1 日 時 平成22年2月3日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・子ども通院医療費助成の拡充について
・知的財産を活用した企業の海外展開や、標準化による市場創造の促進について
4 質疑項目一覧
・日本海東北自動車道の無料化について
5 知事発表(10:02~10:15)
(子ども通院医療費助成の拡充について)(文頭に戻る)
実感できる子ども通院医療費助成(の拡充)を、2月議会に提案したいと思います。子どもの通院医療費が今どうなっているかと言うと、通常の健康保険の他に各県、市町村が上乗せ助成をしている実態があります。そうした中で子育て世代への負担軽減、少子化対策の一環という考え方のもとに、実感できる子ども通院医療費助成を実施したいと考えています。市町村負担部分の財源を県に振り替えるということではなく、直接当事者である子どもを育てている子育て世代の皆様に(医療費が)渡るような形での改正を、2月議会に提案したいと思っています。
市町村、広域自治体、国がどういう役割分担でいくべきかと考えると、広域自治体としての子ども通院医療費助成については、あくまでも少子化対策として実施していきたいと考えています。ちなみにフランスの子ども手当(家族手当)は、第1子には助成がありません。第2子より第3子の方が支給が大きいという制度になっています。子ども手当等が(家計に)入ってくる中で、合計特殊出生率が2.0前後まで回復しているという現実があります。
今、負担感が大きい世代に対する支援は、広域自治体がやるべきであろうという理念のもとで実施したいと考えています。なお新年度ですが、国の子ども手当の拡充が検討されています。総合的な少子化対策をどうしていくかという点や、児童手当が廃止されると認識していますので、この部分も含めて少子化対策を医療費も含めてどうしていくのかという議論は改めて必要なのかな、と考えています。
※報道資料
(新潟県産コシヒカリの第2回DNA検査結果について)(文頭に戻る)
新潟県産コシヒカリの第2回DNA検査結果がまとまりました。7月にも1度実施しましたが、10~11月にかけて首都圏の小売店から購入した「新潟県産コシヒカリ」と表示されているもののDNA検査を実施しました。その結果ですが、「コシヒカリBL100%」が、25点のうち15点となりました。「従来コシヒカリ100%」が2点、「従来コシとBLが混じっているもの」が8点ということです。スーパーマーケット20店、ディスカウントストア5店で購入しています。
どういうふうに見るかというと、今(県内)作付けの90数%の新潟県産コシヒカリは「BL」ということになっています。ランダムに選んだものの中でBLの比率を計算してみると、結局60%なのです。25点中の10点が、従来コシが混じっている、もしくは従来コシであるということになります。従来コシヒカリを作られている方は、どちらかというとこだわりの農業をされている方が多いと。例えばディスカウントストアで売られている従来コシのように、極めて安価で売られているものも含まれていました。全体の比率から見て、違和感を感じない部分がないわけでもない、ということです。したがって、この調査結果は関係機関に情報提供し、今後も継続的に調査を行っていくことを考えています。県内の流通ルートには県に立入検査権がありますが、それ以外についてはありませんので協力依頼をしていくということも含めて、より現実がどうなっているかを把握する努力は続けていきたいと思っています。
※報道資料
(知的財産を活用した企業の海外展開や、標準化による市場創造の促進について)(文頭に戻る)
今後の新潟県の経済産業構造をどういうふうにしていくかということですが、知的財産を活用した企業の海外展開や標準化による市場創造を促進したいと思います。今、新潟県経済がどうなっているかと言うと中小企業が多い。それも自動車、電気という日本の基幹産業の2次、3次、4次、5次下請け企業が多くなっています。その結果どうなっているかと言うと、良い品質のもの、素晴らしい製品は作るけれども、必ずしも自ら企画しているわけではないことから、素晴らしい製品ができたわりに新潟県内企業の利益にはなりにくい、ということになっています。付加価値とは何なのかと言うと、「販売価格-原材料費」になっているわけですが、コストダウンということで納入価格が下がればいくら良いものを作っても1円も付加価値が付かない。場合によっては赤字覚悟で受注して、固定費分をなんとか間に合わせることになってしまう。このような商売を続けている限り、技術開発をいくらやっても決して新潟県内企業に付加価値が付いたりしないということがあるわけです。したがって、新潟県の企業に付加価値を付けていく戦略を、地域社会としてとっていかなければいけないと考えています。
基本的にどういう産業政策があり得るかと言うと、「知的財産戦略」か「標準化戦略」ということになります。米国は知的財産戦略を基本的に国の方針としてとっている。デザインやキャラクターなど様々なもの、特許等で自国の産業がしっかりと根付いていくような対応策をとる傾向があると言われています。一方、ヨーロッパの方は標準化戦略をとっていると言われています。分かりやすい例が携帯電話です。GSM規格(携帯電話の無線通信方式)は、ヨーロッパ各国で採用されたことによって世界に広がる。結果として(フィンランドの)ノキアや(スウェーデンの)エリクソンなど、(それぞれ)人口約500万人、約900万人の国での規格が、世界市場を獲得していくことになっていったわけです。結果として高福祉の国において、高成長を実現できているということです。
今後期待できる分野、特に成長の拠点と言われる中国、極東を含むロシアの成長をいかに地域に取り込んでいくことができるかできないかで、地域社会の未来図が大きく変わってくると思っています。例えば日本がリードしている太陽光発電の分野、それも雪国型、緯度が高いところでできる太陽光発電の設置部分のノウハウを含めて、知的財産権を成長する国でとった上で販売網を拡充していくことになると、当然直接的に県内企業に恩恵が及んでくると思っています。
知的財産権の他に標準化ということも考えられるわけですが、政府が調達するときに一定の推奨基準を持っているケースが多々あります。例えば医療用器具等はほとんど今、輸入に頼っているわけですが、新潟県でできたものについて基準に入ってくるということになると、マーケットが拡大することも考えられるわけです。モデル事業ということではなく、仕組として開発したものが広がっていく。こういう取り組みを進めていきたいと思います。
ちなみに成功例として申し上げた北欧は、米国から見るとどういうふうにメリットがあるかと言うと、国の規模が小さいがために産官学の連携が極めてとりやすい状況になっているので羨ましいという話も、私は直接聞いています。すなわち、技術開発してそれが国の規格になりEUの規格になっていくという中で、主導権を取りやすいところにある。人口3億人も超えるような国になっていくと、その連携の中での競争関係ということからなかなか(主導権を)取りにくい。小さな国であるからこそ取れた規格があると認識しています。そのような試みを、ぜひ新潟県としてもやっていきたいと思います。
※報道資料
(日本海東北自動車道の通行料無料化について)(文頭に戻る)
昨日、日本海東北自動車道が新潟中央インターチェンジから北の部分で無料化となりました。高速無料化については様々な意見があることを承知していますが、新潟県内で考えたときに今回の無料化区間の選定については、並行する新新バイパスの渋滞がどういうふうに緩和されるのか。一方、高速道路網の整備が遅れていた県北地域にどのような恩恵をもたらすのか。長距離と短距離の通勤需要について、料金を無料にする時間帯とそうでないものも作ってみるなど、色々トライアルしてみると面白いと思います。区間の選定に関して言えば、他の競合する交通機関に対するデメリットは最小限に抑えつつ、「効果がどの程度あるか」ということを確認する場所としては、大変興味深い区間を選定していただいたのではないかと考えています。「トランスポート・ディマンド・マネジメント」という考え方があります。時間帯、対象車種、区間を様々に、交通(需要)を望ましい方向に分散して効率を上げていくという考え方があると思いますので、ぜひ今回の無料実験が有意義なものになることを期待しています。
6 質 疑(10:15~10:31)
(日本海東北自動車道の通行料無料化について)(文頭に戻る)
Q
日本海東北自動車道に関して、とりあえず今の区間は決まりましたが、さらに広げていってもらいたいというような希望はありますか。
A 知 事
今回は社会実験ですから、結果を見てからでないと判断は難しいと思います。デメリットも当然あるわけです。例えば高速道路料金の上限1,000円を導入した結果、何が起きたかと言うと、首都圏の人にとっては、土曜日に出て日曜日に帰ってきて次の日に疲れを残さないとなると、夕方は渋滞がなく流れてくれないと困るわけですが、土曜日に高速道を利用して遠出すると、日曜日に渋滞にはまるということが頭の中にインプットされてしまうというような現象も起きています。そうすると「中長距離(の旅行)は行きにくいよね」という話にもなってしまっています。場所によってはフェリーの売り上げが大幅に落ちる、JRとの競合が生じるというようなことも起きているわけです。メリット、デメリットを総合的に考えていくためには、やはり社会実験の結果が大変興味深いものとして注目したいと思います。
(子ども通院医療費助成の拡充について)(文頭に戻る)
Q
子ども医療費助成ですが、「3人以上」という人数制限を外すかどうかというのがひとつの論点だったと思います。知事はあくまで「少子化対策」と主張して温存した理由を説明していますが、今後も条件は付けた上で制度のあり方を考えていくことになるのでしょうか。
A 知 事
考え方ですが、特に小学校就学前については全市町村が既に全子に対して助成しています。したがって、直接的に恩恵を被るような制度にするためには、(助成対象年齢を)伸ばすしかないと思っています。市町村の財源振替が目的ではありませんので、今回のような条件が付いているということです。先程聞かれた部分は、理念としてどう考えるべきなのだろうかと。やはり広域自治体は少子化対策を考えるのが筋ではないかと、理念としては思っています。今回これを選択した理由は、直接的に子育て世代の負担を軽減するための方策としては、こういう形で(助成対象)期間を延ばした方が(恩恵を)実感していただけるということだと思っています。
Q
その一方で、平成21年度も有識者会議を開いて検討した際に、「人数制限は外した方が良い」という意見がだいぶ多かったですが、今まで知事はどちらかと言うと有識者会議の意見を尊重して施策を練ってきたと思います。敢えてここで逆の結果になり、こういった会議のあり方についてどう考えますか。
A 知 事
逆ということではなく、これは議会でもずっと答弁してきています。市町村の財源振り替えはやらないということです。行政間でどちらが負担するかという話をしても、子育て世代には何のメリットもないわけです。したがって、今の子育て世代の負担軽減につながるような選択をしたということです。有識者会議の結果についてお尋ねがありましたが、平成22年度は、先程冒頭で申し上げたとおり、子ども手当の動向を見ながら全体を見直していく必要もあるのではないかと思いますので、議論を続けていく必要があると思っています。逆に有識者会議の方であっても、「市町村負担を県負担に振り替えることが医療費助成の目的だ」と言った人はいないと思います。
Q
今回は所得制限を継続して、今後の子ども手当のあり方によってどうするかという議論になると思います。平成22年度の子ども手当については所得制限を無くすということになっていますが、そこで敢えて県の方では(所得制限を)残すことにした理由はどうなのでしょうか。
A 知 事
これまでの制度、仕組の中の継続は、まだ途中過程だということ。これで提案します、ということですから、色々な議論がこれから議会でなされるということは当然あって然るべきだと思います。例えば子ども通院費助成は、これで完成形かと言うと必ずしもそういうことではないと思っています。昨年も申し上げましたが、市町村の方としても、本音ベースとしては順次やってほしいと言われているところも、どこかということは言えませんが、あります。そういう状況の中で、段階的に進めていくという以上のことはありません。
(新潟県産コシヒカリの第2回DNA検査結果について)(文頭に戻る)
Q
コシヒカリのDNA検査結果について、第1回目の調査結果を関係機関に情報提供したと思います。関係機関というのは多分国だと思いますが、その後は実際に何か対策として動いてくれたのか。また、コシヒカリBLの県内作付けが100%にならない限りは、いつまで経っても従来コシヒカリや、混ざっているものを「県産米ではない」と言い切ることができないと思いますが、そこはどのように考えているのか教えて下さい。
A 知 事
「消費者の選択」という部分もあると思っています。そのために、流通経路も含めて確実に「新潟県産である」ということを証明する「新潟オリジナルコシヒカリ」ロゴマークを作っているわけです。不安な方は、ロゴマークを見てお買いいただければ確実だと思います。
最初の質問ですが、一応、「調べきれなかった」ということだと理解しています。したがって、関係機関がしっかりと消費者の利益保護のために動いていただけるような状況づくりのために、もう少しデータを集めていく必要もあるのかな、と思っています。
Q
認証ロゴマークは、現状としてどのような普及状況であるという認識ですか。
A 知 事
消費者の選択ですから、現状の程度は、ロゴマークの必要性についての感覚によって変わっていくのだろうと思います。現在は、まだスタートしたばかりの段階と受け止めています。
Q
先程「違和感を感じない部分がないわけでもない」と言いましたが、違和感というのはどういうことでしょうか。
A 知 事
(県内)作付面積の90%以上がBLになっているわけです。ところが実際に集めて検査すると、「従来コシが入っているものの比率が40%になっている」という部分を指して言っています。
Q
実際にはBLの作付けが圧倒的に多いにも関わらず、売られているBLの量が少なくなってきていることに対する違和感ですか。
A 知 事
比率ですよね。ランダムに調査したら、そう比率が乖離することは統計学的には有り得ないです。そこのところを言っています。
Q
それは、サンプル数をもうちょっと増やした方が良いということもあるのでしょうか。ランダムに調査したのが25点ということですが、例えばサンプル総数を100点とか、もっとそれ以上に増やして様子を見るとか、そういう考えはないのですか。
A 知 事
場所も変えて、サンプルも頻度を上げて、ということは考えています。当然、来年度の予算編成ポイントのひとつです。食の安心・安全という観点からも重要だと思っています。
(佐渡空港整備にかかる佐渡市の財源補填等について)(文頭に戻る)
Q
佐渡空港(滑走路)の2000m化の関係ですが、平成5年に県が予定価格を提示した頃に比べて、当然のことながら地価は相当下落して、予定価格も下回る可能性が高いわけです。今後その場合に、佐渡市が市の単独財源で下落した分を補填して地権者交渉をしたいという方針を示しました。こういった補填するというやり方について、所見をお願いします。
A 知 事
どういう名目のお金か承知していません。したがって、佐渡市が制度、仕組、どういう趣旨のお金なのかを、まずしっかり説明していくことが必要ではないかと思います。
Q
論点として、地権者交渉という意味では、多少有利なところがあるかも分かりませんが、一方で、「補填される」ということが前例になると、他の公共事業に影響するのではないかという懸念があると思います。その辺については、どのように考えていますか。
A 知 事
補填という形で本当にやるのでしょうか。承知していません。ちなみに一般論で申し上げると、例えば民間企業の場合であれば、トラブルが生じたときには、日本的には菓子折を持って(相手先へ伺い)、マニュアル的に言えば、どうしてもという場合には、特別な配慮をして全体のコストを下げるということが、常識としてなされているということです。公の機関の場合も、トラブルを避ける、全体コストを下げる、人件費等も時間がかかれば(その分)かかってくるといったところも含めて、値段を変動させる仕組を入れていくというのもひとつの考え方だと思います。
ただ現行法体系はどうなっているかと言うと、公平を担保するために公権力を持っているわけで、金額で折り合いが付かない場合については「強制収用」という手続きが定められています。民間と同じようなマニュアルでトラブル回避、全体コストを下げるために価格や対応を変えていくという仕組、法体系にはなっていないのが、現在の法体系であると考えています。
(国のプルサーマル導入制度等について)(文頭に戻る)
Q
原発の関係ですが、資源エネルギー庁はプルサーマルをやる原発立地道県に交付金を支払うという制度を設けるそうです。それについてどのように考えるかということと、プルサーマルを柏崎刈羽原発でやるということについての考えを聞かせて下さい。
A 知 事
今は営業運転に入ったといっても、安全確認の過程であると考えています。予断を持たず安全性を確認していく段階で、プルサーマルについては議論する段階以前の話ということだと思っています。
Q
国策で進める以上、ああいうやり方も仕方ないのかもしれませんが、一方で鼻先に人参をぶら下げるようなやり方なのではないかという批判も出るような気がします。ああいうやり方について、一般論というか、どのように思っていますか。
A 知 事
特に新潟県はそれで影響を受けるということはありませんので、一般論ということではなく、新潟県としてはあくまでも予断を持たずに、安全性をしっかり確認していくということに尽きます。
(ツイッターの活用について)(文頭に戻る)
Q
ツイッターを半年くらいやっていますよね。最近、特につぶやきも多いように見受けられますが、使っていることについての感想と、県政運営に使えるツールだと感じるかどうか。何か使える方向など考えがあれば伺います。
A 知 事
ツイッターの性格は、中間的なものだと思っています。ブロガーといわれる人たちは、論文を長々と書いて、ブログを読んでもらう。これだと情報発信が一方通行になるわけです。一方、ツイッターはチャットほど日常会話ではないのですが、双方向性もあると。どういうところに県民の皆さんのご関心があるのかということを、瞬時に把握でき得るツールではないかと考えています。まだ試行的にやっている段階ですので、最終的な評価は今後していくことになると思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
