1 日 時 平成21年8月28日(金)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・新潟県内経済の概況(6月~8月)について
4 質疑項目一覧
・平成21年度9月補正予算概要等について
5 知事発表(13:31~13:52)
(新潟県内経済の概況(6月~8月)について)(文頭に戻る)
本日、有効求人倍率が発表されました。新潟県内は3か月連続0.44倍で史上最低水準が続いており、相変わらず大変厳しい雇用情勢だと認識しています。本県の経済状況の認識を簡単に説明します。
個人消費は、既存店で14か月連続で前年同月比マイナスになっています。全国平均よりマイナス幅は少ないものの、マイナスが続き、売上げ減が続いているということです。消費者物価も3.3%減で、8か月連続で下がっています。売上げと物価は関係があって、デフレ経済下で経済成長するのは極めて難しいと感じています。日本経済の停滞は「マクロ金融政策をどうするか」に依存する部分は大変大きいと思います。消費者物価が下がり続ける世の中で、本当に経済成長できるのでしょうか。できればこの総選挙で、論争の1つとして取り上げてほしかったですが、残念ながらこの点が飛んでいます。また、同時に物価問題と為替問題が連動しています。昨年の10月にリーマンショックが起きる前は、1ドル110円台だった為替レートが、90円台前半になれば当然輸出産業を中心に打撃を受けることになるわけで、それが地方経済にも波及しています。「円の通貨価値をどういう水準に置くのか」というマクロ経済政策をしっかりやってもらわないと、地方の苦境は脱却できないと感じています。
乗用車については、普通乗用車の新規登録台数が10%強の伸び、小型乗用車が0.5%増、軽自動車が7.0%増で、政策効果が出ているのではないかと受け止めています。
一方、住宅投資は約30%減で大変厳しい状況です。建築着工床面積は前年同月比5.8%増になり、6か月ぶりに前年を上回っています。なお、建築着工床面積は消費者だけではなく産業界の分まで含んだ数字です。
次に企業の設備投資額ですが、増加している業種があります。巣篭もり需要(外出を控え不要不急の消費を控える)と言われるものだと思いますが、食品、エネルギー関連、直江津のLNG受入基地等の鉱工業などでプラスになっており、そうした影響からプラス面に出て、今年度のマイナス幅が縮小しています。
公共工事請負金額については、4月以降、5、6、7月と右肩上がりで増えています。しかし、昨年度はガソリン税のほか地方税である軽油引取税が凍結され、公共事業の執行が止められており、前年度比で大きくプラスになった反動でマイナスになりました。傾向で見ればプラスの傾向を示しています。生産活動も2、3月に底を打って、動きは弱いものの底打ちの動きという状況が見られます。
雇用ですが、有効求人倍率は3か月連続で0.44倍で、過去最低の有効求人倍率を続けています。少し下げ止まったということですが、水準自体は昨年に比べて約35%も下がる厳しい状況になっています。さらに企業収益も右肩下がりということです。
企業倒産ですが、前年同月比を件数、負債総額とも下回っており、経済対策の効果が出ていると認識しています。業況感は底這いで、日銀短観は下がっています。一方、中小企業団体中央会の調査では、微妙に右肩上がりに転じたことが感じられるカーブになっています。
以上、全体を含めた6月から8月の基調判断は、「県内経済は、底入れの動きが見られるものの、底這いの厳しい状況が続いている」と判断しています。この判断を基に、9月補正予算を提出したいということです。
※報道資料 ※新潟県の経済動向 ※新潟県の主要経済指標
(平成21年度9月補正予算概要について)(文頭に戻る)
9月補正予算の全体のフレームですが、経済状況、雇用情勢など大変厳しい状況が続いていると認識しています。「中小企業等経営基盤の弱いところを中心とした企業経営(の安定)、県民生活の安定をいかに確保していくのか」に加えて、「不況期だからこそ、将来に向かって投資となる事業を行っていく必要がある」という基本的な思想の基に、補正予算を計上したいと思います。
補正予算の規模ですが、一般会計で402億円を提案します。結果として補正後の本年の本県予算規模は、1兆3,603億円で、平成21年度当初予算に比べて11.6%増という数字になっています。これをどう評価するかですが、冒頭申し上げたとおり、本来物価が下がっていく中で経済成長する国というのは歴史上あり得ないので、これで十分かというマクロのボリュームで言えば、10%ぐらいではないかという認識は持っています。現在の国の制度の中で自治体としてとり得る最大限の対応をしています。
歳出のポイントですが、「雇用・経営安定対策と生活の安定」に26億円。「医療・教育・福祉の充実」で104億円、これは耐震化等ハード整備も含んでいます。「地球環境保全対策」として4億円。「産業の高度化と拠点性向上」で20億円。「防災・安全安心対策」で210億円です。財源は、会見で何度も言って申し訳ないですが、日本の自治体はほとんど裁量がありません。国が措置するかどうかでしか決まりません。特定財源で、国庫支出金等と各種交付金を含めて国が補正予算を措置したものが338億円です。それ以外に県債16億円、1回積み立ててあった県債管理基金等から戻すということで繰入金43億円。(合わせて一般財源)64億円。こういったことを想定しています。
「雇用・経営と生活安定対策」の中身ですが、雇用創出の加速と雇用定着の支援をやりたいと思います。臨時雇用の拡充です。県内地場産業をターゲットに、大企業ではない中小企業、それも中堅企業が需要創出できる対策を採りたいと考えています。中身については以前、記者会見でご説明しました。教育機会確保に向けた取組の強化ですが、現在、県からの奨学金と他の奨学金との併用が禁止されています。この前の議会で指摘されたところですが、これを見直す条例の改正を提案したいと思います。
次に「景気の回復局面を見据え、将来への投資」を実施したいと思います。ノー白熱電球の取組による地球温暖化対策の強化、新潟版グリーンニューディール政策による環境産業の創造、新規創業・第二創業による産業の高付加価値化の推進については既にご説明しました。新潟港、新潟空港等の活性化ですが、コンテナ貨物増加促進のための支援制度を実施します。航空会社の中で、路線によっては搭乗率が相当落ちている路線があります。また撤退ということにならないように手を打ちたいということで、予算措置したいと思います。佐渡空港拡張効果調査は、佐渡-羽田便の早期就航に向けた取組の一環です。若者の新規就農の促進と持続可能な魅力ある農業の展開は、総選挙でも争点になっていると思います。経済大国である日本が、お金で食料を海外から輸入し続けて、結果として玉突きで経済力の弱いところから食料を取り上げることは、あってはならないと思っています。食料生産基地でしっかり農業に従事することによって、人並みの暮らしができる産業体系を構築することは、地方にとってだけではなく都市部にとっても極めて重要なことだと思っています。若者が魅力を持って農業に入ってこれる環境を整備していく予算を計上しています。
次に「医療・教育・福祉の充実等安心・安全な社会の実現」ですが、医療サービスの充実として新型インフルエンザ対策の強化をやりたいと思います。公会計制度の欠陥もありますが、本来であれば減価償却費を積んで必要なときに(先端医療機器を)更新できるようであればいいのですが、なぜか公会計は予算があるときにまとめて全部払うことになっています。更新が遅れていたがん診療機器等、今回の補正予算で措置ができる余裕があるときに更新したいと思います。がんで亡くなられる方は死因の第1位を占めており、健康で長生きできる現役づくりのためにも、機器の整備を今回の補正予算で実施したいと思います。次に魅力ある教育環境の充実ですが、特別支援学校高等部への進学希望者への対応や、寄宿舎等の環境改善を行いたいと思います。理科教育が弱く、希望者が少なくなっており、また理科系の学部を出てもなかなか社会的に恵まれない等々の話がありますので、理科教育等の充実のため、教育機器を整備したいと思います。また国際的な交流促進と文化交流のために、県内大学院への海外留学を支援したいと考えています。次に高齢者施設における要介護者等の安全確保。これは以前発表したとおりですが、軽費老人ホーム等のスプリンクラー設置支援経費を盛りたいということです。地方に住んでいても安心した生活ができ、情報格差を改善するために携帯電話の不感地帯解消のための経費も措置したいと思います。その他参考資料に、より詳細に載っていますので後ほどご参照ください。
※補正予算全体フレーム(その1) ※補正予算全体フレーム(その2) ※分野別経済対策一覧 ※主な事業の概要 ※その他の主な事業
(平成21年9月県議会定例会提出議案について)(文頭に戻る)
次に9月県議会に提案する条例です。相当、形式的なものもありますので主な議案の概要をご説明します。
第141号議案ですが、今年の秋に、現在、東京電力に賦課している核燃料税の5年間の期限が来ます。これを法定外普通税として核燃料税を課すために、新たな条例を制定する。事実上の延長ということです。ただし税率を現行100分の12、つまり12%としていたものを、様々な行政需要と他県の動向等を踏まえて14.5%に引き上げることとします。
第144号議案ですが、新潟県奨学金貸与条例は先程ご説明したとおりですが、現在、複数の奨学金が貸与できないという規定になっているものを改めるということです。
第146号議案ですが、子育て支援、ひとり親支援、社会的養護の充実などに基金の使途が拡大したので、実施期間の延長とともに新潟県安心こども基金条例の改正を行いたいということです。これも国の制度に引っ張られて条例改正をするというもので、本来であれば、どういう形で支援するか地方に任せていただきたい。国が決めると機械的に条例を改正するのが地方自治だとは思いませんが、現行法上そうなっているので条例改正を提案したいと思います。
第147号議案は新潟県電気自動車等の普及の促進に関する条例の制定。EV(電気自動車)、PHV(プラグイン・ハイブリッド車)については税の減免を規定しています。
第148号議案(農地法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定)、第149号議案(新潟県国家公安委員会等の権限に属する事務に係る手数料条例の一部改正)は、国の法令が変わったことに伴う条例改正です。
第150号議案は、新型インフルエンザ治療薬(タミフル)の取得をお諮りするものです。
第154、155号議案ですが、新潟東港臨海水道企業団の解散です。議案としては解散ですが、実態としては民営化で、全国初めてです。毎年生じる約5,000万円の赤字解消につながります。また民間ノウハウを導入して、サービスの向上が行われることを期待しています。現在、全地球規模で見ると水が不足しています。水ビジネスというものが国家レベルでも様々な検討がなされているところです。日本はどちらかというと良い素材と技術は持っているのですが、それを切り売りして全体的なビジネスに結び付けられていない。それを是正しようという動きが国レベルであるわけですが、水道事業者が機動的に動けるようにすることによって、将来的に水ビジネスなどに参入する余地が生まれることも民営化の効果として期待したいと考えています。
※提出議案一覧 ※主な提出議案
(病院事業会計の累積欠損金と資本剰余金の相殺処理について)(文頭に戻る)
病院事業会計について、報道機関の皆さんが県民の皆さんにお伝えするときに「赤字がこんなにたくさんあります、大変だ」というトーンの記事が多いと思います。現実はどうかと言うと、県立病院の累積欠損金は平成20年度末で456億円です。一方、自己資本金が268億円、資本剰余金が260億円、合計528億円ありますので、剰余金と欠損金を相殺すると減りますし、さらに資本金を減資するとプラスになるということで、累積欠損金をゼロにすることも可能というのが、新潟県病院事業会計の実際です。
会計情報とは、本来分かりやすく誰でも理解できるように伝えることが趣旨ですが、なぜか公会計の場合、国によってコントロールされている。必要以上に欠損金が溜まっていることを強調させられるような指導を受けているのが現実です。実際には「累積欠損金がない」という形で書けるにもかかわらず、「累積欠損金でいくら」と言わされています。公会計制度の見直しがなされますので、誤った情報ではなく理解できる情報に直していく必要があるだろうと思います。通常の企業会計で理解できる人が、病院事業会計を見れば分かるような形に、公会計をしっかり開示していく必要があることも踏まえて、今回、累積欠損金と資本剰余金の相殺処理を行います。
この結果、処理後の累積欠損金は243億円になります。しかしながら冒頭申し上げたとおり、本来であれば減資すればゼロにすることも可能です。減資のところまで踏み込むことになると、法令解釈上の問題や行政指導の問題が出てきますので、今回はまず固いところで、剰余金との相殺だけにとどめたいと考えています。
何度も言いますが、公会計を見てみると、通常の会計では考えられない。例えば「長期借入金」は、誰がどう考えても「負債」に分類するわけですが、公会計では「他人資本」といって、資本の部に載っているわけです。一体なぜこんな規定をするのか。特に事業会計について言えば、公の特別な事情はないわけです。普通の民間企業会計と同じく処理するのが本質だと思います。国の債務の問題も色々議論されていますが、これもフローの部分だけ見ていて、「日本政府は実は世界で最も資産を持っている政府だ」ということが議論されているようなところは、本当はマクロ経済をどういうふうに運営するのかという議論をすべきではないか。そういう時期に来ていると私は思います。
※報道資料
6 質 疑(13:52~14:01)
(平成21年度9月補正予算概要等について)(文頭に戻る)
Q
今回の補正予算は色々な視点で組んでいますが、「特にこれを重視した予算だ」と言うならば、どれでしょうか。
A 知 事
対処しなければいけない課題にいくつか重要なものがあるわけです。これから起きる事象を考えると、雇用問題、生活が破綻しないように支援するところに力点を置くべきだろうと考えています。
(歳出のポイントの)冒頭に「雇用・経営対策と生活の安定」としているのはそういう意味で、金額の問題でハード事業をやるのかソフト事業をやるのかによって多寡があります。一番上位にしているのは、今、喫緊に特に自治体が取り組むべき課題であえてプライオリティーを付けるとすると、雇用問題と中小企業の経営問題、生活の安定というところは特に重要だという意識を持って、こういう順番にしています。
Q
地場産業(支援)を盛り込んでいるのは、現状認識から思い入れがあるのでしょうか。
A 知 事
地場産業がなくなるとどうなるかと言うと、働く場が失われるわけです。そうすると、生活が破綻することになってくるわけです。「産業は福祉の糧」と言われます。産業がなく福祉を充実するのは不可能なわけで、それも地方自治体という目で見れば、住居に近いところに働く場がなければ地域全体が衰退してしまうということですので、当然地場産業を重視して施策を打つことになります。
Q
「医療サービスの充実」で、新型インフルエンザ対策事業に約4億円とありますが、これと(第150号議案の)タミフルの備蓄の議案は、全く別個の予算と考えてよいのでしょうか。
A 知 事
第150号議案は、「既に買ったもの」(6月補正予算で措置したもの)ということです。そこに、さらに追加するということです。
Q
(第141号議案の)新潟県核燃料税条例の制定について、事実上の延長という話でしたが、税率が若干上がっているところについて、もうちょっと理由付けを分かる範囲で教えてください。
A 知 事
他の原発立地地域自治体も様々な行政需要を勘案して、税率は変更しているわけです。我が県においても、世の中の相場を意識する必要があると思っています。それに加えて原子力発電所立地県であるということで、別途新規の行政需要が発生していることもあります。したがって、他自治体の動向等に的確に対処していくため、どれくらいの負担を願うのが妥当なのかを総合的に勘案して、税率が変わっていくということです。
Q
「行政需要」をもう少しわかりやすく言うと、どんなことでしょうか。
A 知 事
具体的な積上げで税率を計算したものではありません。この作業があって「何人かかっているから、いくら」という計算をしているわけではありません。
Q
他県の状況を見ながら「このくらいかな」という感じでしょうか。
A 知 事
交渉も含めて、ということになります。
Q
補正予算規模の402億円は、先程「国の色々な制約がある中で」と言っていましたが、今の雇用環境を考えた中で、どの程度十分なものができたという自負、考えでしょうか。
A 知 事
「道半ば」だと思います。急な施策があれば、さらに12月議会においても必要のあるものについては対応することになるだろうと思います。本来、予算というのは「キャップ」です。歴史的経緯で言うと、絶対王権が勝手に税金をかけて使わないように議会ができてキャップをはめるという制度だったわけです。若干、地方自治体の運用を見ると私は違和感を感じる部分があります。使途の内容まで決めるみたいな話になっています。これはキャップです。キャップだという意識が徹底していれば最初から(予算を)積む必要もあるのですが、中身を詰めないといけないとなると、まだ準備中の案件もあるので、それは12月議会に向けて準備が整ったものから別途対応することになってくると思います。ただ、国が(予算を)キープしていて地方に来るという枠を作っている部分については、新政権がもしできた場合にどういう扱いになるのかを見極めないといけないので、「必ずやります」と言えるかというと、そこは少し様子を見てみる必要もあると考えています。
(病院事業会計の累積欠損金と資本剰余金の相殺処理について)(文頭に戻る)
Q
累積欠損金と資本剰余金の相殺処理について、法令上は全然問題ないと言うことですが、なぜこの時期にこういうことをやることになったのでしょうか。
A 知 事
元々やりたかったのですが、「準備が整ったから」ということに尽きると思います。
Q
資本金の減額もやるつもりでしょうか。
A 知 事
本来であれば、公会計制度見直しの中でやるべきではないかと思っています。実はもうひとつ問題があって、今の公会計制度は「資本収支」など分からない費目を使って、損益計算書上に現れない資本金を増強してきた歴史があります。情報開示の観点から言えば、そういう形で資本金を積むものでしょうか。ちゃんと損益計算書は損益計算書で見る、資本勘定は資本勘定で見ることをすべきで、それをどんぶり勘定にしている制度は見直すべきであり、私は正しい財務内容を示すように改めるべきだと思っています。ここの部分には規定がないので、今の段階で事務方も慎重な部分がありますし、当然国との関係を意識してやらざるを得ませんので、今の段階では(資本金の減額は)見送りました。将来は、そもそも公会計制度、特に事業会計については国際会計基準に準拠してやるべきだと思っています。
Q
今回は病院事業会計だけでしたが、例えば他の事業会計についても、こういった考えで進めていくのでしょうか。
A 知 事
例えば、電気事業会計は累積欠損金がありません。これと全く同じ考え方にはならないと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
