1 日 時 平成22年6月30日(水)
2 場 所 記者会見室
3 知事発表項目
・地場産品の需要創出に向けた取組について
4 質疑項目一覧
・参議院議員選挙の争点について
5 知事発表(10:00~10:10)
(地場産品の需要創出に向けた取組について)(文頭に戻る)
現在の景気動向ですが、好調の外需、政府のエコポイント等を中心とした施策等により、下げ止まりから一部持ち直しの動きが広がっている状況です。これは平均的に見た姿で、海外からモノを輸入し加工して販売するという日本の1つの貿易の特徴の中では、苦しんでおられる中小企業、業種もまだまだ多くいらっしゃるという状況です。先日の6月県議会においても、「もう一押しの政策支援を」という声も実際に頂いているところで、景気の先行きが今ひとつはっきり見えない中で、やはり背中を押す政策を実施していきたいと思っています。特に1つ懸念しているのが、人民元がドルに対してスピードはゆっくりになると思いますが、少し元高の方に誘導しているということです。円が連れる形で円高に振れるというのは極めて問題だと思っています。特に日本の経済産業構造というのは、原材料輸入、加工、輸出というところで食料とエネルギーを買って成り立っている国ですので、円高になれば必ず打撃が来るということです。
したがって、現在、依然として厳しい環境にある中小企業を支援するという目的で、第2弾になりますが、下取り販売など地場産品の需要創出に向けた取組を支援するための2次募集を実施したいと思います。ちなみに、これは昨年の9月補正予算で導入したわけですが、平成21年度の事業実施結果は、6団体10会場で実施されました。平成20年度と平成21年度を比べると、1.70倍の入場者数の増加となりました。売上金額は平成20年度の1.83倍の増加となりました。一定の効果があると思っています。
本年度の1次募集分については、(財)燕三条地場産業振興センター、五泉ニット工業協同組合、見附ニット工業協同組合、日本金属洋食器工業協同組合を選定しました。これも成果を上げることを期待しています。2次募集期間ですが、6月30日から8月4日までとさせて頂きたいと思います。秋の商戦に、ぜひご活用頂ければと思います。
※報道資料
(新潟東港第2東防波堤の試験的開放について)(文頭に戻る)
日本社会の有りように、1つ問題提供をしているのかなと思っています。防波堤で釣りをしたいという方がおられる一方で、釣りを想定して作ったわけではない防波堤で、自己判断で中に入られてしまう。現状は立ち入り禁止で、かなり鍵をかけて、有刺鉄線等も入れて入れないようにしているのですが、それでも色々な手段で中に入って釣りをされる方がおられる。一方で、釣りを趣味とされている方々からは、せっかくあるものを開放してほしい、また、釣具店等からも「自己責任でいいから開放してくれ」という話も頂いているところです。
どういうふうに考えるべきかということなのですが、防波堤については税金で整備されているわけです。ある意味、目的は本来的には港湾活動のために整備されているわけですが、共有財産の使い方として、天候も安定している中で、本当に完全使用禁止にすることが税金の使い方として正しいのかどうかという点は、考えさせられる部分があると思っています。欧米などを見ると、宣誓した上で自己責任でリスクが伴う活動については認める、という社会環境があるわけです。危ないこと、管理責任を問われることは一切ダメだというふうにして管理社会にしていく、事故が起きそうなものについては全てやってはダメだという選択肢を取る社会の方がいいのか。危ないと分かった上で誓約したものについては、ある程度自由を認めていくという社会の方がいいのか。これは国民全体で本当は議論すべき話ではないかと思っています。これは、県というよりは市町村の話ですが、遊具の安全基準が強化されたことによって使用禁止になっている公園が多々あると承知しています。責任を問われないようにするには、規制側からすればより安全基準を高めれば高めるほど意味があるわけです。その結果、使われない遊具が大量に発生していく。本当に危ないものは当然いけないと思いますが、危ないかもしれないというものをどこまで規制していくのかというところを、本当は社会全体で合意していく必要があるのではないかと私は思います。
この議論を妨げる要因の1つが「管理責任」ということになっています。管理責任は施設の管理者にかかってきますので、知事がいくら言っても現場としては迷惑であるという部分は当然あるわけです。どんな天候であろうと一切禁止というものは禁止で、これはあくまでも港湾物流、旅客をはじめとした本来の用途に使うべきものであって、釣りに使うのはおかしいということでシャットアウトしてしまえば、管理責任は果たされるわけですから問題ないとなるわけです。本当にそういう社会でいいのかどうかという点については、私は議論がいるのではないかと思っています。逆に言うと、現場が躊躇するような法体系になっているということです。仮に「本人の自己責任です」といって開放して事故が起きたら、本当に管理責任を問われないで済むのかということについては、裁判をやってみなければ分からないということにもなっているわけです。やはり社会の有りようというところに話は戻ってくると思います。
いずれにしても、ご要望を踏まえて、少し試験開放してみたいと思っています。これは「港湾施設における釣り問題研究会」を作った上でご議論頂きました。原則立ち入り禁止ということではありますが、7月19日、20日の2日間、両日とも朝7時から夕方6時までということで、釣り場として開放することが可能かどうかの検証のための試験開放を実施したいと思います。場所は、新潟東港西防波堤第一線防波堤は危険なので避けて、新潟東港第2東防波堤及び東防砂提です。東港は堀り込みになっており、新潟東港西防波堤第一線防波堤はさすがに外洋と面しているということで危険ですので、内側の部分を開放したいと思います。目的は、釣り場としての魅力があるのかどうか。外洋に行けば行くほど釣りの効果は高くなるということですが、同時に危険度も増します。一方、一定程度の釣りの効果があって、かつ安全性の確保というものに対してもある程度管理できるという部分となると、この内側の新潟東港第2東防波堤及び東防砂提かな、ということですが、とりあえず試験開放としてやってみたいと思います。両日とも150人で、定員となり次第、締め切りとさせて頂きたいと思います。アンケートのご協力をお願いしたいと思っています。きちんと良い魚が釣れて満足できたかどうか、危険を感じなかったかどうかという点を含めて、両立可能かどうかアンケート調査を実施したいと思います。なお、天候が悪ければ中止とさせて頂きたいと考えています。
※報道資料 ※港湾計画図 ※平面図 ※参加申込書(表面) (裏面)
6 質 疑(10:10~10:24)
(参議院議員選挙の争点について)(文頭に戻る)
Q
菅総理が消費税の増税について言及されていますが、知事の考えを伺います。
A 知 事
消費税だけ抜き出して議論するのは、私はナンセンスだと思っています。国の制度設計をどうするのか。社会保障制度をどうするのか。「社会保障に使います」と言っても、一体何に使うのか。一体、どういう使い方をするからどういう税体系で行くのかという議論なしにして、消費税だけ10%を参考に進めるというのは、私はちょっと理解できません。消費税議論をすると、無駄があるかどうかという議論にすぐなりがちなのですが、優先順位の議論もいるのだと思います。正直言って、行政をやっていて「無駄な行政は本当にあるのか」ということを感じます。無駄かどうかというのではなく、優先順位があるでしょうと。優先順位の高いもの低いもの、どこまでやるからどういう歳入をどういう形で作るのか、という体系的な議論をしないで、取る方だけ取るというのは私はあり得ないと思っています。
Q
消費税以外で、参院選にあたって、もっとこんな点を議論してほしいとか、争点にしてほしいというものはありますか。
A 知 事
機会があれば「ぜひこれを聞いてみたいな」と思うのは、地域主権をどのように進めるのか。今の話につながるのですが、無駄だけではなく優先順位の議論を国だけでできるのでしょうかと。行政サービスをどういう優先順位でやるのか。例えば、すぐに保育所の待機児童数の話が出るのですが、新潟県は事実上、待機児童数はゼロなのです。そういうところと、東京にいて待機児童が大変だという議論を一色単にされるのは極めて迷惑です。つまり、待機児童数の議論をすればするほど地方から金を吸収して、大都市に集めようという話になってしまうわけですから、その地方ごとで優先順位をどう付けるかという議論ができる国の形を作っていかなければいけない。地域主権国家にどう向き合うのかという議論がなされなければいけないと思っています。
今回、閣議決定された「地域主権戦略大綱」は、随所に「霞ヶ関文学」(官僚特有の作文技術)が入って骨抜きになっています。地方6団体は歓迎するかのようなコメントを出していますが、一体何なのだと。まさに霞ヶ関文学の骨抜きそのものだと思っていますので、地域主権国家を何のために目指して、どういう優先順位の施策を打っていくのか。それは本当に全国一律なのでしょうか、という議論をもっとやって頂きたいと思っています。
Q
争点という部分で、今のは地域主権についてでしたが、いわゆる景気対策、雇用対策、あるいは農政について一言お願いします。
A 知 事
雇用状況ですが、昨日発表になったとおり、本県は有効求人倍率が0.52倍で依然として極めて厳しい状況が続いています。その原因は何なのかを簡単に言うと、「需要が足りない」ということです。これはデフレギャップです。誤解されている向きがあるのですが、消費というのは落ちないのです。GDPの6割になってもせいぜい動いて1%です。何がこんなに需要を冷やしているかと言うと、企業の設備投資です。企業の設備投資は歴史的に極めて低い水準に来ています。どうしてそうなるかと言うと、新たに投資してもそれだけの売り上げが確保できない。企業が将来に対してビジネスの拡大に確信を持てないということです。今どういう状況かと言うと、減価償却費よりも投資額が少ない状況です。縮小再生産していくことを意味しています。例えば、中国は一人っ子政策をとっているにも関わらず、経済が拡大していくわけです。合計特殊出生率は低くても経済は拡大するわけです。
どうして日本が負の地獄のスパイラルに入っていくのかと言えば、GDPデフレーターが10年連続してマイナスであると。すなわち、これは「日銀不況」であると思っています。GDPデフレーターとは何かと言うと、売り上げが増えますか、給料が増えますか、というところの国内の指標です。つまり、輸出入の影響を除いた指標がずっとマイナスになっているので、当然のことながら、あなたのところの売り上げ、所得はマイナスになっていますが、それ以上に物価が下がっているのであなた達は経済成長しているのですよ、と言われても、投資できるわけがない。
雇用の問題に関してもう1回言いますと、企業が先行きに明るい希望を持てない限り雇用は改善しません。一時しのぎの給付金を出したところで改善は見込めないわけですから、やはり将来に展望を持てるようなインフレターゲット政策を導入して、投資したくなるような環境を提示しない限り、本質的な問題の解決にはならない。政府には何度も求めていますが、改めて適切なマクロ経済財政金融政策をとって頂きたい。
円高を放置するというのは本当にけしからんと思っています。皆さんも何回も聞いたと思いますが、「一国で介入するのは効果がない」と嘘をついてきているわけです。中国を見てください。一国で人民元とドルの間のレートを固定できるじゃないですか。なぜ日本だけ一方当事者で介入して、円の水準をいじれないと嘘をつくのか、全く理解できない。まずやるべきことは需要を増やすこと。設備投資と輸出の部分が落ちていたわけです。リーマンショックの時に1ドル113円だったものを、90円まで円高を放置した。さらに今度は80円台まで来ているのを放置して、また景気の腰を折るのかというところまで来ています。雇用対策をやりたければ、円の水準、デフレギャップを埋める政策を早急にとる必要があると思っています。
Q
農政に関しては。
A 知 事
農政については戸別所得補償制度のことだと思います。今日いっぱいで申請の締め切りになりますので、この結果を見てみないと確たることは言えないのですが、ここまで寄せられている声をお聞きすると、全国一律の制度設計はやはり弊害が多いと思っています。現場の農家の皆さんも相当悩んでいるのではないかと思います。それは戸別所得補償制度に加入して減反した方がいいのか、もしくは自分で販売ルートをちゃんと確保した上で、(水田を)フル活用して生産した方がいいのかというところが、まだ判断しがたい。価格がどういうふうに動くのかというところも読めず相当悩んでいる中で、今、結論が予測しにくくなっているということだと思っています。本来であれば大規模農家のやる気が出るようなインセンティブを与える。
余っているのは米ではないのです。主食用米が余っているのです。R10プロジェクト(食料自給率向上のため、小麦粉消費量の10%以上を米粉に置き換えるプロジェクト)等を本県も進めていますが、バイオエタノール(の精製)にミニマムアクセス米を回して、加工用米に少し米粉用米を増産するという選択肢もあると思うのです。そういう政策を一切とれない中で一律に所得補償するということは、中山間地域と広い部分での集落の保全、農業の競争力強化ということについても必ずしも有効に機能していかないのではないかと懸念しています。
先日、佐々木農林水産大臣政務官が来られました。シンポジウムをやって、その前後でディスカッションをしたのですが、「今、農家の戸別所得補償をモデル事業と呼んでいます。法律も作っていません。問題点については是正していきたい」ということを言われていますので、ぜひ現場の声を聞いた上で、本格実施する前には地方への裁量、現場にあった形の所得補償制度、アクセルとブレーキを踏むような政策ではなく、食料自給率を上げ、かつ農家経営も安定して、加えて地域集落も守っていけるような、国家安全保障にも資するような制度設計をぜひして頂きたいと思います。
Q
主食用米が余っているという話がありましたが、一部からは政府によって米の買い上げ、下支えをしてほしいという声が出ています。知事の考えは。
A 知 事
そんなことをするのだったら、バイオエタノール用米等にシフトさせて、自然に調整できるようにした方がいいと思っています。つまり、マーケット機能はマーケット機能で活用しながら、主食用米とは別用途に使う。買い上げて倉庫に積んでおいても、社会的にプラスにはなりません。倉庫に積んでおくのだったら、例えばミニマムアクセス米をバイオエタノール用米に回して、地球温暖化を防ぐというふうに使った方が効果があるでしょうし、財源ということになると、前から申し上げているとおり、例えばバイオエタノール用米にミニマムアクセス米を使えばアフラトキシンやカビなどの問題も無くなるわけですので環境に良い。例えばガソリン税の一部を環境税に振り替えるのであれば、そこから財源を持って来るというようなことをやると、私は合理的な部分があると思います。
Q
現在余っているものからやっていくべきだと。
A 知 事
余っているものというか、早く政策を変えて誘導できるようにすべきであるということです。年度途中で制度を変えてはいけないということはないでしょう。補正予算で制度を作って、例えば一刻も早くバイオエタノール用米に対する助成額を増やすと。加工用米に対する助成額を増やすと。例えば我が県で言うと、加工用米については米菓業界から5万トン買う余地があるという話を伺っています。しかしながら、これは新規需要米ではないということで戸別所得補償制度の対象になっていないのです。いくら需要を増やして売り上げが増えても、形式的、性質的に新規需要米ではないということになると、主食用米はだぶついているところにいって、加工用米には本来新潟米を使いたいのになぜかミニマムアクセス米になってしまって、原材料、原産地表示上もマイナスになると。お金の使い方として少しいかがなものか、という思いを持っています。
(水俣条約について)(文頭に戻る)
Q
「水俣条約」という国際的な水銀規制条約について、水俣市議会が条約を採択する国際会議を水俣市で開いてくれないか、というのを国に要望したそうです。本県としてはそういった国際会議を誘致しようという考えは、今の時点で何かありますか。
A 知 事
「水俣条約」というのは承知していませんので、今コメントできません。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
