1 日 時 平成22年2月17日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・平成22年度当初予算案について
4 質疑項目一覧
・平成22年度当初予算案について
5 知事発表(10:35~11:41)
(平成22年度当初予算案について)(文頭に戻る)
新年度予算案及び今年度の補正予算について発表します。現在の新潟県の状況認識ですが、先般お話したとおりリーマンショック以降の世界的な不況の影響が県内にも色濃く表れていると危惧しています。加えて、高卒・大卒の新卒者の雇用環境も大変厳しい状況だと認識しています。将来に希望が持て、また安心できる地域社会を作っていくということが、新年度予算の重要なポイントだと考えています。
まず全体のフレームワークをご説明したいと思います。そして特に意を砕いた部分は5つのポイントがありますので、これを順にご説明したいと思います。
特徴の1番目は、経済・雇用対策ですが、しっかりセーフティネットを張っていきます。同時に短期的な雇用対策のみならず、数か月や1年では困るというところがあると思います。高齢化が進む中で構造変革、社会の変革、そして持続可能な地域社会を作るための施策ということも、併せて予算の中に盛り込みました。
特徴の2番目は、県民の皆様が大きく気になっている部分、不安に感じている部分、施策をもっと充実してほしいと思っている部分は、医療面での環境整備だと思っています。そして高齢者介護の体制の充実を併せて進めていきたいと思っています。
特徴の3番目は、持続可能な地域社会づくりですが、選ばれる新潟県づくりを進めなければいけないと思っています。新潟県は、合計特殊出生率が必ずしも全国平均よりも下というわけではありませんが、全国よりも7、8年早く高齢化が進んでいます。なぜそうなるのかと言うと、大都市に進学した方々の8割方が(新潟県に)帰ってこない。大都会に進学すると2割ちょっとくらいしか(新潟県に)戻ってもらえないということから、子育て世代が大都会に流出してしまうということです。すなわち教育環境を充実していく、自分の好みを伸ばしていく中で、新たなチャンスを掴めるような地域社会づくりを進めていかなければ、少子高齢化の流れを止めることができないと認識しています。米国の例では、カリフォルニア、サンフランシスコ、ロサンゼルスで生まれた方々が、果たしてニューヨークを目指すのだろうか。ワシントンを目指すのだろうか。決してそんなことはないわけです。自分達が産まれた場所に誇りを持って、そしてハリウッドやシリコンバレーから世界につながるチャンスがあるわけです。日本のウェストコーストである新潟が、魅力のある地になって将来につながっていく環境を作っていきたいと思っています。
特徴の4番目は、災害からの復旧・復興。(復興が)進捗しつつあるとはいえ、着実に進めていくことが必要だと思っています。
特徴の5番目ですが、効率的な政府、行政運営をしていく必要があると思っています。特に三重、四重、五重行政という形にも見えるのですが、中央ですべて物事を決めて、その予算執行をすることが地方政府の仕事だ、というような感覚を直していかなければいけないと思っています。現場の状況は現場が一番分かっているわけで、そこで施策を組み立てることができるような、そして地域ごとの制度間競争ができるような環境を作っていくことが、日本の活力、明日の日本を作っていくということだと思っています。残念ながら今どうなっているかと言うと、市町村でプロセスを回す。印鑑を押して上まであがって、県の地域機関に申請する。すると地域機関で印鑑を押して回っていって、それを本庁に上げる。本庁で、また印鑑を押して今度は国の出先機関に上げる。国の出先機関でまた印鑑を押していって、今度は本省に上げる。その間、この作業に付加価値が付くのだろうかということだと思っています。やはり現場で意思決定すると、的確な事務事業の実施ができるのですが、横並び、権限、中央集権という形にすれば予算が正しく使えたのか。使途制限がかかる中で、事業官庁がOKと言っても、査定官が入らないとダメだと。さらにそこへ会計検査院が来る。霞ヶ関の仕事の7、8割というのは「金配り」というような状況になっている中で、日本の閉塞感を打破するのは極めて難しいと思っています。効率的な予算の執行をする中で、実際に県民の皆様にサービスが提供されていくような環境づくりを進めていきたいと思います。効率的な政府の実現のために、まず地方政府の事務事業の実施体制において、選択と集中を進めるというのが、大きな予算の眼目ということです。
全体フレームですが、冒頭申し上げたとおり、現下の厳しい経済情勢を踏まえて、平成21年度の補正予算と一体で、引き続き雇用の創出、企業経営、県民生活の安定を第一に予算編成しました。その結果、一般会計の予算規模は1兆2,207億円で、前年に比べて22億円増、0.2%増ということです。借金の返済部分(借換債)が今年は減っている部分があり、実質的に予算規模がどうなっているのか。借換債部分の減少分の影響を除くと243億円増、2.1%増ということになっています。補正分を加えた予算規模は1兆2,310億円です。金額で125億円増、率で1%増になります。
歳出のポイントですが、一般行政経費は政策プラン実施等のソフト事業のための経費です。投資県単事業については、県内に回るお金をしっかり増やさなければいけないということから、県単事業を増額確保しました。大規模な公共事業をやって道路や線路が延びると、その後に倒産する会社がその脇に出て行くことでは困ると思っています。地域にしっかりとした、産業として持続できるような環境を提供したいと思っています。一般行政経費が前年比478億円増、11.1%増で4,788億円、投資県単事業が60億円増、19.0%増で378億円を確保したいと思います。セーフティネットを含めた雇用創出、地域経済の下支えに加えて、経済成長のための施策も併せて盛り込んでいます。医療福祉サービスの充実、少子化対策の充実も含んでいます。一方で事務の効率化、職員の適正配置で62億円の減という財源を生み出しています。
歳入のポイントですが、経済状況の影響で県税収入が大きく落ち込むという前提で予算編成しています。平成21年度は2,374億円あったものが2,013億円に減るだろうと(予測されます)。15.2%減の前提で、予算の歳入を立てています。結果として基準財政需要を満たせないということになります。普通交付税と臨時財政対策債を合わせたものが376億円の増。念のための確認ですが、臨時財政対策債については地方交付税と同じものということです。100%(後年度に)交付税措置されます。国が本来は責任を持ってキャッシュで渡すべきだと思いますが、残念ながら自治体には選択肢がなく、財政調達力のある都道府県が市町村に替わって調達せよ、ということです。税収の減と比べていただくと分かりますが、交付税措置については11.1%増になっており、税収減を上回る歳入増となります。
投資事業です。冒頭申し上げたとおり、新年度予算は今年度の補正と一体で、14か月予算という形で運用したいと思います。特に今年は大変厳しい冬ということで、ブリザードが発生し前が見えなくなるような状況がありました。多くのドライバーが立ち往生するというようなこともありました。除雪能力が維持できなければ、新潟というのは暮らしにくい地域になってしまいます。そのためには、中小建設業がしっかり経営できる環境が必要だと思っています。きめ細かな県単事業の追加対応を実施します。加えて耐震補強等、県民の皆様の安心と安全を確保し、結果として地域経済を活性化するということで、投資事業の内容を精査しました。全体については、国の方針で80%台に圧縮されているわけです。それが地域経済にマイナスの影響を与えないように、地域中小企業に対する資金が回るような予算編成に心を砕いています。主要事業で、県単公共は前年度比4%増ということです。中身については公共土木施設/維持補修系8%増、公共土木施設/建設系と、バリアフリー対策は前年同です。一方高校、福祉施設等の耐震化、安全対策を前倒しで実施したいと思います。高校耐震改修は8%増、高齢者福祉施設整備は156%増、保育所等整備は256%増、医療施設耐震化は11億円の皆増ということです。また、地域産業を守っていかないと働く場が失われていきます。外国の山をハゲ山にして、新潟の雇用を失わせるというのは不合理だと考えています。県産品を活用する体制ということで「越後杉で家づくり事業」も109%増という予算を計上しました。その他の主要事業ですが、150億円を北陸新幹線整備負担金として予算計上します。予算の伸びに応じて比例配分ということで、無論中身については今後調整が必要と考えています。参考ですが、県全体で約9兆円のGDPがあるわけですが、約6~7%が建設業となっています。7%と仮定して6,300億円が県の公共投資全体の年間規模になります。そのうち中小受注規模を計算すると平成21年で3,289億円でした。県、市町村が主体になりますが、平成22年度の中小企業への発注部分は新潟県全体で3,410億円と、4%増やしたいと考えています。その中の県分というのは1,109億円から1,166億円で、5%増と考えています。これは国からの補助金が6%減なのですが、県単の方は33%増の発注ということです。補正部分と繰越部分込みということですが、新年度にマクロ全体で新潟県内に回るお金については、増額になるように配慮したつもりです。
その結果として、財源対策的基金残高と県債残高がどうなるかということです。実績で出ているのが平成20年度末までです。平成21年度末については5月くらいに確定するということですが、財源対策的基金残高は私が就任してから毎年少しずつ上がっていたのが、中越沖地震で一気に落ち込みました。その後は健全な財政運営に努め微増となりました。平成21年度末の現時点の見込みも451億円ですが、160億円を使うということに対して効率的な事業実施に努め、結果として451億円が今残っています。おそらく最終的にはこれを上回っていく、前年度を超えると考えています。平成22年度末にどうなるかと言うと、財政運営計画で160億円を取り崩すということで予算は立てていますが、これも効率的に執行して、平成22年度末も今年度をさらに上回るような運営を心がけたいと思います。結果として県債残高ですが、平成20年度末の決算で2兆4,266億円であったのですが、おそらく平成20年度末がピークで、その後、平成21年度でピークアウトするだろうと思います。平成21年度末決算は5月になると確定します。今後減少傾向を辿っていくと思っています。臨時財政対策債は、本当は国の責任でしっかりとキャッシュで確保していただきたいと思います。新政権が政権運営を進める中で、ぜひとも不正常な姿を、地方交付税は地方交付税として交付することをしっかりとやっていただきたいと思っています。
特徴1ですが、経済・雇用対策、そして明日の飛躍につながる取組の具体的な内容ということです。まず雇用面のセーフティネットをしっかり充実したいと考えています。緊急雇用の創出、職業訓練による就労支援の強化、離職者等に対する支援、看護、介護、農業分野への就業支援。これは既に記者発表させていただきました。パッケージの中の予算措置となります。先日、新潟労働局長がお見えになりましたが、ここでも改めてお願いしました。緊急雇用の創出で特別基金事業、特別基金補助金等があるわけですが、これはどういうことを意味しているかと言うと、冒頭申し上げたとおり非効率の象徴です。それぞれの事業で予算使途が決められているわけです。それが正しく使われたかという観点で、執行を強いられている現状があるわけです。ふるさと雇用再生特別基金事業であろうと、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業であろうと、要は(雇用される)人数をどう増やすかという問題だと、本来思っています。したがって、補助金交付要綱等を作るときに、「いくら渡すから、何人の雇用を創出しなさい」と言って渡せばいいのです。それを「あの事業には使っていい、看護師さんを雇ってはダメ、公的機関は使ってはダメ」など変な制限を付けるので使えないということになってくるのです。ぜひ補助金交付要綱をこんなにバラバラやらずに、「いくら渡すから何人の雇用」、「後は現場に任せる」というような形で運用を進めていただきたいということを申し上げました。「本省には伝える」と言っていますが、事の本質は財務省だと思っています。各事業の実施官庁から財務省に協議するときに、それぞれの司の係長が「この基金はいい、あの基金はダメだ」と言って、事細かに査定するのでこういうことになっています。大都会と農村地域の雇用対策が同じなわけがないですから、ぜひとも現場に任せた事業実施ができるような体制を組んでいただきたいと思っています。良いこともありまして、看護分野は「絶対に使ってはダメ」と言われていたのですが、新政権になってお願いしたら、お願いしたところは緩和してもらいました。ただ、また新しい雇用の方式を考えると、「あれもダメ、これもダメ」と言われるので、本来は一括で任せていただきたいと思っています。
次に地場産業の振興と地域産業の自立・活性化も、地域の産業が自立していかなければいけない、下支えしていかなければいけないということだと思います。そこに働く場を確保しなければ、教育環境だけ整備しても、結局卒業するとどこで働いたらいいのだろうということになってくるわけです。地場産業にちゃんと元気が出るということが必要だろうと思います。ただ、「お金を出せばいい」ということではないわけです。所詮、9兆円のGDPに対して1兆2,000億円しかない県の予算で、足りない部分を補助金で支えて準公務員として雇用し続けるということは有り得ないということです。経済の現場で知恵と工夫で雇用を確保し、生み出していくという自立回転の仕組ができていかなければいけないと考えています。地場産業の振興の中で、新規需要創出事業費補助金を入れました。これは何かと言うと、家の中にフライパンが3つも4つもあってもしょうがないということになると、新規に売ろうと思ってもなかなか物が売れないわけです。下取りとセットで、物を引き取った上で新しいものをお売りしていく。そしてそれをリサイクルに回していく。こういったところを行政がサポートしていく事業を補正予算で始めていますが、今度は当初予算に盛らせていただきました。それから繊維産業の活性化です。固有ブランドはなかなか申し上げにくいですが、百貨店で3万円から5万円で売られているスカーフは、新潟県で作っています。1,000円や1,500円で納めて、売られるとき5万円となっているわけです。良いものを作っているのに付加価値は県内に来ないということになっていますので、そうではなくリスクも取った上でリターンも県内に落ちてくる。またそういったところで経営企画ができる人材というものを受け入れれば、雇用の場の確保にもつながっていくと思っています。繊維産業を例に取って、著名なプロデューサーとクリエーターの出会いの場をセットした上で、実際に物を売っていく、付加価値を取っていくという仕組を行政でサポートしたいと思っています。次に労働集約型業務の委託における入札制度の見直しです。これは連合からも要望がありました。庁舎の清掃は、自由競争で落札すると逆算すれば最低賃金を割っているではないか、というご指摘はごもっともで、年度当初から最低制限価格を導入して、公共の事業に携わる方々が最低賃金を切るような金額で受注することのないような入札制度の見直しを行いたいと思います。ゼロ予算事業ということです。次にセーフティネットですが、新潟県の倒産件数は全国平均より低くなっています。なぜそうなのかと言うと、セーフティネットをしっかり張っているのですが、特に要望の強かったのが「元本の繰り延べ」というところです。新規でどんどん雪だるま(式に貸付)にしていくのは、経営者の皆さんも抵抗感があるので避けたいということです。そういう資金ニーズよりも、今売り上げが落ちている中で過去に借りた資金の返済を同時にするというのは限界があるので、元本を繰り延べてほしいという要望が強く、やはり限界点に来ているのだろうと思います。昨年も補正で上積みをやっています。セーフティネットを新年度もしっかり張って、景気が回復するまで企業が破産に追い込まれることがないように、資金を回していく支援をしっかりやっていきたいと思っています。建設業の振興は冒頭でご説明したとおりです。中心市街地の活性化に向けた取組支援は、商店街をどうしていくのかと言うと、街中の顔として商店街が必要と考える人は8割~9割おられるわけです。「日常の買い物をどこでするのですか」というと、ほとんどの人が「郊外型の大規模スーパーで買っています」ということになっているわけです。そのギャップを埋めないといけないと思います。最後は人なのだろうと思っていますが、経営支援制度等を実施していきたいと思います。加えて大和の撤退がありました。関係者の調整を行うための経費も計上します。
本県の産業構造を転換していかなければいけないと思います。知的財産の活用や標準化による市場創造を促進していく取組を進めていきたいと思います。新規創業・第2創業による県経済の活性化ですが、新潟県の開業率は全国第46位で、下から数えて2番目ということです。チャレンジできる環境を作るための制度・仕組を取り入れていきたいと思います。そうは言っても、結局は人ということだと思っています。江戸時代、刀を持ってちょんまげの時代から、日本はなぜ先進国の仲間入りができたのかを振り返っていただければ分かりやすいですが、結局は「お抱え外国人」に日本人の給料の10倍を払ってでも、技術や経営ノウハウを急速に取得していった。まさに今の中国もそういうことだと思っています。先進国から必要な技術、経営ノウハウ、人材を集め、国を興しているという現実があるわけです。製造業でも本県は自動車、電気機器関連の産業の2次、3次、4次、5次下請けで、言われたとおりに良いものを安いコストでたくさん作ります、と続けているだけでは付加価値が付いていかない。やはり経営企画ができて、経済を引っ張っていく人材をどう確保していくかということが新潟の将来を大きく左右すると考えています。分野で言えば新エネルギー、健康ビジネス等、新潟が先進性を持って引っ張っていける可能性のある分野に、人を引っ張ってこれるような仕組をしっかりと構築していきたいと思います。正直なところ50~100人の新進の経営者がもし新潟に来てくれれば、新潟の未来は大きく変わっていくだろうと思っています。イメージが湧きやすいように申し上げると、米菓市場は新潟(の米菓メーカー)が日本市場の約7割を占めています。これは1人の経営者がいただけで、各米菓メーカーに波及していったわけです。どうして他のせんべいと違って新潟の米菓メーカーが市場シェアの7割も取れたのかと簡単に言うと、パッケージなのです。パッケージを作ってスーパーで売るというルートを開拓したのです。そこにたまたまお米があったと。今や残念ながら米菓業界には、ミニマムアクセス米で新潟米を使ってもらえていない。これは後ほどお話しますが、価格制度に問題があります。経営者が1人いることによって、パッケージの業界を含め新潟に多大なる雇用をもたらしているわけです。これはやり方を間違えて、もし米菓産業が県外にあったら一体どういう状況になっていたのかと思うと空恐ろしい思いもします。優位性のある部分に確実に付加価値を生み出し、新潟本社を持って法人事業税等を納めていただいて、また優秀な人材を(新潟に)引き付けていただくようなものを、米菓だけではなくエネルギー産業、健康産業等で実施していくことが、新潟の未来を大きく変えていくことだと思っています。ちなみにGDP9兆円の内訳で農業というのは、実は2%ないという状況になっています。2,000億円くらいなのですが、米の価格の上がった分を取り込むだけでこれが1兆円くらいになるのは難しくないのです。つまりどういうことかと言うと、今、新潟ではお米を1,000円で出しています。ところが、3週間くらい前に東京恵比寿の三越で一体いくらで売られているかというと、6,200円くらいで売られていました。6,000円で売るということはないまでも、5,000円で売れれば(出荷額が)5倍になるわけです。2,000億円の農業生産額が1兆円になるというのは、流通経路と経営企画をしっかり抑え、安心と安全でおいしい食材を届けるだけで実現してしまうということになります。ちなみに新潟県の農家で最も所得を上げている方は、家族5人で1億円ということになるわけです。当然外車に乗って、1年に3回は海外に遊びに行って、いい生活ができて、後継者も十分にいると。もう「満員御礼」という姿もあるわけです。そういうような経営企画・販売というところも併せて人材を取り込んでいくということで、新潟県経済を成長させていくような取組を進めることが重要だと考えています。
魅力ある農林水産業と農産漁村の実現の具体的な中身になりますが、新潟版所得保障モデル事業の充実、新潟米ブランド力強化対策、新潟版6次産業化推進支援などで、新潟県の魅力を強みに変えていきたいと思います。まず農林水産業における所得の向上ですが、非主食用米産地確立緊急支援事業を実施したいと思います。モデル産地を育成していく、そしてまた県内の食品産業への流通経路の確保をターゲットにしています。ちなみに政府が出した所得補償制度案には、私は問題があると思っています。なぜかと言うと、「主食用米を作ると補助金をあげますよ」という制度になっているわけです。どういうことかと言うと、主食用米が過剰にもかかわらず「主食用米を作ってください」という政策なのです。それを減反政策と組み合わせて、「でも、たくさん作ってはダメ」というブレーキも同時に踏んでいます。なぜ5,000億円も必要かと言うと、アクセルとブレーキを同時に踏むから、政府の施策は5,000億円も必要ということになってしまうわけです。県で試算しました。日本全体で900億円もあれば、農家にも、消費者にも、そして食料自給率の向上にも良い効果があるだろうと。どうすればいいのかと言うと、主食用米を作ったら補助金を出すのではなく、主食用米を加工用米、バイオエタノール用米にシフトさせればいいのです。800万トン生産されている主食用米が、もし700万トンを割ったらどうなるのか。米の価格が上がるわけです。これは10年前を見ていただければ分かるとおりです。そして旧政権下でも米価が下落したときに何をしたか。マーケットからの遮断ということで買い上げをやったわけです。お米というのは、需要の価格弾力性が極めて高い商品です。少しでも余ると暴落しますし、少しでも足りないと暴騰するという商品です。したがって、主食用米を加工用米にシフトするところにお金を使えば、5,000億円も必要なく農家の所得を十分確保できる。また消費者にとっても安心と安全の主食を確保した上で、小麦粉に対して2倍くらいしている米粉の値段を下げれば価格競争力が出てきて、米粉で作ったパン、ラーメン、パスタを食べていただければ食料自給率が上がるということになります。そうすると世界の他の国の食料生産力が弱い国から食料を買いあさってきて、国際的には経済力が強い国が札びらで顔を叩くような形で食料を調達しなくても、十分食料自給率を上げることができます。この施策で60%ぐらいまでには上がるのだろうと思っています。この非主食用米の産地確立緊急支援事業を、政府にも改めて提案していきたいと思っています。また資源管理という面では漁業、特に今、クジラとマグロというのが世界的にも大きな問題になっています。それ以外の魚種についても、資源量確保が重要な課題になっています。今の問題は何なのかと言うと、総量規制がかかっているわけです。総量規制とは何なのかと言うと、「早い者勝ち」です。1年間で獲る魚の量を早い者勝ちでやるから、「小さくても、とにかく獲ってしまえ」ということになるわけです。これは北欧ではどうなっているかと言うと、生産量を船ごとに割り当てるのです。そうすると、小さいものを獲ると安くしか売れないから、損なわけです。自動的に網目を大きくして、大きい魚を獲って資源は確保されて、各漁業者の所得は上がるということを世界の潮流としてやっています。この網目を拡大するにあたり利害関係の調整が必要ですが、これをやった上で新資源管理を実施したいと思います。次にビジネス化への支援ですが、先ほどお話した非主食用米に米をシフトさせていくということで、米粉プラント立地可能性調査事業を実施したいと思います。やはり新潟が目指すべき姿は「日本のシカゴ」ではないかと思います。穀物商社を抱え、そしてまた巨大な米粉製造工場が立ち並ぶところにバルク船がやってくるような姿というのが、あるべき新潟の将来の姿なのではないかと思っています。例えば東港近辺で、日本の米粉市場の大半を押さえてしまうようなことができないのだろうか。今は高いから小麦粉に比べて売れないので、値段を下げることができれば、バラバラと作るよりも一箇所で米粉を作って供給した方が都合がいいでしょう、ということの可能性調査を実施したいと思っています。もしこれができれば、ビジネスとして大きな飛躍の可能性があり、人材も確保しやすくなってくるだろうと思います。食料安全保障を考えなければいけないという年でもあります。APECは農業大臣会合ではなく、食料安全保障担当大臣会合ということになっています。新潟から発信して、トライしていくテーマに私は相応しいと考えています。こういうことができれば、当然農林水産業の魅力も出てくると思いますし、農山漁村の多面的機能の発揮というものも併せて進めていきたいと思います。利用間伐ジャンプアップ事業も実施したいと思います。今、山持ちのお宅はみんなそうだと思いますが、外材に押されて木を切るとかえってお金を払わないと植え替えできないという状況になっています。結果として間伐が放置され、山が荒れる。小さい幼木が成長するときにたくさんCO2を吸収してくれるのですが、間伐しないで放っておいて、90年杉になってくるとあまり(CO2を)吸ってくれないということなので、定期的に山を管理する仕組を持つことが、世界にも貢献すると思っています。集約化施業を進めていきたいと思います。新潟は大体そういうのが一番中心的な林家ですが、サラリーマン家庭が片手間でお金を投下して、山を管理するという仕組から集団施業していくと。さらに、それでもコストが合わなければ、カーボンオフセットと連動させるべきだろうと思っています。トキの森公園は、トキが生息しやすい環境を作りましょうということで、カーボンオフセットのお金を入れるのですが、そうではなく、こういうビジネスが成り立つようなところにカーボンオフセットのサービスや、商品から得たお金を入れて回すことができないかということも、併せて検討を進めていきたいと思います。トキの森公園のカーボンオフセット認証に加えて、第2弾の認証取得に向けてトライアルを進めていきたいと思っています。
北東アジア交流圏の表玄関化も進めていきたいと思います。大変厳しい状況です。羽田空港のハブ化が進んだおかげで、オンリーワン路線であった極東ロシア路線が一便に減り、ハルビン線についても懸念を持っています。交通結節点との機能を、陸と海でしっかりと維持していくための緊急対策、長期的な視点での対応が必要だろうと思っています。新潟県は全国でも最下位ランクですが、パスポートを取得する率が大変低くなっています。若いときに一度海外体験をするということも必要だろうと思っています。修学旅行で海外を体験して、「海外はそんなに遠くないんだ」という地域づくりを進めていく必要があるのではないかと思っています。教育委員会で、新たに修学旅行先の選択性の導入を実施したいと思います。どういうことかと言うと、学校単位で行くと座席が足りないので行けない。不安に思っている父兄の皆さんから反対が出るというようなことで、なかなか進んでいませんでしたので、海外に行く組、国内の大都会に行く組等に分けて、修学旅行を希望の中で選択できるようにすると。その中で中国に行きたい方、ロシアに行きたい方をアレンジしてサポートしていく取組を行いたいと思います。オンリーワン路線は緊急で対応する必要があると思っています。北東アジア交流戦略事業は、ビジネスマッチングを進めないといけないということです。修学旅行、観光だけではなく、ハルビンへのラーメン店の進出に県もサポートしました。ビジネス需要で行ったり来たりするというニーズがなければ航空機は成り立たない。大体ビジネスクラスが売れると、後はエコノミークラスが売れなくてもペイするというような価格付けになっています。ビジネスクラスを使っていただけるようなビジネス交流も進めていく必要があると思っています。食料とエネルギーだろうと思います。新潟からはパイプラインが縦横に伸びています。ロシアからのLNGの購入、それに伴う関連ビジネス等も視野に入れていく必要があると思います。一方で安心・安全な新潟の農産物に需要があることは分かっていますが、今年度は相手方の商社の倒産という悲劇に見舞われています。新たな商流先の開拓の資金も予算化しました。そしてまた、先日、黒龍江省の于莎燕(う・さえん)副省長が来られたときに言われてちょっと嬉しかったのですが、「新潟に久方ぶりに来てみたら、国際的な認知度が高まっている」というようなことをご発言いただきました。国際会議を開催しているという効果が出ているのだろうと思っています。APECに加えてEANET(東アジア酸性雨モニタリングネットワーク)ですが、これも新潟で開催したいと思っています。そのための関連費用を計上しています。
特徴2です。健康で生き生きと暮らせる福祉医療サービスの充実です。勤務医の確保対策を実施したいと思います。大きく3つのパーツがあります。まず勤務医をしっかり確保すること。ここ1、2年はちょっと減っているのです。それから、新規に入ってくるだけではなく、エルダー医(年長者)制度等で、離職を防止しなければいけない。開業医の先生方に病院を維持する機能のお手伝いもお願いしなくてはいけない。そのための関連経費を盛っています。臨床修練外国医師受入促進事業では、外国人医師の受け入れを今年度1人だったのですが、3人に増やしたいと思います。医師確保活動事業ですが、700人も(医師が)足りないわけです。全国平均も上がって来るでしょうが、1人も辞めないとして、全国平均になるためには新潟大学から全員新潟県に就職してもらって、誰も退職しない状況でも7年経たないと追いつけない状況になっています。医学部が(県内に)もう一ついるのではないかということで、医学部の新設も視野に入れて活動するための経費を計上しました。健康長寿の推進と医療の確保ですが、長野県の男性が全国で一番長寿でして、長寿というのは気候風土だけでは決まらない。やはり医療環境をどうするかが重要です。健康長寿県を実現するための予算を盛りました。特に最近がんの死亡率が高まっています。女性特有のがん対策推進事業を実施したいと思います。これは職場で働いている方は大体健康診断を受診されますが、主婦の皆さん等は(健康診断を)受けづらい状況にある。そして、どういったところで受けられるのだろうか。これはワンコイン、500円でショッピングセンターに行ったときに気軽に立ち寄れる仕組を構築したいと思っています。広域受診は市町村との連携事業になりますが、ワンコインで乳がん、子宮がん等の受診率を向上するためのモデル事業を、上・中・下越に1箇所ずつ設置して、気軽に検診を受けていただける環境を整備する取組を行いたいと思います。また肝炎総合対策として、具体的な制度設計はこれからですが、通院介助費等の一部助成のための経費を盛りたいと思います。新しいお医者様はどこに余力があるかと言うと、近場では残念ながら東京しかないということになっています。臨床医の先生に「アルバイトをしてください」といっても、今ですら疲弊していてアルバイトどころではないという現実です。どなたにアルバイトをする余裕があると言うと、「研究医」となります。ところが医学部はほとんど東京に集中しているという現実があって、その研究機能の一部を魚沼基幹病院(仮称)構想とセットでこちらに持ってくる。今、東大と話をしていますが、そこからお医者様が近隣にアルバイトに出て行くという形で、数十人単位で医師の供給はあり得ると思っています。そのために必要な経費を盛りたいと思います。これは短期対策ということになります。
次に福祉サービスの充実ですが、高齢者介護、障害者支援の充実を進めていきたいと思います。授産活動プロデュース事業は工賃倍増のためのマッチングの取組を進めていきたいと思います。こういう経済環境の中、民間マッチングだけでは限界がありますので、県庁の調達力を生かして、県庁内の各部局から業務をアウトソーシングする、そして製品を買う。例えばトイレットペーパーを買う等で、工賃が倍になるように県庁の調達力を有効に活用していきたいと思います。
特徴3は選ばれる新潟県づくりです。冒頭に申し上げたように、進学を理由に(新潟県から)出て行った方に戻ってもらえないという現実があります。やはり教育環境を充実させなければいけないということが根底にあります。それがなければ(人口の)社会減、自然減により、地域の活力が落ち込んでいくことになります。社会全体で子育て、教育する環境を作っていくことが、究極の地域対策だと思っています。子ども手当について様々な議論がなされていますが、私は鳩山総理の判断は極めて的確であったと高く評価しています。社会で子育てするということに社会を変えていかなくては、日本の超低出生率は直らないと思っています。北欧、フランスでみられるとおり、社会で子育てができる制度、仕組を作って、初めて安心して子育てでき、合計特殊出生率も改善していくと思います。時間的ゆとりと経済的ゆとりを同時に達成しないと、合計特殊出生率は上がらないことがはっきりしているわけですから、子育て環境の改善に自治体としてできることを精一杯やっていきたいと思います。ちなみに全国知事会の中では概ねコンセンサスができ上がりつつあり、ナショナルミニマム(最低限度の生活水準)としての現金給付は国策としてやるべきであると。一方、大都会と地方では環境が違います。大都会で駅中に保育所を作ると待機児童数が減るという話がありますが、新潟県では待機児童がそもそもほぼ「ゼロ」ということで、同じ施策をやってもしょうがありません。サービス給付は自治体、ナショナルミニマムとしての現金給付は国という仕分けの中で、その役割を果たしていくのが筋だろうと思います。小児救急医療体制整備検討事業を更に追加で行いたいと思います。場所は村上市、魚沼市、南魚沼市、十日町市、糸魚川市、佐渡市のうちから2つ、手の挙がったところから取組を進めていきたいと思います。また、社会環境を良くしていくということで、ワーク・ライフ・バランス推進研究会を開催したいと思います。これはどういうことかと言うと、なぜ日本でワーク・ライフ・バランスが取れないのか、なぜヨーロッパは実現できているのだろうかという部分。もしかして管理職と一般職員との間で差があるかもしれません。それを混同して議論している部分があるのかもしれません。超高給の経営幹部みたいな方々は、ハウスキーパーというかお手伝いさんを雇ってでも仕事を続けて思いっきり働くこともできますが、そういう立場にある人の働き方と、基本的に夫婦で家族を支えて平均的な所得で生活している人と同じ施策を適用するのかということになると、社会の構造のどこに問題があって、どうすればワーク・ライフ・バランスが取れるのかを先進事例と比べて日本の問題点、課題を調べなければいけないと思います。残念ながら国に聞いても、色々な組織に聞いても答えが戻ってこないので、まずは研究のための予算を上げています。
次に、住みやすいふるさとづくりと暮らしやすさの発信ということで、産業政策をして働く場を確保しなければいけない。そして雇用の場も確保しなければならない。若者のUターン・Iターン促進、団塊世代などの定住促進、新潟暮らしへの動機付け、防災グリーンツーリズムの推進が必要だと思います。加えて、佐渡-羽田線の開設は、社会政策として必要だと思っています。羽田枠が取れなければ飛行場を作っても意味がありません。羽田枠は最も採算が取れる路線です。未来永劫赤字ではありません。滑走路ができれば黒字になるという試算も出ています。予算の垂れ流しには当たらないと思っています。むしろ一時期の赤字を理由にして離島を切り捨てるということは、地方切り捨ての思想につながるのではないかと極めて憂慮しています。地域で生活できる環境、安心できる医療環境が提供できるための最低限の社会インフラは、数年間赤字であっても整備するべきだと私は思います。地方を切り捨てて困るのは都市部だという認識のもとで、議会ではしっかりと論戦に臨んでいきたいと考えています。
観光、スポーツ、文化等を通じた交流の拡大ですが、今年は特に観光については正念場の年であります。グラフを見ると特徴的で、平成16年以降は(観光客数が)右肩上がりで増えていたのが、平成19年の中越沖地震で下がっています。最終的には後で発表しますが、右肩上がりできています。このトレンドを維持できるかが最も重要なポイントだと思っています。本県の持つ多様な資源を活用した新たな魅力づくりを進めていく。新年度はスキー発祥100周年を迎えます。この100周年事業の(メインキャラクターである)レルヒさんは相当ウケがいいようです。県内だけではなく県外にも出て行って、愛嬌を振りまいてほしいと考えています。また、国内外からの観光客誘客の拡大への取組も強化したいと思います。そしてスポーツの振興です。国体が終わったから「ハイ、終わり」ということではなく、地域の心を一つにしてくれる象徴的なものと位置付け、ジュニア選手の育成を引き続き進めていきたいと思います。またスポーツに打ち込んだ後に、地域で働ける環境、生活できる環境をいかに作っていくかということも重要だと思います。競技人生を終えた後、企業、自治体等でどういう形で第二の人生にスムースに入っていけるかという仕組づくりも、同時に進めていきたいと思います。
個を伸ばす人づくりの推進ですが、何度も申し上げていますが、若者が都会に出て行くきっかけは、残念ながら進学ということになっています。進学で出て行くと戻ってこないという現実を是正するための仕組を、いくつか入れてあります。魅力ある高校づくりプロジェクトですが、私が就任したときに、とにかく職業科という職業科がどんどん潰れて、普通科だけにしていくというような流れがありました。これは偏差値で上から下へ順位付けして、人生が決まっていくという思想につながっていくと思っています。極めてよろしくない。そうではなく「パイロットになりたい」という人は航空の学校に行く、遠洋で漁業に人生を賭けたいという人は水産の道を選べる、様々な企業経営をやりたいのでビジネススクールにつながっていくために商業高校に行く。音楽、芸術、スポーツもそうですが、実際に専門学校はそういう機能を果たしている部分があります。藤森さん(スノーボードクロス五輪代表)にはぜひまた活躍していただきたいと思っていますが、生まれは長野県でも新潟代表というケースもあります。そういった個を伸ばす教育環境を整えていきたいと思います。キャリア教育パイロット事業は、どこかに雇ってもらうということだけではなく、経営者になっていくというマインドを育てていくことも重要だと思っています。ロシア経済が回復した原因は、エネルギーに一番の重点があったと思いますが、国営企業から解雇された人に就職先を斡旋するだけではなく、事業家を作っていったという戦略をとっています。新潟もぜひ見習っていきたいと思います。勤める人をどこに雇ってもらうかを考えるだけではなく、自ら事業を興していくという人材を育てていくところにお金を使っていきたいと思います。
安定した雇用の場の創出・確保については冒頭でお話しました。就労支援、雇用環境の改善等を進めていきたいと思います。
特徴4は安全・安心で魅力ある新潟県づくりです。防災立県の推進ですが、災害からの復興です。復興が進んできましたので、予算額としては18.5%の減額となります。危機管理・監視体制の整備ですが、広域防災連携の研究を行いたいと思います。実は今冬、(の大雪で)NEXCO(東日本高速道路株式会社)からの連絡が十分いただけなかったことで、上信越道で車が吹雪で閉じこめられていることを後で知るというようなこともありました。最近では(地吹雪で車両が立ち往生した)政令市(の新潟市)には、残念ながら県管理道路がないので、道路管理という意味ではありませんが、いざというときに危機管理、避難をどうするのか。これは国が主導権を持って、もっと言うと北陸地方整備局が道路管理をどうするかという観点だけではなく、広域で災害が発生したときに複雑になっている行政の連携をどうするかという観点での研究が必要であると考えています。管理・運営主体がやればいいということではなく、地域全体の防災力を高めるためにはどことどこの道を除雪するかという話ではなく、命をどう守るかという観点での連携の研究を実施したいと思います。減災対策の推進では、障害者支援施設、医療施設等の耐震化の促進に力を入れて実施したいと思っています。
安全・安心で快適な県民生活の確保ですが、消費者目線に立った消費者行政の推進のために必要な費用を計上しています。また、情報通信ができなくてはいけない。残りの(携帯電話)不感地帯はおそらく十数世帯以下の地区だけになっていると思います。例えば、その中には尾瀬も入っていて、ここは「携帯電話が使えないエリアにしよう」とのご意見もあります。そうすると、ほぼ100%に近い状況まで行っているのだろうと思います。定義の見直しも必要ですが、高速通信網の空白地域はすべて解消されましたので、新年度に携帯電話の不感地帯解消を目指したいと思います。具体的な方策は、以前PHSが導入されたときに、街中では通じるけれども家の中では通じなくて不便ということがあったと思いますが、高速通信網に室内機を接続すると携帯電話がつながるという方式があるので、例えばそういったものの導入で不感地帯をゼロにすることはあり得ると思っています。研究と併せて不感地帯の解消を進めていきたいと思います。消費者行政機能の強化では、弁護士会等との連携を行いたい、啓発調査事業も実施したいと思っています。これは国でもなかなか難しいです。生産者所管の役所に消費者目線で調査しろと言っても、本当にできているのかどうか。米のカビの検査を見ていると、心もとないところがあります。消費者目線でどこまで実際の法律の運用、調査等ができるかはチャレンジですが、一歩一歩前に進めていきたいと思います。
食の安全・安心の推進では、安全な食を確保するための体制の整備、強化を進めていきたいと思います。
地球・自然環境保全対策の積極的な推進です。地球温暖化対策ですが、東芝がリチウムイオン電池工場建設で(新潟に)進出していただけるということで、大変期待しています。電気自動車、低炭素社会づくりを進めていきたいと思います。省エネも手を抜けないと思っています。県でもがんセンター新潟病院で、ESCO事業を実施したいと思います。県からの持ち出しはありません。ESCO事業とは何かと言うと、契約だけ結び、省エネ改装費はESCO事業者が持ち、エネルギーの代金が下がったところを(県と事業者で)折半して、投資分を回収しようという事業です。民間企業だと長期に渡ってしまい、信用問題が出てくるので公の方がやりやすいと言われています。このESCO事業をがんセンターで実施したいと考えています。次に、誇るべき「ふるさとの環境」づくりということで、新潟水俣病問題への取組を引き続き進めていきたいと思います。それから酸性雨問題への取組、さらには海岸漂着物等地域対策推進事業を実施したいと思います。同時に、ものが流れてくるということで水産物は大丈夫かということで、蟹等の水産物環境モニタリング調査も併せて実施したいと考えています。
特徴5をご覧ください。これも冒頭で申し上げましたが、「効率的な政府」の実現のため「選択と集中」が必要だと思っています。県出資法人の見直しを行います。県職員の引き揚げは財団法人にいがた産業創造機構(NICO)、財団法人新潟県環境保全事業団、財団法人新潟県体育協会。財団法人にいがた森林整備担い手財団の社団法人新潟県農林公社への統合、財団法人新潟県水産振興基金の社団法人新潟県水産振興協会への統合、財団法人新潟勤労者福祉振興協会の解散などです。内部管理経費等間接経費の縮減、PFIの導入、ESCO事業の導入、事業の重点化等で19億円の節減効果を生み出したいと考えています。それ以外に市町村への事務・権限の移譲。現場で分かっている人が判断できる体制の構築です。市町村負担金の見直しですが、二重の手間になっていて、(県は)補助金交付事務をやりながら、一方でお金を吸い上げることになっていますので、この負担金制度と補助金制度を自立的に決められるような社会、仕組に県としても率先して取組を進めていきたいと思っています。多分、全国の中でも一番先進的な案だと私は信じています。事務の効率化による職員の適正配置等によって、62億円の財源を生み出したいと思っています。ちなみに(職員に)採用されると30年くらい勤めますから、実質の金額で言うと、これで約1,800億円です。平成16年当初との比較で言うと、単年度で265億円の財源を生み出していますので、これに30年を掛けると、約8,000億円の財源をここ5年で生み出していると考えています。
これらの事業を実施しながら、明日に希望の持てる新潟県を作っていきたいと思います。
※県民の皆さまへ(平成22年度新潟県当初予算案の概要) ※平成22年度当初予算(案)計数資料編 ※平成22年度当初予算(案)における主な施策
(平成21年度2月補正(冒頭提案)予算概要について)(文頭に戻る)
資料4をご覧ください。(当初予算と)一体運用する補正予算ですが、収入、支出ともに約100億円の一般会計補正を実施したいと思います。まずは新潟県緊急雇用創出事業臨時特例基金造成のために約51億円の増額です。これは今後支出に回っていきます。新規大卒者等就職支援事業に126万円増、新潟県安心こども基金積立金に約5億円増、粟島航路新造船支援事業に2,000万円の支援、日本海側拠点港に向けた新潟港利用促進調査費が100万円、ふるさと越後の家づくり事業が1億1,000万円増です。投資的経費では、県単公共等は切れ目なく実施したいということで約40億円、さらにゼロ国債で89億円、公共土木施設補修費に約4億円。そのうち約45億円が繰越明許費で補正予算が成立した後に直ちに執行となりますが、半分くらいは次年度繰越です。準備が整わなくても4月、5月くらいには発注できる体制をしっかり作っていきたいと思います。ぜひ明るさが見える年にしていけるように、がんばっていきたいと思います。
※平成21年度2月補正(冒頭提案)予算概要
6 質 疑(11:41~12:14)
(平成22年度当初予算案について)(文頭に戻る)
Q
今ほどの予算説明の中であった「佐渡―羽田線」の部分ですが、社会政策で必要だと改めて言いました。一方、自民党が反対の方針を決めたようですが、改めて(県議会の)最大会派が反対を決めたということへの感想を伺います。
A 知 事
ご理解いただけるように、これから議会でしっかり議論に臨んでいきたいと思います。県民の皆さんにぜひ聞いていただきたいのですが、飛行機が飛ばない滑走路を整備してどうするのでしょうか。新潟からは2時間で行けるけれども、離島に住んでいる人は首都圏まで4~5時間かかって当たり前ということを放置していて本当にいいのでしょうか。離島の切り捨てということで、本当に心の通った政治ができるのだろうか。ぜひそのあたりを考えていただきたいと思います。羽田枠は二度と取れません。フロックが無いとは言いませんが、200社が待っている。そして一回割り振ってしまえば、剥がすことのできない路線を、今回の拡張のときに(枠を)取らないで、どうやって後で獲得するのでしょうか。離島に住んでいても、健康で文化的な生活ができる環境を整えていくことは、公の仕事ではないかと思っています。実際に世界の常識では、公共交通は赤字であってもやります。LRT(軽量軌道交通)がなぜ日本で普及しないのか。ヨーロッパでは、人口15万人の都市でもLRTがあります。なぜならば、それは公共交通だから、公が出しているからです。採算を黒字にしなければいけないという考え方はないわけです。なぜJALは潰せないのか。公共交通だからです。公共交通という概念は、黒字でなければいけないのか。それも一時期の赤字です。滑走路ができれば黒字になるのが分かっていながら、羽田枠の取得を諦めてしまうのは、将来に禍根を残すのではないかと懸念しています。
Q
北陸新幹線整備の負担金に150億円を計上しました。国からの割り振りは約160億だと思いますが、今回150億円として計上した理由と思いをお願いします。
A 知 事
伸び率に合わせました。それだけです。中身については話し合うということで、昨年末に前原国土交通大臣からもお話をいただいていますので、今後しっかり話し合いをして問題解決に努めていきたいと思います。
Q
伸び率というのは、一般会計の伸び率でよろしいですか。
A 知 事
新幹線予算の伸び率に比例しただけです。それに比例して・・・。どうして新潟県の分が多くなるのか全然理解できません。
Q
それは、整備新幹線ではなく北陸新幹線全体の伸び率という意味合いでよろしいでしょうか。
A 知 事
伸び率の確認は、担当にお願いします。
Q
今回の新年度予算は今年度予算より若干延びているということで、今回の予算を一言で言うと「積極型」と言えるのか、それとも「均衡型」と言えるのか、どういうふうに捉えればいいですか。
A 知 事
「積極型」と受け取ってもらっていいと思います。借換債が減った部分を上積みしています。セーフティネットもしっかり張って、経済・雇用対策も併せて実施します。
Q
先ほど「修学旅行を選択制にする」というアイデアが出ました。面白い視点だと思いますが、可能でしょうか。
A 知 事
やれると思いますし、記憶に間違いがなければ、私の高校時代はどこに行くかは選択制でした。
Q
みんな似たようなところに行って、奈良か京都を選ぶ選択制ではなく、東京へ行くのか中国へ行くのか、ということはできるのでしょうか。
A 知 事
それが選択だったら、いいのではないでしょうか。
Q
県債残高についてですが、先ほども言及がありましたが、この間の財政運営計画(の発表)でも「順調に減っていくだろう」ということだと思います。一方で、税収がこれだけ今年も減っていると厳しいところも出てくると思いますが、改めて所感をお願いします。
A 知 事
「財政残って、県民生活焼け野原」では困るということです。必要な事業はしっかり実施しながら、かつ発散しないように対応していくことが重要だと思っています。直接的な県民の皆様に対するサービスの質の向上を図りながら、無駄を排して、結果として財政に安心を持っていただけるという予算編成にできたかな、と考えています。
Q
そういう意味では「健全だ」という感じでしょうか。
A 知 事
もちろんです。ちゃんと中期計画も出していますが、発散ということは有り得ないように運用できるということだと思っています。
Q
2月の初め頃にあった財政運営計画の記者会見では、平成22年度当初予算案は当初1兆1,600億円くらいの金額になっていて、実際は1兆2,200億円を超えると。600億円くらいの上積みが数字の上ではなされたと思いますが、その辺はどういった背景があるのでしょうか。
A 知 事
必要な事業については、例えば医療環境の整備、教育環境の整備から始まって、耐震化の促進等ニーズにはしっかり応えていったつもりですし、そろそろ限界に来ているだろう企業の資金繰りのセーフティネットをしっかり張るということもやりました。そういう施策ニーズに応じて機械的に計算するのではなく、ニーズに応じた予算編成の中で出てきた数字だと考えています。
Q
こういう冷え込んだ経済情勢の中で、県予算が前年度を下回るようなことで「マイナスの印象を与えないように」というような、演出効果みたいなものは意識したのでしょうか。
A 知 事
菅財務大臣が昨日発言されました。「インフレターゲットもやりたい」ということだと思います。結局、何度も申し上げていますが、「あなたの所得は毎年下がっていきます、あなたの売り上げは毎年下がっていきます」といって住宅ローンを組めますか、設備投資しますか、ということだと思っています。しっかりと必要なところについて手当していくということは、基本的な考え方の中に入っています。
Q
政権が代わって初めての予算になったと思います。編成過程でこれまでとちょっと違ったところがあったとか、そういう面はありましたか。
A 知 事
編成のタイミングがちょっと遅かったというところがあります。最後は作業が立て込んだな、という印象はありますし、情報の流れ方は大きく変わりました。分からない中での予算編成作業という側面はあったと思っています。
Q
新政権になって、交付税の増額がありました。今、情報面の話もありましたが、財源面で編成のメリットみたいなものを感じましたか。また冒頭の発言で、そうは言いながらも「県民生活」を強調したものの、手詰まり感のようなものも感じたのですが、もしそういう部分を感じているところがあれば、具体的にお願いします。
A 知 事
まずメリットに関して言うと、負担部分というか、本来入ってくる部分を削られている部分があったりするので、横這いより少し楽だったかな、という印象です。2番目の質問ですが、手詰まり感はありません。やればできると思っています。
Q
地方重視ということで、地域主権を新政権は言っているわけですが、今後の地方への目配りみたいなところで、新政権に対してどんなことを期待していますか。
A 知 事
「縛らないでほしい」ということです。地方でアイデアが出るものを全国一律にするから上手くいかないのです。農業の所得補償制度もそうです。各地方に任せてほしいです。全国一律にすると、結果として国の出先機関が焼け太りしてしまうような政策になってしまうのではないかと思います。やり方を現場に任せてもらえればいいわけで、そういう地域主権の発想で政策運営をしてもらいたいと思います。
Q
補助金制度についても、そういう発想でいってほしいということは前々から言っています。これについて、知事は具体的に取り組んでいくということでしょうか。
A 知 事
順番にやっています。例えば、この間の知事会の委員会でも申し上げましたが、条例による政省令・要綱等への上書き権は究極の目標ではありますが、なかなか憲法上の解釈等があって抵抗感があります。知事会の皆さんは「委任」というのを受け入れるのです。地方自治法の中に、例えば条例を作ったら政省令・要綱部分については、「地方に委任する」という包括規定を入れてもらえば、かなり行ける可能性があるのではないかと思っています。議会がそれぞれ住民の声を聞いて、政策決定できるような仕組があれば絶対に日本は活性化しますので、それを実現できるようにあらゆる機会を用いて発信していきたいと思います。
Q
新規事業の「まちなかにぎわい保持緊急対策費」ですが、新潟・長岡・上越の大和が撤退するということで、県としても中心市街地の再生と賑わいの確保ということで支援すると思います。予算額1,000万円というのはちょっと少ないのではないかという第一印象を受けます。また、まちなか再生事業は一義的には新潟市や長岡市など(基礎的)自治体が主体でやっているものだと思います。今後県として、どの程度まちなか再生に関与していくつもりがあるのか、その方針を聞かせてください。
A 知 事
まず金額で言うと、何をやるから1,000万円では少ないとお考えでしょうか。私は多すぎると思っています。調整事務ですから、したがって十分だと思っています。調整の結果お金が必要であれば、当然次に補正対応が出てくるということだと思っています。
それから、基礎自治体と広域自治体の役割ですが、基礎自治体はまちづくりです。広域自治体は専門行政をやるということですから、組織経営体に着目した行政を考えるということだと思っています。
Q
雇用対策を考える上で、福祉、介護分野における雇用の上昇が重要なポイントになってくると思います。今回、特に力を入れた点はありますか。
A 知 事
そもそも新潟県から(国に)お願いしていた雇用対策事業等で、新たに福祉・介護分野に入っていく場合に、研修を受けて資格を取って移行できる仕組を入れました。新卒もOKとなりました。国から了解いただいたものを、確実に事業化しています。
Q
「新潟版所得保障モデル事業」の予算が盛られて2年目に入ります。1年目にやってみて、政府へモデル事業の効果や有効性をどうやって伝えていくのでしょうか。また、非主食用米の支援をするわけですが、国が新たに始める戸別所得補償制度との兼ね合いというか、どのように整合性を取るのでしょうか。
A 知 事
国は新年度がモデル事業です。したがって、その結果を見て、見直すと最初から言われていますから、県での経験ということを踏まえて提案するためにどうしても必要だと思っています。モデル事業の評価ですが、今ここで勘で申し上げることではなく、精査して評価すべきだろうと思っています。
Q
今後、また検証するということでしょうか。
A 知 事
もちろんです。
Q
検証した上で、2年目は変えるというわけではないのでしょうか。
A 知 事
結果が1年で出るかというと、色々な声はあります。では「定量的にどうだ」というのをまとめたものが今ありませんので、それは評価した上で次に行く。もともと単年度事業ではありません。例えば、後継者がちゃんと定着できたかどうかを1年で評価するのは早いのではないでしょうか。
Q
非主食用米のものは、例えばモデル地域で国の制度とは別に価格の差額分を補填するとか、そういうイメージなのでしょうか。それとも国の制度と連動させて上乗せするのでしょうか。
A 知 事
誘導するような形でやりたいと思います。国の制度に上乗せするかどうか、色々な制約があるので、詳細の制度設計は担当に聞いていただきたいと思います。
Q
「観光が正念場」ということですが、北陸新幹線の開通に伴って、上越新幹線の減便が懸念されるなど、観光面での影響が大きいと思います。2014年問題への対策という面で、どのように考えていますか。
A 知 事
「2014年対策戦略推進費」を盛りました。
Q
今回、国が公共事業削減を掲げた中で、当初予算案でも(公共事業が)1割近く減っていると思います。その中で県単独事業を確保するように努めたと。今回、地方交付税と臨時財政対策債でだいぶ支えられていて、今後も同じように公共事業を中小事業者向けに続けていくことが、本当にできると考えていますか。
A 知 事
どう考えるかですが、子どもを産む数はどこが多いでしょうか。圧倒的に大都市部です。比率ではなく絶対数です。公共事業を削って、それを子育て支援に充てるとどうなるか。地方からお金を吸い上げて、都市部に回すということになるわけです。これは政府にも考えていただきたいのですが、公共事業を削って子ども手当に充てるという、リンケージ(連動)を本当にやり続けるとすると、地方は食料生産能力を失うのではないか、コミュニティーが維持できないのではないか、ということが考えられる必要があると私は思っています。農業に関わらず、建設業の高齢化も懸念されるような状況になっています。今ですら除雪能力が低下し、道路が確保できないところで、医療をしっかり受けられないところで食料生産ができるのでしょうか。必ず食料危機は来ます。そのときに耕地を失って誰が困るのか。大都会が困るわけです。これはしっかりと対策を取っていただく必要があると私は考えています。
Q
今の新政権の取組で、子ども手当については知事は賛成ということですよね。
A 知 事
賛成です。
Q
それによって、公共事業や地方のインフラ整備のお金が失われていくようだと、それは本末転倒だという意味でしょうか。
A 知 事
そういうことです。
Q
公共事業の先細りが懸念される中で、前からやっていると思いますが「建設業活性化支援事業」において、新分野進出を支援する取組を行っています。では、建設業はどうあるべきかという考えはありますか。
A 知 事
経営ができるようにしていくことが必要で、「安ければいい」というのは間違いです。どういうことかと言うと、例えば入札では100%を下回ることを前提にしています。私はおかしいと思っています。予定価格を設定したら、100%に一番近い企業が、(予定価格より)上であっても下であっても落札するというふうにしていかなければ、どんどんデフレスパイラルに陥っていきます。結局は地方で働いている人の給料にしわ寄せが行きます。大手企業が落札して、(県内企業が)2次、3次下請けになってくると、利益は大都会に落ちて、地方の会社が固定費を回収するギリギリのところでオペレーションしなければいけないということになれば、就職にしても生活の場を求めるにしても地方が疲弊していくに決まっています。公共事業というのは所得再配分機能があります。実際に穴を掘って埋めているのかというと、決してそういうことではないわけです。これまで作ってきたインフラを修理しなければ、どこかの国のように道を走っていたら車が落ちるような事態になったら困るわけです。それから、除雪ができなければ食料生産ができないわけです。お医者さんに行けないわけです。そういった基本的な部分は最低限維持していかなければ、困るのは大都会だと思っています。
Q
冒頭で「現場の意思決定が的確にできないと、閉塞感を打破するのは難しい」と言っていましたよね。
A 知 事
閉塞感だけではなく、日本の将来を形作っていくのに障害のある部分があるということです。
Q
国づくりと言う点で障害になるということですね。今回の予算編成に関しては「手詰まり感はない」と言っていましたが、そのことと矛盾はしないでしょうか。
A 知 事
質問が分かりません。要は、国・県・市町村の行政が、何でも全てやるということではないのです。ちゃんとそこで働いて活動している人が夢を持ち、自分の夢を叶えられる。社会全体が上手く回るようにコーディネートする制度、仕組を整えるのが行政です。そのための手段として予算があるので、予算が全てではないです。予算は政策を動かすためのひとつのツールに過ぎないですから、「手詰まり感はない」と申し上げました。
Q
今回、厳しい財政状況の中で県単公共事業はがんばった、という印象があります。建設系と同時に農地系では、国が予算で大幅削減を提示しています。ただその水準には準拠しないで、県はそれなりのパーセンテージを盛っていると聞いています。それについての思いを教えてください。
A 知 事
例えば劣化が進んでいる農業関係の施設もあるわけです。新潟市は海抜0mの地域を抱えています。昔は「泥田」で、胸まで浸かって田んぼを耕していたところが、親松排水機場をはじめとして排水しているから、今のような乾いた大地になっているわけです。ここの部分が忘れ去られて、一部宅地に転換してしまった。そうすると何が起きるかと言うと、農業用排水が機能しなくなり、直接的に市民生活、県民生活が災害にさらされるという構造です。新潟県最大は親松排水機場。国土交通省のポンプはたまにしか動きません。ほとんど農林水産省のポンプが動いています。これも縦割り行政の問題だと思っています。それをやらないと、「住宅が水没する」ということになっているわけです。メンテナンスをどう進めていくのかというのは、食料生産をしっかり確保することに加えて、新潟県では県民生活を守るというところでも重大な影響があると懸念、危機感を持っています。今年度は予算をそれなりに組みましたが、次年度以降はどうするか考えていただく必要がある。それを国策でやるかどうかが疑問です。地域ごとのニーズがあるはずです。一括交付金で全部渡してもらえれば優先順位を付けてやります、ということだと私は思います。
Q
医師確保対策活動事業で、医学部の新設を視野に入れた活動を行うということですが、予算に盛ってある100万円というのは調査研究費でしょうか。
A 知 事
活動もしたいと思っています。なぜ医学部が新設できないかというと、閣議決定で禁止されているからです。そういうことになると、陳情活動や賛同を得るための運動も同然必要になり、「閣議決定を見直してほしい」ということをやらないといけないということです。
Q
これまでも医学部の定員が少しずつ増やされてきて、一方で教員の手当があまり無く、だいぶ大学の方も苦労があると思います。医学部の新設にあたっては人・モノ・金の確保が当然必要になります。特に人とモノと施設の部分で「現実的にできるのか」という声が当然あると思います。知事はどのように考えますか。
A 知 事
医学部の新設を視野に入れてということで、当然、新潟大学の力も借りないといけないと思います。でも、大学が集中しているところはどこかと言うと、東京です。したがって、大都市が持つ医療資源を誘導できる仕組を、魚沼基幹病院(仮称)構想の中に埋め込んでいるわけです。なぜ東大と話しているかというと、そういうことです。新潟県内で完結すると考えたら限界がある。やはり首都圏も視野に入れた上で医療体制を進めていく必要があると思います。
Q
全く一から新しい大学を作るというよりも、首都圏にある大学のキャンパスのひとつを新潟にも作っていくということでしょうか。
A 知 事
色々な選択肢があるので、今この場で言及しません。
Q
医学部新設を目指すということと、首都圏の研究医を招へいするという事業がありますが、この2つの事業は関連している事業と考えていいでしょうか。
A 知 事
発展はあり得るかもしれません。色々な選択肢があるから、今これで、ひとつの道はこちらです、というものはありません。
Q
首都圏等研究医招へい事業ですが、これは主に魚沼基幹病院(仮称)を想定してのことだと思います。佐渡-羽田線の話で麻酔医のことも言っていましたが、それも念頭にあるのでしょうか。
A 知 事
当然あり得るでしょうね。実際に研修医の先生を1人派遣していただいたのですが、この話をしている中で来ていただいています。東大から独立して動いているわけではありません。
Q
政権が変わって、若干編成作業が遅くなった面があるという話がありました。自民党政権時代に比べて民主党政権になって、予算編成でこの部分はしにくくなったというものと、この部分はしやすくなったというものを分けて、具体的な事例を挙げていただくとありがたいです。
A 知 事
(民主党政権下では)情報が遅かったと。政権交代後に予算編成作業をやったから当然なのですが、全体像が分からない中で予算編成したというところが一番の違いです。自民党と民主党の違いということではなく、政権交代の影響ということなのではないでしょうか。
Q
分からないということで、手探りだという意味ではマイナスが多かったと思いますが、逆にプラス面がもしあったらお願いします。
A 知 事
大体横這いなのですが、絞られてどんどん真綿で首が絞まるということではなく、少し(予算が)組みやすい部分があったかな、ということは感じます。
Q
公共事業の削減の話ですが、公共事業は所得再配分機能があると言っていて、鳩山首相は「コンクリートから人へ」と言っています。あれに対しては、「地方においてはちょっと事情が違う」ということだと思いますが。
A 知 事
もちろんそうです。これはぜひ言っておきたいのですが、インフレターゲット政策をやるのであれば、日銀が金融機能でできない部分は実需を作らなければいけない。それは日銀による国債引き受けで財政出動をしなければいけないと思っています。高橋是清財政というのは、地方公共事業をやっているのです。世界恐慌でマイナス0.7%成長だった。デフレ下の不況というのは対応が簡単なのです。財政需要を増やせばいいのです。処方箋がはっきりしていて、すぐそれで、景気が回復するわけです。わずか1年で6%成長まで戻しているわけです。第2次オイルショックの後のスタグフレーションだと難しいのです。というのは、不況の中で物価が上昇していくコストプッシュ型の不況ですが、これで財政拡大するとさらに物価を上げてしまうということで、財政を絞れば不況が深化するということで難しいのです。デフレ経済下の不況というのは極めて古典的で、要は財政需要を増やせばいいという歴史的にはっきりしている事柄なので、それはぜひやるべきだと思います。ちなみに財政法第5条の「国債の日銀引き受け禁止」とは誰が置いていった規定かを、もう一度歴史を振り返って思い出すべきだと思います。戦前にはそんな規則がないのです。日本人が入れたというよりは、GHQの占領下で置いていかれたわけです。高橋是清蔵相というのは、公共事業を増やして世界で最初に軍事費も増やしたというところもあるのです。最初に不況から日本を脱出させたということで、評価が高いわけです。これを数年続けた後に、もしかしてインフレになるかもしれないという懸念があったので、軍事費を削ったのです。結果として2・26事件で暗殺されるという経緯を辿って、その後に軍部が国債の日銀引き受けで得た財源で軍備を拡大して戦争になったという思いがあるから、今の日本には国債の日銀引き受けの禁止規定が入っていますが、歴史的に言えばそういう経緯を辿っているというものです。民生を良くして生活を良くするという形で国債の日銀引き受けで財政出動するというのは、極めて全うな政策であると考えています。それは地方と中央の格差是正にもつながるということだと思います。
Q
特徴を1から5まで挙げていますが、全体をワンフレーズで「何々予算」とか言えないものでしょうか。
A 知 事
見出しには便利かもしれませんが、皆さんで付けてください。
(「新潟-佐渡」航空路について)(文頭に戻る)
Q
4月に開設を目指していた「佐渡-新潟線」の再開ですが、諸事情で遅れそうだというような話になっています。それについてどう感じて、どのように対策を打っていきたいと思いますか。
A 知 事
まだ情報を聞いただけなので、これから考えるということです。
Q
例えば、助成を増やすような形で早期就航を目指すという形になるのでしょうか。
A 知 事
情報を聞いたばかりですので、これから考えるということです。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
