1 日 時 平成22年4月7日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・バイナリー地熱発電設備を設置した実証研究の実施について
4 質疑項目一覧
・日本航空の新潟-名古屋(小牧)線撤退報道について
5 知事発表(13:31~13:40)
(バイナリー地熱発電設備を設置した実証研究の実施について)(文頭に戻る)
昨年来、新潟県では新エネルギー、環境調和型の社会を作るために、いくつかのプロジェクトに取り組んできました。その中のひとつとして、バイナリー地熱発電の実施可能性調査を行いました。これが端緒となり、松之山温泉でバイナリー地熱発電設備を設置した実証研究を行うこととなりました。
バイナリー地熱発電は普通の地熱発電とどう違うかと言うと、これまでの地熱発電所の標準的な形は、かなり高温で、それもエネルギーが大量にあるところで5万キロワットの発電所というものでした。そうではなく、100度以下の温泉のようなエネルギー源を活用しながら、もう少し規模の小さい発電をしていこうというのがバイナリー地熱発電です。なぜ「バイナリー」かと言うと、出てくる蒸気でタービンを直接回すのではなく、アンモニア等の沸点の低いもので熱を上げて、それをもとに発電機を回す発電方法になります。これまでのような大規模な設備、特定の場所でしかできないというものに対して、少し広くエネルギーを有効活用できることになるのではないかという期待を持っています。さらに太陽光発電と違って、夜間でも発電できます。一定の出力が期待できる等のメリットがありますし、本県の場合、温泉の数が全国で3番目に多いという状況ですので、ぜひとも天然のエネルギーを有効に活用していくところに道を開いていきたいと思っています。無論、全国初の取組となります。
今後期待しているのですが、県で一次調査をかけた際に瀬波温泉、村松浜温泉、糸魚川温泉でも実施可能性があるだろうという認識を持っていますので、まず松之山温泉で実証研究を進め、その後、次に展開していくというような道筋を取れれば、と思っています。
いずれにいたしましても、地球温暖化というものを、海でも、山でも、気候の異常という形でも日々実感するような状況にありますので、環境調和型の社会を作っていくための努力を地方からも進めていきたいと思います。
なお期間ですが、平成22年度から3年間、環境省の競争的資金を地熱技術開発株式会社及び独立行政法人産業技術総合研究所でオペレーションしていただくことになります。
※報道資料
(中小企業の第二創業等に対する支援実績について)(文頭に戻る)
新潟県の経済、特に社会構造がどうなのかというと、開業率・廃業率を少し基準に考えていくことも必要だと思っています。開業率・廃業率ともに全国で46番目というのが新潟県の状況です。すなわち、なかなか廃業はしない。創業以来、ずっとがんばってきているのですが、逆に開業するエネルギーが少し他県に比べて弱いという状況になっていると認識しています。
中小企業の第二創業への支援の取組を進めてきましたが、平成21年度分の実績がまとまりましたのでお知らせします。財団法人にいがた産業創造機構(NICO)を通じて、信用保証制度の補完を行いました。新たな事業に踏み出すときに一歩踏み出せない原因のひとつが、融資を受けると経営者の個人保証を取られてしまうというところにあるわけです。シリコンバレー等、海外で新たに事業を起こす場合は、事業に対して投資するという意識が強い。すなわち、一度目が失敗した人でも二度目は上手くいく確率が高いと言われていて、一度失敗した人の方が結果としてビッグビジネスにつながっていくケースもある。一方、日本の場合は、社長が命をかけてやるべきだというような倫理観もあって、本気でやるかどうかの度合いを見るというような習慣が残っている。結果として、個人財産も含めて個人保証を求めるケースが多くなっています。一回失敗すると身包み剥がされてしまって立ち直れないという中で、新たに次のステップを踏み出せるかというと、日本のビジネス環境の中、融資でやろうとするとなかなか難しいと思っています。そういった中で、信用保証制度を活用して、私募債を発行するときの信用補完をする。それに対する保証料支援という形で、第二創業支援を実施しました。
平成21年度の実績は、20件の私募債を発行できました。社債の発行額が約13億円です。これはどれくらいの規模になるかと言うと、3年後の事業計画で70億円の売り上げ増、170名の雇用増が見込まれています。いずれにしても、活力ある社会、成長する社会というのは、新しい人が新規に入ってきて、そしてまた事業を拡大していく。そういうチャンスがある社会でなければならないと思っています。引き続き様々な施策を入れながら、「新潟で事業をすると大きな可能性がある」と言われるような地域社会になるように、施策を打っていきたいと思っています。
※報道資料
(新規高等学校卒業者の内定状況について)(文頭に戻る)
大変厳しい経済状況が続いています。そういった中で様々な対応策をとってきましたが、平成22年3月現在の高校新卒者の内定状況がまとまりました。数で言うと、未内定者が58名という状況です。応募・受験中が22名、個別支援中が36名でした。過去10年で比べるとどういう数字かと言うと、上から数えても5番目の数字で、平年並みというところに現在までは来ているということです。
この間、関係者の皆様のご協力をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。なお、6月までは新卒という括りになるわけですが、引き続きまだ就職されていない方々の支援を継続していきたいと思いますし、今回、県の非常勤職員として17名採用しています。こういった方々の恒久的な就職も含めて、サポートを続けていきたいと思います。なお就職率ですが、就職希望者数を確定させる必要があるということから、今労働局で調査中です。就職率についての数字は固まるまでもう少し時間がかかるという状況です。
※報道資料
6 質 疑(13:40~14:13)
(日本航空の新潟-名古屋(小牧)線撤退報道について)(文頭に戻る)
Q
日本航空が地方空路の大規模な廃止を検討しているということで、その中に新潟と名古屋小牧を結ぶ便も含まれているようですが、それについての所見と今後の対応について伺います。
A 知 事
今回、まだ正式な連絡はありません。県から(日本航空)新潟支店へも確認しましたが、本社の話ということで情報がきていません。報道先行で情報が伝えられている状況です。
今後どう対応するかということですが、名古屋、特に小牧空港に飛んでいる便は、時間的に言うと、全日空が飛んでいる便とほぼ時間帯が一緒の、朝と夕方という状況になっています。
小牧空港の位置付けをどうするんだ、というところもあると思っています。セントレア(中部国際空港)を造ったときに、当初何を考えていたかと言えば、東京には羽田空港と成田空港が2つあって、乗り継ぎがなかなか難しいということで、ハブ空港になりにくいだろうという認識があったというふうに記憶しています。
加えて、関西国際空港はどうなのかと言うと、これも伊丹空港と関西国際空港との二眼レフになっていて、新潟から海外へ乗り継ぎできるかというと、乗り継ぎがなかなか難しい。
その間隙を突いて、セントレアに航空便を集中すると、国際ハブ空港になる可能性があり、特にセントレアは海上空港ですので、24時間のオペレーションも可能ということを想定し、トヨタも本社を名古屋に移して、トヨタの海外出張需要も取り込んでいこうという考え方が底流にあったと承知しています。
今回の小牧線(の撤退)をどう考えるかということですが、まだ具体的な方針が明らかになっていない中で今後の検討ですが、「(小牧空港は)街中に近いから残してくれ」と単純に言えばいい話なのか、それとも、時間で言えばセントレアから街の中心部へのアクセスを改善して、(新潟からの発着)場所がセントレアになっていく。そしてまた、昼の便が一本あった方が使い勝手が良いということになるのか、少し状況を把握した上で、今後の対応を決めていく必要があるのではないかと思っています。
いずれにしても、全日空(ANA)とJAL(日本航空)が、少ないパイを取り合って共倒れしていくのは決して望ましいことではないだろうと思います。では観光ルートになるかというと、今は機材が小さいですので、大きなツアーを組み難い状況になっています。結果として、名古屋空路についてはビジネスユースが多い状況になっています。こういったことを踏まえながら、まだシミュレーションしている段階ですので、これらを検討した上で、今後の対応を決めていきたいと思います。
Q
昼の便があった方が良いかどうかというのは、航空会社は、特にどちらかという話ではなく、どういう便があったらいいかというのを県として考えるということでしょうか。
A 知 事
JALもANAもニーズが朝早く、夕方という便なのです。そうすると、単純に新潟から出張に行って日帰りで帰ってくるのはいいのでしょうが、例えば欧州線、それから北米線もそうですが、出発時間は午後から夕方です。朝早くから行ってずっと待つよりは、中間くらいに一便あった方が便利なのかもしれない。単に「無くさないでくれ」ということだけでいいのか、それとも、もう少し広い視野で考えた方がいいのか、無くなるからすぐ残してくれということだけでいいのかどうか、シミュレーションする必要があるのではないかということです。
Q
(空路が)無くなった場合の、現時点での県経済への影響はどう考えますか。
A 知 事
時間帯で言うと、セントレア行きの路線があるわけです。料金的には上越新幹線と東海道新幹線を乗り継いでもあまり変わらない状況です。(小牧空港は)街に近いというメリットはあります。空港に着いてからタクシーで行きたいというニーズには、コスト的な影響は当然あり得ると思っています。
今、全部シミュレーションができているわけではないので、新潟に対する影響がこういうことになりますよ、ということを御説明できる状況にはありません。今後の検討次第ということではないでしょうか。
Q
貨物輸送への影響というのは、まだ把握していないということでしょうか。
A 知 事
ちなみにどんな話が出ていますか。
Q
県に聞いてみたら、各路線毎の貨物の状況については、公表しないという話だったも のですから。
A 知 事
ちなみに一般的な常識で申し上げると、小型機には貨物スペースがほとんどありません。大きな飛行機だと、客席の下にジュラルミンの航空貨物を入れて運んでいくことがあるのですが、今使われている機材は小型機なので、貨物スペースがあって、そこがすぐ打撃を受けるという話には必ずしもなっていないと思っています。
Q
日本航空再建の中で、非常に大きな全国レベルの見直しの中でのひとつの話だと思います。個別路線の新潟だけを確保してくれ、というようなことはなかなか言い難いところもあるのかなと思います。県として今後、対日本航空という意味でどう対応していくのでしょうか。
A 知 事
今後、少し検討すべき点がありますので、それを踏まえた上で、対応を決めていきたいと思います。例えばJALの子会社が相当路線を減らすということをやられるのであれば、機材を十分に回せない、余ってしまう可能性があります。その辺をどうされるのか。それから、時間帯で言うと、普通エアラインは、朝、晩にニーズが高まるということになっていますので、そういった事情も踏まえた上で、ウィン-ウィンの関係になるような話し合いもできる余地があるのか、ないのか。まず、少し内部で検討していく必要があると思っています。
Q
全日空の新潟-福岡便の廃止問題と同じようなレベルでは考えていないという感じを受けたのですが、いかがでしょうか。
A 知 事
福岡便が無くなると、本当に利便性が低下するということです。福岡便はシングルトラックですが、今回(の名古屋便)はダブルトラックなのです。ANA、JALが両方飛んでいます。それからセントレアと小牧の関係をどう考えるのか。色々と考える要素が多いということだと思っています。
一番のポイントは、県民の皆様の利便性、また、新潟に来られる方の利便性が増すような解決策で、さらに皆さんにとってメリットのあるような方向性が出るというのが、私は望ましいのではないかと思っています。
(放鳥トキの産卵について)(文頭に戻る)
Q
トキの産卵が確認されたようですが、感想を伺います。
A 知 事
放鳥したトキのペアで二世が誕生するというのは、放鳥以来長らく期待していたことですので、ぜひとも様々な困難を乗り越えて、二世誕生の報を聞きたいと思います。とりあえず卵が産まれて大変良かったと受け止めています。
(朝鮮学校の就学支援金支給について)(文頭に戻る)
Q
高校授業料の無償化に関連して、文部科学省が朝鮮学校への就学支給金の判断を「各県に委ねる」ことを検討されているようです。これについての知事の所感を伺います。
A 知 事
新潟県には高校(朝鮮学校)がありませんので、一般的な話で申し上げると、国が本来方向性を決める話だと思っています。
(北陸新幹線問題について)(文頭に戻る)
Q
北陸新幹線の問題ですが、昨日、富山、石川、長野の各県に「1県1駅停車問題」について、改めて質問を出しています。内容は承知していますが、改めて真意を伺います。
A 知 事
前回、関係者の会合をやったのですが、先延ばしになって結論が出ていない部分があります。いずれにしても1年以内にまとめていかなければいけないと思っていますので、意見が一致して前に上手く進んでいけるような合意をどんどん作っていくために、努力していきたいと思っています。
Q
各県から前向きな回答がない、先送りになっているからということで(照会を)改めて出したと思いますが、そういった状況では、なかなか前向きな回答が得られない可能性もあると思います。そういった場合は、今後どのように進めていきますか。
A 知 事
前向きな回答が得られるように、まず努力するということです。ちなみに「足並み揃えていきましょう」というときに、「新潟県は金は出せ。でも(新幹線が)停まらなくてもいいよね」と、逆の立場だったら言いますか。言わないですよね。私が反対の立場にいたら「四県で協力していきましょう」と必ず言いますが、それを言えないということは私はあり得ないと思っています。まずは「足並み揃えていきましょう」という働きかけをやっていきたいと思っています。
Q
文書にもありますが、(同意を)得られない場合、負担割合のことなどが書いてありますが、ここまで頭の中で考えているということでしょうか。
A 知 事
もちろんそれはあり得るということです。人に任せてしまうということであれば、前提条件が違います。特に地方自治体というのは総合行政体です。要は地域の発展に資さなければならない。これは新幹線整備法にも書いてあるわけで、自分のところにならないものにお金を出すとどうなるか。医療、教育、福祉、農業という他の施策に充てられるべきお金が優先的に(新幹線整備に)出て行ってしまう。それは新潟県がやるべき話ではなく、他県のためにというような話があるのであれば、国家プロジェクトで進めなければいけないと思っています。国と地方との関係から言っても、極めて当然のことですが、お金を出して、それに見合った受益がなければ、自治体は関与してはいけないと私は思っています。
(水俣病未認定患者の救済申請受付について)(文頭に戻る)
Q
水俣病についてですが、未認定患者の救済申請の受付について、熊本県と鹿児島県では来月5月1日から始まる見込みになっているということですが、新潟県としての対応はどうなっているのでしょうか。
A 知 事
特に受付で制限はかかっていないと思っています。新潟県の場合は条例を制定していまして、有機水銀によって体に障害を負われた方、被害を受けられた方は新潟水俣病と定義しています。救済を求められる方には、いつでも門戸を開いているということです。
Q
検診を受け入れる病院は、新大病院ということでしょうか。
A 知 事
具体的な話になるので、担当からお答えします。
(脇野田駅の移設事業について)(文頭に戻る)
Q
並行在来線の話ですが、今月に入って上越市長が「(脇野田駅の)移設についてJRに要請する」という発言をしています。それに対する所感を伺います。また、県も一緒に要請する考えがあるかどうか伺います。
A 知 事
まず並行在来線問題ですが、新潟県が便利になるかどうかすら分かっていない状況ですが、東京に行く人は便利になったけれども、豪雪地帯の通勤、通院など交通弱者の皆さんにしわ寄せが来るというのは施策としていかがなものかと思っています。並行在来線が円滑に運営されて、地域にとってメリットにならなければいけない。現在抱えている問題について、上越市と一体となって対応していきたいと思います。当然、JRへの働きかけを県も一緒に行いたいと思います。
加えて、三セク会社ができてから鉄道事業者として認可を取るまで時間がかかるというような現実もあり、今後の手続きを円滑に進めるということも含めて、三セクの設立についても取組を加速していく必要があるというような認識で県政を運営していきたいと思います。
Q
最終的な目標というのは、知事の頭の中にありますか。
A 知 事
私は「なるべく早く」という指示なのですが、現場では様々な調整事項が残っているということなので、そこを調整しながらなるべく早くということだと思います。
Q
県も一緒になって要請していくということですが、県としても当面は三セクができて認可が下りるまでは、JRが移設してくれることが一番ふさわしいという考えでよいでしょうか。
A 知 事
質問が難しいのですが、現実的な選択肢として一歩進めていくときに、やはりJRと話をしなければいけない。そういうタイミングだと思っています。
Q
JRの方は移設(工事を設けること)に関しては否定的で、厳しい要請になると思いますが、それについてはどう考えますか。
A 知 事
私はまだ直接話したことがないので、厳しい感触というよりは、どこが問題なのかも含めて課題があればそれを克服する努力をするということだと思います。
Q
要請の時期や、要請する対象はどう考えますか。
A 知 事
今、調整中だと思います。
Q
上越市は「4月中」という言い方をされていますが。
A 知 事
特に異存はありません。
Q
これまでなかなか三セクが進んでこなかった背景、理由について、知事はどう考えますか。
A 知 事
色々な意見をもらっています。こういう事態になってくると、三セクで進めるべきだろうと思います。近隣県と一緒にやった方がいいなど色々なことを言われると、単独で走れる環境でもなかったです。でも、それぞれの事情があるわけですから、話し合いをしながらということになるのでしょうが、必要な対応はとっていかなければいけない時期に来ているという認識は持っています。
(県内景気の現状等について)(文頭に戻る)
Q
今日、日銀の政策決定会合があって、景気の認識もやや上向いたかと思いますが、知事の目から見て県内の景気の現状をどのように見ているのかということと、今日の発表のバイナリー地熱発電のような地球温暖化対策の産業等の新潟経済に対する貢献というかインパクトについて、将来的にどう見ているか伺います。
A 知 事
まず、景況感ですが、日本の経済構造の縮図が新潟県にもあります。農業大県という印象はありますが、農業での付加価値は(県経済全体の)2%程度しかありませんので、実質は設備投資関連と輸出関連、すなわち電子、機械、自動車関連部品産業がどうなるかによって大きく影響を受ける状況です。ご承知のとおり、中国の景気回復が早かった、アメリカの景気が思うほど落ち込まなかったというようなところがあって、想像の範囲内での生産活動が維持できているということだと思っています。本当は施策をしっかり打てば、私はV字回復もあり得ると思っていますが、現在のところはデフレ経済下において、海外の要因及びエコポイント制などの政策マターによる自動車と家電製品の売り上げ増加が下支えになって、L字からちょっと上がるくらいの景況感で推移しているのが現実だと思っています。
今度の戸別所得補償制度がどの程度機能するかということで、農業分野での景況感が影響を受けてくるでしょうし、加えて米粉及び非主食用米、バイオエタノールも含めてですが、こういったものに次の商機が見い出せるということになれば、良い影響を与えてくれるのではないかという期待も持っています。
いずれにしても、外需に依存して国内で生産しているという日本経済の構造上、今みたいな94円台の円高水準はやはり高すぎると思います。リーマンショックが起きたときは1ドル=113円で、それに比べて随分切り上がっていますので、もう少し円安誘導すべきではないかと思います。国際的なパワーゲームがあって難しいことも十分承知していますが、中国の毅然とした態度に比べて、私は日本政府は弱腰だと思っています。しっかりと国内で生産できるような環境を作らないで景気回復しようと言っても限界があると思っています。
地球温暖化関連産業ということですが、マーケットをどう掴むかというところに依存してくるだろうと思っています。新潟県で、商用の太陽光発電所第1号が今年立ち上がります。こういった雪国型メガソーラー発電所、もしくは高緯度地帯でも稼働可能な発電所を、セットでプラントとして例えば中国マーケットに投入していくときに、中国の調達規格に合わせていく、もしくは中国国内で利益を受ける企業にロイヤリティーを取ってもらうようなビジネス上の仕組を作り、外需を内需に取り込んでいく。(そうすることで)太陽光発電の周りの部分を地元の産業である金物や工具関連企業が請け負う。バイナリー地熱発電の技術開発ができれば、プラントとして総合的に出していく中で、県内産業の需要を高めていくことが中期的にできるように、施策を進めていきたいと思っています。
産業政策で言うと、知的財産権と規格。規格というのはマーケットシェアをどれだけ取るかに影響するのですが、こういったものを産と官と学が足並み揃えて戦略的に対応していけるかどうかが、将来に大きな影響を与えてくると思っています。
(戸別所得補償制度について)(文頭に戻る)
Q
農家の戸別所得補償制度が4月から始まりました。農家の方の話を聞くと、参加した方が所得が安定するのかどうか、戸惑う方も多いようですが、改めて知事の所感と、今後懸念されるような部分があれば聞かせください。
A 知 事
今回、政府の基本的な方向は評価しています。しかしながら、制度設計については「これでいいのかな」というところには疑問を持っています。それはどういうことかと言うと、もともと主食用米は過剰なのです。過剰なところに(米を)作るとゲタを履かされて「手取りが増えます」ということは、「主食用米を作りましょうね」という政策になっているわけです。一方で、「主食用米を作る人は量を制限してね」と、減反、生産調整がセットになっています。つまり、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる政策です。5,000億円くらいのお金がかかってしまう、効率が良くない政策だと思っています。そして、「国からお金が来るのだから、その分は負けない」という業者があるという話も聞いています。政策の精度、健全性という意味では、私は疑問だと思っています。
そうではなく、今必要なのは、主食用米が過剰であれば非主食用米にシフトして、主食用米の量をコントロールしなければいけないのではないかと思います。それには「米粉用米、バイオエタノール用米、飼料用米を生産した人には所得保障します」と言って、数量を減らせばいいわけです。800万トン強ある主食用米を、仮に70万トン減らしたら、十数年前の凶作時と同じ水準ですが、今の米価が2倍近くなるということも起きるわけです。どのレベルで設定させるかという技術的なところはありますが、基本的には非主食用米に誘導する中で、主食用米の価格を安定させていく政策をとらなければ、必要以上にお金がかかってしまうと思います。引き続き国に(制度の提案を)求めていきたいと思っています。その上で、万が一誘導が失敗して(所得が)下がったら保障します、というのなら分かりますが、最初からお金を出します、という形でやれば、必要以上の税金が投入されるのではないかと懸念しています。
(バイナリー地熱発電設備を設置した実証研究の実施について)(文頭に戻る)
Q
バイナリー地熱発電について、実際、県としてはどれくらい期待しているかを伺います。発電の規模としてはあまり大きくないものですし、ただそれが地域の電力をある程度賄えるようなものとして期待しているのか、あるいは産業用として期待しているのか、用途に関してどれくらい期待しているか伺います。
A 知 事
分散型の社会を作っていくということだと思っています。バイナリー地熱発電ひとつを取り出して、これで全て賄うという話ではありません。例えば太陽光と地熱と火力とバイオを組み合わせていく中のひとつとして見ていくべきだろうと思います。水力のマイクロ発電というのもありますので、色々な形で1箇所に中央集権型の巨大な発電所を作って、各家庭に全部配電していくのが21世紀型のやり方なのか。コンピューターの世界で言えば、メインフレームをドーンと置いて、全部中央で処理して、端末でカタカタとやるやり方と、ネットワーク型というのがあるわけです。インターネットみたいに個々のパソコンなりがそれなりのサーバーも含めて能力を持って、ネットワークとして機能させるという考え方があるわけです。このバイナリー地熱発電は後者なのだろうと思います。
さらに「スマートグリッド(賢い送電網)」という構想があります。これは電気供給とITを融合させる仕組で、発電している量と消費している量はバランスしなければいけないのです。それをコンピューターでコントロールして、どこの発電をどこに動かしていくのか。個々で見れば、今、太陽光発電に少し雲がかかって下がっています、でもこっちの方は開いている感じだ、と。火力の出力がちょっと上がればいい、というような調整。もしくはそこに電気自動車がつながっていれば、溜まっていた蓄電池から少し放電しようというようなものです。そういう社会を実現していくときのひとつのパーツであるということになると、大いに期待できると思っています。実際、このスマートグリッドも視野に入れながら地熱発電があるということになると、松之山温泉ですから「視察に行きましょう」というような人に来ていただける余地も、産業観光という意味で可能性としては出てくるのかな、と思います。21世紀の未来は全て決まっているわけではありませんので、あらゆる可能性を排除しない中で、かつ先頭を切れるものは切っていきたいと思います。
Q
あくまでも「試験的に」ということですか。
A 知 事
今回は「研究」です。
(外国人医師の活用について)(文頭に戻る)
Q
仙石国家戦略担当大臣が、「外国人医師の診療行為への規制緩和を検討するべきだ」というような発言をされています。新潟県も医師不足で外国人医師の活用というのを知事も言っていますが、この発言についてはどのように受け止めていますか。
A 知 事
歓迎します。以前、舛添前厚生労働大臣に新潟県から(外国人医師の活用について)提案しました。特に新潟県は、(外国人医師との)医師分野での交流が20年以上続いていて、新潟大学医学部で博士号を持った先生も、日本語も当然しゃべれる、新潟のこともご存知、そして博士号を持っている。無いのは日本の医師免許だけ、という先生に来てもらって診療するのはダメでしょうか、こういう人は良いのではないかと。大臣はその場では「分かりました」と言って、「早速できるようにします」と即答いただいたのですが、結果として事務当局とやり取りする中でトーンダウンしていって、「修練制度でやってください」と。それで今年、修練生の受け入れ第1号がもうすぐ来るのかな、というところまできているのですが、ようやくそういう段階になっています。
看護師の世界で見ていただくと、介護の世界でもそうですが、EPA(経済連携協定)を結んでいる国々から色々な形で、既に人材が日本にも入ってきています。そういう中で「医師だけ特別」ということでもないのかなと思っています。外国人医師が1人でやるという印象を持っているのでしょうが、基本的にはチーム医療の中に加わるということだと思っています。基幹病院、中核病院でチーム医療をする中で、その中にも(外国人医師が)1人が入ってくる。そうすると、手の空いた先生が他にも行けるというような形になるわけです。村の診療所に行ったら、海外から来た人で(日本語が)片言の先生しかいない、というようなイメージではありません。国際的な交流促進という意味でも、私は意義あることだろうと思っています。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
