目安はありますか。今、自治体がやっているのは基本的に本州側発だけだと思いますが、佐渡発の便も対象にするのでしょうか。/p>
A 知 事
最後に関係者を含めた調整後に決める、ということにしかならないと思います。
Q
検討しているということで、県として半額以上の値下げをしたいというのは。
A 知 事
4年前、就任した直後だったのですが、(佐渡汽船の運賃)半額をやったことがあります。このときは70%くらい利用者が増えています。そういった過去のデータも含めて、どのあたりが妥当かというのを最終的に決めることにしたいと思います。
Q
粟島、佐渡航路の方は、何月議会になりそうですか。
A 知 事
具体的にどういう高速船を作るかということを決めることになりますので、少なくても何らかのものを6月議会に諮ります。建造費にはいかないと思いますが。
Q
運賃割引の方も、6月議会でしょうか。
A 知 事
6月議会に諮りたいと思います。そうしないと、秋に間に合いませんので。
Q
粟島航路ですが、新造船というのは村と船会社と県の3者でお金を出し合っていくということですか。
A 知 事
そういうことです。
Q
国からの助成はありますか。
A 知 事
制度ができています。特に過疎・離島地域については優遇措置がとられていますから、その制度を利用して、この機会に新造船したいと思っています。
(農業の所得保障制度について)(文頭に戻る)
Q
県版所得保障の水田経営安定化・フル活用モデル事業の件で、先週、第三者委員会が開かれました。地区選定の話とは別に、所得保障ラインを地区別にするか県単位統一にするかなどの基準をどうするかという議論で色々話があったようですが、知事の考えを伺います。
A 知 事
報告を受けていませんので、「うまく動くようにやってほしい」というのが今の段階です。>
Q
あくまでも県統一にするのか、地区別にするのか、地域の特性に応じたものにするのかというのは、第三者委員会で決めてくれということですか。
A 知 事
まず「議論していただけませんか」ということです。
Q
議論というのは、もう先週終わっているわけですが。
A 知 事
結果はどうだったのですか。
Q
まだ公表されていないです。
A 知 事
報告が来ていないのでどういう議論があったのか(把握していません)。終わったかどうかというのは、(私に)上がってきたときに問題があれば差し戻しますので、自動的に終わったことにならないのではないでしょうか。
Q
あくまでも「第三者委員会で結論を出してくれ」ということになるわけですか。
A 知 事
全て知事が100%決めることは難しいのではないか(と思います)。現場の声をどう反映させるか、マネジメントすることの方が重要だと思っています。
(県立学校の耐震・ICT化の推進について)(文頭に戻る)
Q
9月議会と6月議会がありますが、耐震・ICT化は6月議会でやるのでしょうか。
A 知 事
6月議会に諮りたいと思います。
Q
予算額はどのくらいになりそうでしょうか。
A 知 事
今、計算している途中だと認識しています。
Q
パソコンの方も、県立学校が対象ということですか。
A 知 事
まず県立学校です。ちなみに市町村は、市町村が手当することになります。
Q
それに対する補助というのは、今のところは考えていないのでしょうか。
A 知 事
これは国から来る補正予算です。(市町村にも)行っていると思います。
Q
昨日、全国調査の結果が発表されて、県内の耐震化率は約6割ということです。今回このような事業を行いますが、現状についてはどのように考えていますか。
A 知 事
どうして災害が多かった新潟の耐震化率が低いのかと皆さん思われているでしょう。私も疑問だったわけですが、実はスタートラインが違います。私が就任したときは(耐震化率)で、全国平均に差をつけられていました。もの凄い勢いで追いついてきているというのが現実なので、早く全国平均を抜いて挽回したいと思っています。
(衆議院議員選挙について)(文頭に戻る)
Q
衆議院選挙が近づいていますが、政党や各候補者に対して、例えば直轄事業負担金の見直しや地方分権の取り組み方に応じて、知事自身の支援のあり方について差をつける考えはありますか。
A 知 事
地方分権については当然意識してやっていただきたい。これは常々お願いしてきているところです。したがって、今後も施策を訴える際には「地方分権」を言っていただきたいということは言い続けたいと思っています。
Q
今後、衆議院選挙の争点について、各政党がマニフェストをこれから出そうとしているのでしょうが、地方分権が争点になるのかどうか、期待とかそういう点についてどう考えていますか。
知 事
これは知事会でも議論がありました。私は「○×は付けた方が良いのではないか」と思っています。ただ、総意になるかどうかは別にして、知事会から見てそれぞれの施策がどうなんだろうかということを判断するような対応は主張していきたいと思います。できるかな。前回は、相当抵抗感が強いという感じがありましたね。
(減反政策について)(文頭に戻る)
Q
国の方が「減反の見直しについて先送りする」という方向を示したようです。減反については「止めた方が良い」という考えも以前から示していたと思いますが、改めて方向性を伺います。
A 知 事
事実関係は私も報道でしか承知していませんので分かりませんが、今の食料生産地帯の状況はどうかと考えてみれば、就農者の平均年齢が65歳ということになっています。10年前の平均年齢が55歳だったということは、新たな若い担い手の皆さんが将来に自信を持って農業に取り組めない状況がずっと続いているということだと思っています。制度変更してから数年間は効果が出てくるまでに時間がかかるのだろうということを思うと、10年後にちゃんとした農業が日本で根付いているためには、もう時間がないという認識を持つべきだろうと思っています。10年先を振り返ってみたら平均就農者の年齢が75歳になって、3、4割が耕作放棄地になっていました、と。これではもう取り返しがつかないわけですから、先送りということではなく、結論を出すべくしっかり進めていただきたいと思います。
Q
今のままだと、国を守る農政についてはかなり危機感があると。
A 知 事
今までの農政の結果をどうだったかと考えてみると、戦後は増産だったわけです。何とかして食べれる「量」を確保しようと。その「量」の呪縛から逃れられないまま「価格支持政策」に変わってきたわけです。その結果、何が起きたのか。不完全な価格支持政策で農政がコメ中心で行われた。農業従事者になると、他産業に比べて著しく低い所得になってしまうと。「自分の子どもに後継ぎさせたくない」という農家が続出してしまったわけです。結果として、中山間地域を中心として集落が疲弊していった。過疎法でいくら手当して、図書館を作って、公民館を作っても、そこで働いて人並みの生活ができなければ若い人が出て行くという状況になってしまったわけです。一方で、食料自給率は40%になって、6割を海外から輸入して、消費者にとってもトレース(追跡)できないような、何が入っているか分からないような食品を食べざるを得ないような状況が昨年来続いているわけです。消費者利益にも反する、そしてまた生産者利益にも反する、国益にも反するという状況に、今の日本はなっているということです。「農政を放置していてもいい」という状況では、断じてないと思っています。
Q
先般、農林水産省のパブリックコメントに新潟の提案をされましたが、今回それで先送りになれば、今後また判断するような手順はありますか。
A 知 事
今年はまずモデル事業を始めていますので、ぜひこれを成功させたいと。成功することによって国の農政のどこに問題があったのか、どうすれば解決できるのかという道筋を示すために、まず全力を挙げるということになると思います。さらに申し上げると、貿易交渉が失敗したのだと私は思います。ウルグアイラウンドで、「ガット」と言われていた時代、WTOに変わるときに「コメは一粒も入れない」としてしまったと。その結果、何が起きたか。世界の常識で言えば、日本は自由貿易体制の中で車、家電を通じて世界で最もメリットを受けている貿易黒字国。統計の不都合もありますが、貿易黒字国はほとんどないのです。その中で大量の黒字を計上していた、唯一に近い国だったわけです。その日本が「WTOの体制に入らないという選択肢はない」というのは、欧米諸国は分かっていたわけです。農業でどんな案を出しても日本は絶対に「イエス」と言うのが、あの時点で分かっていたので、相手にされなかったわけです。それなのに、国内的には「コメは一粒も入れない」とがんばってしまった。でも世界的に見れば「日本はWTOから絶対に抜けない」という仲なので、農業交渉は最初から相手にされないというのは分かっている中で、禁止的高関税を提案したと。それは酷いだろうということで、ミニマムアクセス米を受け入れさせられたという経緯があるわけです。本来、欧米がとったようにどのようにして自国の農業を守っていくのか。主食は元々国家貿易管理品目です。戦略的な発想がないままに、部分最適を目指したが故に日本の農政がボロボロになっているという現実があるわけです。今一度同じ過ちを繰り返してはいけない。何としても、食料は自国である程度生産していくと。120%やれとは言いませんが、7割、8割はやっておかないといけないだろうと。お金があるからといって他国から食料を買えば、玉突きになって最も経済力が弱いところから食料を剥がしているのと一緒です。これは経済大国日本がやるべき道ではないだろうと。国際的な立場から言っても、自国の食料、特に主食についてはしっかり確保するのが何を置いても最優先になされるべきだし、食料危機が起きたときに一番最初に困る都市部にとって、メリットがあることだと私は思っています。
Q
民主党の農業所得保障制度については、親近感を覚えますか。
A 知 事
どの党がということではなくて、世界の常識はブルー補助金の所得保障制度です。そういうふうにWTOの制度は設計されているのに「世界の潮流に逆らって農政がうまくいくわけがない」という一言に尽きると思います。
(トキめき新潟国体について)(文頭に戻る)
Q
明日でちょうど国体開幕前100日になりますが、それについて所感をお願いします。
A 知 事
45年前、(一巡目の)国体と(新潟)地震を、時を置かずして新潟県は経験しているということです。今回、中越大震災から5年目、中越沖地震から2年目と。全国から大変温かいご支援をいただきました。45年前の記憶を風化させることなく、感謝の気持ちを持って、ぜひ国体を成功させたいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
