1 日 時 平成22年7月28日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・過疎地域自立促進方針の策定について
4 質疑項目一覧
・過疎地域自立促進方針の策定について
5 知事発表(10:01~10:12)
(過疎地域自立促進方針の策定について)(文頭に戻る)
今年3月に改正過疎法(過疎地域自立促進特別措置法)が国会で成立しました。平成22年度から平成27年度までを対象として、この法律が施行されるわけです。過疎法は今までどういう形で使われてきたかと言うと、一番のポイントは過疎債を発行して、いわゆる「箱物」を整備する。そうすると、そこに地方交付税措置が付くという形が最大の売りになっていたわけです。しかしながら、この過疎法は成功だったかと言うと、過疎化は止まっていないわけですから、政策的には必ずしも成功していないと評価せざるを得ない状況だったわけです。
今回、改正されて何が変わったかと言うと、ソフト事業も過疎債の対象になったということです。既に「新潟県過疎地域自立促進方針」について電子会議室を実施しました。どういうことを県民の皆さんが望んでいるかと言うと、「過疎地域からの脱却のためには農業の6次産業化、ストーリーづくり等による高付加価値化が必要ではないか」、「耕作放棄地の拡大を防ぐことが重要では」、「情報発信が必要で、逆に情報発信がなければ都市との交流が難しいのではないか」、「過疎地域には色々なエネルギーがあるので、こういった資源を活用してはどうか」、「過疎地域の移動手段は公共交通機関には頼れないので、道路整備、除雪は引き続き必要ではないか」、「定住者の受け入れに当たっては、ちゃんとその人が定住していけるかどうか、地域で選別する視点も必要」、「過疎地域は、都市部と独立して存在しているわけではなく、共生・互恵の関係にある」、「外部人材の刺激も必要だ」、「都市部住民は必ずしも過疎地域の維持の重要性について理解できていないのではないか」という意見等がありました。一部、「ハードに対する対応が必要」という意見もありますが、基本的には「ソフト面の対応が必要」という意見が大層を占めていると受け止めています。
現在、「新潟県過疎地域自立促進方針(案)」のパブリックコメントを8月4日まで募集しています。今回の方針の概要ですが、所得水準を向上させて、ふるさとで生活できる環境をどう作っていくかを眼目に定めています。地域インフラ整備ということは確かにありますが、それ以外には農業の6次産業化、「食」と「観光」、地産地消、若者の就農などに重点を置いて、過疎対策に取り組んでいきたいと想定した方針を、今原案としてお示ししている状況です。
※報道資料 ※電子会議室における主な意見等 ※新潟県過疎地域自立促進方針(案)の概要
(国の概算要求基準について)(文頭に戻る)
昨日、国の概算要求基準が閣議決定されました。原口総務大臣から各省庁に一括交付金への配慮等申し入れがなされていることは承知していますし、大臣のこれまでのご努力に敬意を表したいと思います。
一方で、今回の概算要求基準は、大きな懸念があるとも思っています。ひとつは、一部例外はありますが、一律10%削減した上で、要望できる金額が「減額した範囲内」という条件が付いています。これはどういうことなのかと言うと、各省の配分比率を変えないと、事実上のミシン目が入ってしまうのではないかということが大いに懸念されるわけです。特別枠を作るのであれば、必要な政策というのは時代のニーズに応じて各省の配分比率を大きく動かすことこそ重要なはずなのに、全体像の中で要望するのではなく、「各省が減らした枠の中で要望してください」ということになれば、霞ヶ関の査定の仕方を考えると、各省の配分比率は変わらない方向に力が働くということだと思っています。ちなみにどうなっているかと言うと、特別会計なのか一般会計なのかは別にして、各主計官が張り付いていますので、主計官が個別に査定して、主計官同士での枠のやりとりはしない、というふうに聞こえるのです。ということになると、主計局全体の中で各種施策の優先順位でウェイト付けを変えるというよりは、今までどおりの予算編成方針で、かつ各省の施策の内容に財務省が事細かに関与するということになりはしないかを懸念しています。それは逆に言うと、補助金も入っているわけですから、一括交付金という名前になるかどうかは別にして、各自治体がやるものについても現場の意見が入らない形で事実上のミシン目が入って、内容まで関与した上でできあがってくるということになるのではないか。
そもそも今回の基準の設定をこのように行えば、一括交付金というのはどういう意味を持つのか。一括交付金というのは、各省の枠を超えて地元のニーズ、現場のニーズに応じて重点配分することが重要にも関わらず、各省がそれぞれ枠を持って要求するということは、それぞれ積算根拠があるわけです。これを会計検査院を使ってPDCAサイクルを回すのが、地域主権戦略大綱の進め方として既に閣議決定されているわけです。ということは、多分ミシン目が入って、その使途も一括交付金という名前にはなるけれども、事実上全部決められてくるということになるのではないか、完全な骨抜きになることが想像されるような概算要求基準になっているのではないか。この状況は、ぜひ政治主導で12月の政府予算案決定までに打破して頂きたいということを、強く申し上げていきたいと思います。
(施策評価委員会について)(文頭に戻る)
昨日、第1回目の「施策評価委員会」を実施しました。これは何かと言うと、政策プランの最終評価や県民意識調査の結果の低いもの、すなわち施策が必ずしもうまく回っていないものを対象に、有識者の皆様に入って頂いて、施策評価をするということです。インターネット中継をしています。
この目的ですが、大まかにふたつあると思っています。ひとつは、国でやっている事業仕分けと類似の観点で、政策がうまく動かないのはなぜなのか、いらないところにお金が回っているのではないか、施策の優先順位を正しく実施しているのだろうか、という観点での評価。将来的にどこか悪いからうまくいかないというところを評価して頂ければ、どう見直すべきである、という提言に裏返って繋がっていくと思っています。ぜひ様々な方々に見て頂いて、県政のさらなる前進、県民生活の向上に繋がるようなご意見も合わせて寄せて頂くと、大変ありがたいと思っています。
(熱中症対策の県民への呼びかけについて)(文頭に戻る)
大変暑い日が続いています。昨日、県でも関係課による「熱中症対策連絡会議」を実施しました。特に体の弱い高齢者の方、小さいお子さんには熱中症対策に十分注意して頂きたいと思っています。気付かないうちの脱水症状が重症化を招いてしまいますので、エアコンを有効に利用して頂く、水分の補給をしっかりする、炎天下では無理をしない、自分だけではなく周りの方々にも気を配って頂けるといいかな、と思っています。
公共施設で空調されているところもありますので、そういったところの利用もあり得ると思っています。ぜひこの暑い日が続く中で、体調管理をしっかりとして頂くよう、(県民の皆さんに)お願い申し上げたいと思います。
6 質 疑(10:12~10:25)
(過疎地域自立促進方針の策定について)(文頭に戻る)
Q
改正過疎法ですが、方針の策定をして、計画の策定というのは来年度当初くらいから計画をスタートさせるということでしょうか。
A 知 事
平成22年度からなので、今年度でき次第、体制整備が済んでから実施されることになります。
Q
方針を作って、今年度内に計画を作ると。
A 知 事
市町村が作ります。
Q
それで平成22年度から実施ということで。
A 知 事
はい。
Q
ソフト事業で使えるようになったということですが、今まで法律に基づかないで、県でもソフト的なところで過疎地域への支援をされてきたと思います。今までやってきたこととの違いや、所得水準の向上というところが売りなのかとも思いますが、全国的に改正過疎法に基づいて各都道府県で色々な計画を出していると思います。本県の売りというか、特徴はここだというものを2、3挙げて頂けますか。
A 知 事
違いは国の制度なのです。したがって、指針に基づいて計画を立てないと、起債も認められなければ地方交付税も付かない、という構造になっているわけです。これも先ほど申し上げたように財務省ルールみたいなもので、要はハード事業でなければ起債は認めない。なぜならば投資事業だから。そこが公会計の欠陥だと思います。お金を出すと将来リターンのあるのが「投資」と言うのであって、箱物を作るのはリターンを生まなければ「消費」と言うのです。そこのところを理解していないので、建物だけに限定してきた。本来であれば、人がそこで生活して、生産活動して税金を納めて頂くということになると、公に税金が入ってくるわけです。そういったところにソフト事業であろうとなかろうと、将来お金が入ってくる事業に回していく。教育などもそうです。こういうことが結局は投資になるはずなのに、経済学一般の投資と建物を作る投資、建設をごっちゃにしているところが不幸で、そこが是正されたと。今までとはそこが根本的に違うと理解しています。国からの調査で様々な方が来られましたが、我が県からの最重要要望事項は、箱物だけではなく、ちゃんと地域経済、地域社会が回っていくような仕組を構築できるようにしてほしい、という要望で、そういうことが認められたことは評価しています。
したがって、今ご指摘のとおり、地域が自立していけることが重要で、なぜ過疎が進行するのかを考えてみれば、逆になぜそこに集落があったのかと言うと、昔はそこで生計が立てられたわけです。人並みの生活ができたわけです。それがサラリーマンになって都会に出た方が、中山間地に残って、過疎地域に残って農林水産業に従事するよりも、人並みの生活ができる。農業、漁業、林業を現役でやられている方が(自分の子供に)継がせたくないという社会から脱却していくことが、過疎地域を立ち直らせる、自立させていくというために必要で、そこが最大のポイントとなります。
(一括交付金化に向けた取組について)(文頭に戻る)
Q
一括交付金ですが、今後、地方というか都道府県が望むような形にしていくために、全国知事会の方で働きかけというか、何か対応していくような考えはありますか。
A 知 事
この間の全国知事会でも一括交付金化を進めるということで、方針が一致してやっていくわけです。原口総務大臣も努力されていると。ただ、霞ヶ関官僚の方が狡猾であると思っています。前も会見で申し上げたと思いますが、修文されているのです。神野先生が作った原案から、閣議決定されるまでの間に文章が変わっているわけです。本来、民主党政権は「情報のガラス張り」ということを言ってきたわけですから、なぜ原案から閣議決定する間に文章が変わって、原案では何がいけないから変えたのか、ということをちゃんと公表すれば、ここまで霞ヶ関文学に侵食されることはなかったのではないかと思います。実際、侵食されてしまったと思っています。まだチャンスは残っています。12月の政府予算案決定までに、文書は修文されたけれども、それぞれ査定されてきた枠を最後はマージ(併合)して、使い方は地方に任せると言ってもらえるかどうか。場合によっては「法改正が必要」と言われるのです。多分、「補助金適正化法を改正しなければそんなことはできません」と国が言うと思いますので、それも視野に入れ、地方に責任も持ってもらう。やり方も、当然枠があっていいのです。幅があっていいのですが、規律密度は現場の知恵が反映できるようにするということを、合わせて政治主導で対応してもらえるかどうかというところがポイントなので、(報道機関の)皆さん方の力が大きいのではないかと思っています。私は言って回るつもりですけれども。
(水俣病認定基準について)(文頭に戻る)
Q
水俣病の関係ですが、16日に大阪地裁で現行基準を否定するというか、医学的正当性を裏付ける証拠はない、という判決が出たことを受けて、新潟県・新潟市共同設置の(公害健康被害)認定審査会の委員の弁護士の一人が、県と市に「大阪地裁の判断に沿った基準で審査してください」という提言書を出されました。それに対して知事はどのように受け止めているかということと、この委員は判決が出た以上、「県や市の裁量で認定基準を変えても良いのではないか」という提言をされているようですが、それについてどのように考えますか。
A 知 事
まず認定基準のことを考えれば、人工物である有機水銀によって体に障害を負われた方は、当然、水俣病として認定すべきであると思います。普通に生活して、今までどおり川魚を食べていて体に障害を負ったのに、「あなたは基準に達しないから、水俣病ではありません」では、やはり納得できないと思いますので、私は、国は基準を改めるべきだと考えています。
今回の提言に関して言うと、先ほどお話した補助金適正化法と同じで、国が定めた基準を県が勝手に運用したらどうなるかと言うと、「違法」と国に判断されます。必要以外の支出と認定されれば監査請求の対象にもなっていくということですから、今の財政会計関係法令を一緒に改めてもらわないと対応し難いということになっています。したがって、そのあたりも含めて、ぜひ提言頂きたいと思っています。
Q
そうしますと、現行の法体系では難しく、国の基準にしたがって・・・。
A 知 事
いえ、法体系は今のままでも、国が基準を改めれば問題は解消すると思っています。
Q
国の基準を改めると・・・。
A 知 事
そういうことです。その場合は、多分、調整はいるでしょう。様々な歴史が積み重なっているので、そのあたりをどう対応するかということも含めて、抜本的な対応が私は必要ではないかと思います。
しつこいようですが、もう1回言います。有機水銀を、人工物を自然界に流したことによって体に障害を受けた方は水俣病なのです。これは新潟水俣病地域福祉推進条例にも書いてあります。それを水俣病として認定しないというところに問題が残るわけですから、私は基準を改正すべきであるというふうに思います。
(拠点港湾・重点港湾の選定について)(文頭に戻る)
Q
昨日まとめた「日本海側拠点港湾としての新潟港の将来ビジョン」で、(知事は)民営化について言及していました。国の求めに応じて対応できるように調整されている状況だと思いますが、民営化の意義というか市場性について改めて聞かせてください。
A 知 事
民営化については、ふたつの大きな効果があると思っています。ターミナル運営会社を設立した上で、外部からの資本参加を得るということは、お金が入ってくるということを意味します。純粋に税金だけで整備するというやり方から、資本参加してもらったことによって入ってくるお金で整備することが可能になるという点がひとつ。船会社、フォワーダー(貨物利用運送事業者)の海運関係事業者等、調整能力の高い人に入って来て頂くことによって、料金設定が適正化され、荷主にとっても、船会社にとっても使いやすいような運用時間等がうまく稼働するようになっていけば、効率化という点も期待できるのではないかと思います。
新たなルートの開拓という点も含めて、もう少し大きな枠の中で、ある特定の航路だけということではなく、管理者全体がグローバル、ワールドワイドに最適ルートを組んだときに、新潟が持っている地理的優位性というものを評価して頂いて、新たなルートを開拓していくことに繋がっていくことも期待し得ると考えています。
Q
重点港湾の絞り込みが8月3日にも行われる見通しのようです。県内重要港湾の区割りが3つありますが、重点港湾が40港に絞られることについてどう思いますか。
また、今回発表される重点港湾から選に漏れる港が県内から出た場合、どうするか伺います。
A 知 事
今の段階では(選から漏れる港が)出ないようにがんばる、ということだと思っています。
Q
絞り込みが行われること自体はどう思いますか。
A 知 事
国策ですから。選択と集中という中で絞り込みをしないということを主張する以上、負担はどうするのかという議論を同時にしていく必要があるだろうと思っています。ただ今回は、政策を決めていく上で選択の余地が地方の側にないのです。負担をしても整備すべきだと考えるのか、上限があるので削るという方向だけでいくのか、本当は国民的議論が必要だと私は思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
