1 日 時 平成22年4月21日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・「新潟版所得保障モデル事業」の平成21年度の事業成果等について
・平成22年度「新潟版所得保障モデル事業」の募集開始について
4 質疑項目一覧
・「トッキッキ」デザイン使用の無償化について
・「新潟版所得保障モデル事業」の平成21年度の事業成果等について
5 知事発表(10:00~10:13)
(「新潟版所得保障モデル事業」の平成21年度の事業成果等について)(文頭に戻る)
新潟県では「所得保障モデル事業」を国に先駆け、1年前から実施しています。所得保障制度は、生産者の生産活動を維持できるようにする側面と、食料安全保障のためにきちんとした食料生産できる環境を維持することにより、国益にもつながっていく。加えて、消費者の選択肢を増やしていくことにつながると期待しています。県では国の制度とは違い、単純に(お金を)上乗せするだけではなく、誘導策を加味して制度設計しています。
1つは非主食用米への生産誘導。これは国でも一部取り入れてもらいました。もう1つは農地のかなり多くの部分が中山間地域に存在していることから、農地をフルに活用するためには中山間地域で担い手を確保するということが重要になってきます。この中山間地域の担い手確保のための誘導策も所得保障モデル事業の中に組み入れてあります。その結果ですが、「水田経営安定化・フル活用モデル事業」、すなわち耕作放棄地を出さないようにという部分では、非主食用米を通じて生産の拡大がみられました。他産業並の所得の確保に至っているということです。もう1つは「中山間地域新規就農者確保モデル事業」、すなわち中山間地域での新規就農者の確保ということですが、ただ作るだけではなく、企画販売というところに能力を持った人を採用することができたということです。実際に若い就農者が現れたことにより、地区の活性化も図ることができたと評価しています。
「水田経営安定化・フル活用モデル事業」の成果としては、4地区対象で予算額2,400万円を措置していましたが、結果して247万9,000円の支出で済みました。にもかかわらず、初期の政策誘導目標である「非主食用米への生産誘導」を図ることができました。これは、ただ単にお金を上乗せするだけではなく、政策を間違えなければ、マーケット全体を調整しながら税金を有効に使う可能性があるということが示されたと受け止めています。国の制度も本当に5,000億円必要なのかということも考え、モデル事業から本事業に移るときには様々な制度設計のトライアルをしてもらいたいと思っています。
次に「中山間地域新規就農者確保モデル事業」の成果です。1,400万円の予算で中山間地域の担い手を4名確保できました。さらに、ただ生産するだけではなく、販売、経営企画という部分に関わる人材に加わって頂いた。途中スタートでしたが、どういう作物を作るか、どういうふうに売っていくのかというところで、ある程度、枠がはまっている中でもこの事業を動かすことができました。つまり、将来の事業拡大も可能だと評価しています。元々、中山間地域で6次産業化等を目指す中で暫減して、予算を立てなくても自立できることを目標にしていました。そういう意味では、初年度1,400万円(の予算)で一人あたりで言うと350万円の予算で担い手が確保でき、かつ将来の事業拡大を通じて予算削減ということも可能になっていくのだろうと期待しています。地域が自立的に発展できるような形での所得保障というものを組み得ると思っています。こういった状況で「新潟県版所得保障モデル事業」は、概ね成果があったと受け止めています。
※報道資料 ※新潟県版所得保障モデル事業の取組成果
(平成22年度「新潟版所得保障モデル事業」の募集開始について)(文頭に戻る)
先ほども申し上げましたが、所得保障は何のためにやるのか。これは決してバラマキではありません。食料安全保障、国益の確保。それから、担い手、生産地域、こういった国土の保全も含めた生産者対策。加えて、日本の食は、「米」中心から洋食化が進んでいます。多様な食が進んでいる中で、消費者の選択を増やし消費者利益にもつながると考えています。具体的に申し上げると、パンはすべて小麦粉で作らなければいけないのかというと、決してそんなことはありません。例えばフランスパンと呼んでいいかどうかわかりませんが、米粉で作るとかなりふんわりとしてモチモチになる。食感もケーキを食べるとおいしい、ラーメンもおいしいということになりますので、消費者の選択を増やすことが可能と考えています。米粉、加工用米、さらには一時的にバイオエタノール米に回すということもあり得ると思っています。こういった多様な可能性がある事業を、もう少し検証を深めていきたいということで、モデル地区の追加募集をしたいと思います。(募集期間は)4月21日から5月21日までの1ヶ月間ですが、「水田経営安定化・フル活用モデル事業」、すなわち耕作放棄地を出さないというための仕組について、特に今回は、(昨年度実施地区の)近くに応募がないような地域を選定していきたい。岩船地域等、「新潟版所得保障モデル事業」の対象にならなかったところの皆さんに、ぜひ参加して頂きたいと思っています。
※報道資料 ※「新潟版所得保障モデル事業」について
(柏崎市えんま通りの復興に向けた支援について)(文頭に戻る)
商店街の活性化は、各地区で大型店がロードサイドにかなり進出したことで、中心市街地の活性化というものが難しい課題になっているという現実があります。そういった中で全国を見ると、いくつか商店街活性化に成功しているパターンというものがあると思っています。
1つはコンパクトシティ型と言いますか、街中に都市機能を集中するというようなやり方で、ある程度成果を上げている地域。それから観光で商店街を売り出すというタイプもあると思います。具体的に言うと、川越市、高山市、最近で言うと小樽市なども観光客が来ることによって商店街が再生するというような事例もあると思っています。
もうひとつは、地域密着型で再生していくやり方というのが福祉との連動です。すなわち商店街の商品を高齢化世帯にお届けするとか、高齢者向け施設等を商店街の中に誘致する。需要を地域密着型で開拓していくというやり方で、一定程度の成果を上げたエリアがあるということです。
今回、中越沖地震で大変大きな影響を受けた(柏崎市の)「えんま通り」の復興について、地元からの要望もあった街路拡張事業を実施したいと思っています。今回、介護福祉施設の着工が決定しました。さらに共同店舗・賃貸住宅の整備、加えて防災公園の整備等、まちづくりの基本的な方向が地元から示されたという状況ですので、県としても、その事業計画の中に入っている道路の拡張事業を実施し支援していきたいと思います。平成22年度から26年度まで、事業費は約6億円を予定しています。地元でよく話し合いを進めながら、道路の拡張事業と同時に、まちづくり、商店街の復活に道筋をつけていけるようがんばっていきたいと思います。今回、全部の道路事業ができるわけではありません。(えんま通りを挟んで北側・南側の)両側で事業を進めていきますが、とりあえず合意が成立した南側の部分の拡張計画を優先して進めたいと考えています。
※報道資料 ※都市計画道路(概要図) ※都市計画道路(詳細図)
(「トッキッキ」デザイン使用の無償化について)(文頭に戻る)
「トキめき新潟国体・トキめき新潟大会」で活躍してくれたトッキッキですが、現在は、県の宣伝課長として活躍しています。実は、「トッキッキのキャラクターを使いたい」という問い合わせが多数寄せられていました。これまで、協賛企業等に「有料」でキャラクターの使用許可をしていましたが、このたび、より多くの方に親しんで頂きたいということから、キャラクター利用についての条件を変更したいと思います。(本日から)「無償」で新たなデザインを活用して頂いて結構です。届出はお願いしたいのですが、トッキッキの使用については、お金は取らずに許可するという条件に変更したいと思います。ただし商品等への営利利用については、義務ではありませんが、できれば「トキ保護募金」への募金をお願いしたいと考えています。既存のデザインが約180、新規デザインは約50ですが、要望があれば追加のデザインも広報広聴課で作成が可能です。トッキッキのデザインは、色々な形でのデザインが可能だと思っています。国体の時も、「スキーを履く」、「ボートを漕ぐ」など、色々なデザインがありました。(新たに追加したものでは、)「テレビを見る」、「手紙を出す」、「飛行機に乗る」などのデザインがあります。要望があれば新規のデザインも考えていきたいと思います。ぜひとも多くの人にご利用頂ければと思っています。
※報道資料
6 質 疑(10:13~10:26)
(「トッキッキ」デザイン使用の無償化について)(文頭に戻る)
Q
自治体の宣伝活動で、キャラクターを「無償」で使用許可しているのは、全国的にどの程度あるのでしょうか。
A 知 事
今、マスコットキャラクターを持っている県が17県あります。そのうち、「有償」で使用許可しているところの方が少なく2県だったと思いますが、それ以外は「無償」でやっていますので、平均的だと思っています。
(「事業仕分け」第2弾の実施について)(文頭に戻る)
Q
今月23日から「事業仕分け」がまた始まります。今回は独立行政法人が対象ということですが、期待があるのか、懐疑的に見るのかということと、本県への影響が考えられるのかという点を教えてください。
A 知 事
事業仕分けですが、色々な意見があるのは承知しています。ただ、本質を見る必要があると思っています。独立行政法人は、純粋に成果目標を出してやり方を任せるという理念で始まったのですが、残念ながら、特殊法人改組で事実上の特殊法人温存として存在が残ってしまった独立行政法人も多数存在していると思っています。無駄の温床になっている部分は確実にあります。例えば、なぜ国家公務員よりも給料が高いのか。会計制度にしても官庁会計を使っていて、一般管理費が複数に点在しているなど、外からも見えにくくなっているという部分があります。例えば、「天下り」については、国から独立行政法人への天下りということがよく指摘されますが、「独立行政法人から関連取引先に天下り」という例もあるわけです。それで割高になっている部分がないのかといえば、疑わしい事例も当然あると思っていますので、ぜひとも無駄を省いて頂けるように仕分け人の皆さんには、がんばって頂くことを期待しています。
Q
今見える部分でいいのですが、廃止や統廃合等の見直しがあった場合には、本県への影響は何かありそうですか。
A 知 事
どうでしょうか。どういう形で仕分けがなされるかということになりますので、この時点で具体的なことは言えないと思っています。ただ結果として無駄が省かれるということは、税金が有効に使われるということだと思いますので、期待はしています。
(「新潟版所得保障モデル事業」の平成21年度の事業成果等について)(文頭に戻る)
Q
明日、民主党と農林水産大臣政務官に要望活動を行うとのことですが、本日公表した(新潟版所得保障モデル事業の)成果等も含めて要望活動を行うのでしょうか。
A 知 事
はい。
Q
新潟版所得保障モデル事業の成果についてですが、予算額2,400万円に対し、支援額が240万円だったと。240万円というのは、基本的に主食用米ではなく、すべて非主食用米への支援ということですか。
A 知 事
価格の内訳については後ほど確認して頂きたいのですが、値段が下がらないような形で主食用米から非主食用米にシフトさせれば、必ずアールあたりいくら出さなければいけないということをしなくてもいいですよ、というところが重要だと思っています。そういう意味で(非主食用米に)シフトして、全部を非主食用米にしか支援してはダメだと言っているわけではないです。米ではなくパンも食べたい、ラーメンも食べたいということから、(食文化が)多様化してどこが余っているかというと主食用米が余っているわけです。米全体が余っているわけではないのです。これが事実なので、例えばラーメンとか、パンとか、ケーキなどに振り替えていくと食料自給率が上がり、そして値段が落ちていくことも防げるという合理的な施策が展開できることに意味があるということです。
Q
主食用米から非主食用米にシフトさせて、実際、非主食用米が増えたと。本来、価格差があるわけですから、非主食用米がかなり増えれば、県の支援額ももっと増えるはずだと思うのですが。
A 知 事
これはどういうことになるかというと、以前試算したのですが、日本全体で800万トンくらい米が生産されているわけです。ただ、これが50万トン減ったらむしろ足りなくなり、値段で言うと倍になる可能性もあるのです。そのあたりで着地点というのは調整していく必要があるのですが、ある程度、わずかな量を非主食用米にシフトすると、全体に下駄を履かせるよりもコストがかからないという構造になっているのです。米はどういう商品かというと、少しでも余ると価格が暴落するのです。5%でも余ったら暴落する。でも5%足りないと価格が暴騰するという商品なのです。これは「需要の価格弾力性」と言うのですが、非主食用米の方にわずかな量をシフトする。例えば、価格安定政策で国が今まで何をやってきたかというと、「緊急買入れ」をやりました。これは(米を)半分買ったわけでも何でもないのです。わずかな部分を市場から隔離すると価格が安定するのです。今まで国もやってきたことなのです。倉庫に積み上げるのではなく、それをきちんと食べられるところに使っていく。例えば、バイオエタノールや米粉用、加工用米に使ってもいいという形でシフトさせていくと、マーケットの需要と供給がバランスして、お金をあまりかけずに施策効果を達成することができるということです。
Q
ただ、マーケットを動かすだけの規模にはまだなっていないと思いますが、それでもこれだけの支援額で済むというのは。
A 知 事
想定したより価格が下がらなかったということです。
Q
主食用米もそうですが、非主食用米もそれなりの値段が付いていたということでしょうか。
A 知 事
非主食用米の値段は、もっとずっと低いです。
Q
そこにシフトさせれば、それなりに補填する額が増えると思いますが。
A 知 事
深くなるけれども量が少ないのです。例えば、800万トンに15,000円を上乗せしたらいくらかかりますか、という話と、残りの50万トンにほとんど全部乗せても、とても全体に乗せるほどの金額にはならないということです。
Q
今回の4つのモデル地区は、ある程度先進的というか、かなり積極的に農業に取り組んでいる地区だと思うので、ある程度の所得水準に達していると思うのですが、本来はそこに達しないような、なかなか所得が上がらなくて困っているような農家をどうしていくかということが重要なのではないかと思いますが。
A 知 事
米の主食用米の値段が上がればいいのです。そうでしょう。
Q
それは量を減らして価格を上げるということなのでしょうか。
A 知 事
総必要経費というのは、P(単価:Price)×Q(数量:Quantity)でしか決まらないのです。量でコントロールしようとしているから日本の政策はうまくいかないのです。価格と量で所得は決まってくるので、数量をコントロールすることによって、価格で小さな農家もきちんと生活できるようにすればいいということです。保障しておいてもいいのです。保障しておいても価格を下げないだけの市場隔離で主食用米を他に移すことができれば、お金は結果としてかからないということです。
Q
国の制度についての考えを改めて伺います。
これまでの知事の主張としては、生産調整を前提としておきながら、主食用米の生産農家に助成を行うのは、前回の会見で「アクセルを踏みながらブレーキを踏むという政策」と発言していました。それに関して、県としては国がどのように制度を改善することで、どれくらいの財源圧縮が可能だと考えますか。
A 知 事
5,600億円を半分以下にすることは可能だと思っています。結局、お金をあげる仕組に乗ったら生産量を減らしてくださいね、というロジックでいくからお金がかかるのです。そうではなく、主食用米を非主食用米にシフトすると価格は安定するのです。今までも緊急買入れはそういうことをやってきたのです。非主食用米を手当すれば自動的に所得は保障されます。価格の方から攻めるとコストがかかりませんよ、ということです。
ちなみに、過去に主食用米の生産量が750万トンくらいになった年があります。今、60キロあたり1万いくらのものが、当時は26,000円になったのです。ちょっと(量が)足りないとそれだけ値段が上がるのです。なぜかと言うと、主食用米がないと毎日を過ごせない。お店からお米が消えてしまえば、高くても買うということになるわけです。別にそんなに(生産量を)絞る必要はないけれども、わずかな量をシフトさせると価格は安定しますよ、というところがポイントだと思います。そこは保障してもいいのです。全部をマーケットに任せるということではなく、国として保障しますと言っておけばいいのです。いくら出しますという必要はないのです。いくら出しますといったときに何が起きるかというと、国から(お金を)貰うのだから、うちにはその分安く売ってよ、というブローカーが途中で出てきているという話も報告があります。そういうことではなく、自ら作ったお米がマーケットで売れたら、その分を私に値下げして売ってくださいという人も来なくなりますから、きちんとうまく仕組を動かしていくという制度設計が、私は重要だと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
