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平成28年2月県議会 県政の主な動き

2016年02月22日

 平成28年2月定例県議会の開会に当たり、私の所信の表明と提案いたしております議案の概要を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 まず、人口減少問題への対応を中心とする地方創生についてです。
 先般発表された平成27年10月1日現在の国勢調査結果の速報によれば、本県人口は 230万5千人余りとなり、前回の平成22年の調査から6万9千人の減少となったところです。国勢調査人口としては平成7年をピークに、平成12年調査から4回連続の減少となりました。少子高齢化に伴う自然減とともに、長年続いてきた進学や就職を契機とした若年層の首都圏等への流出が、出生数の減少にもつながっているという連鎖の構造が背景にあると考えられます。
 一方で、今回示された人口は、前回調査を基にした将来推計人口を8千人近く上回りました。その要因については、様々な社会経済情勢の変化とともに、これまでの取組の効果もあったものと考えられ、効果的な対策を講じれば、一定の成果が期待できるという思いも強くしたところです。
 県としては、昨年、県の最上位計画である「夢おこし」政策プランを踏まえ、県版の人口ビジョン及び地方創生総合戦略を策定したところです。新年度においては、総合戦略で掲げた方向性や人口問題対策会議での議論を踏まえつつ、市町村や企業、団体などとも連携協力しながら、可能な限りの対策を行ってまいります。
 具体的には、自然減への対応として、結婚を望まれる方々の希望を叶えるための取組を一層強化するとともに、結婚、妊娠・出産、子育てにわたる切れ目のない支援体制の強化を図るため、福祉保健部に新たに少子化対策課を設置します。また、子ども医療費助成制度を子育て全般の支援にも活用できる交付金とするなど、様々な観点からの子育て支援策の充実を図ってまいります。
 社会減への対応としては、情報発信や相談機能の強化を図るとともに、奨学金の返還や県内での起業を支援するなど、U・Iターンの促進に努めてまいります。また、県内大学生の県内定着促進に向けて、講座開催やインターンシップの拡大などにより、地元企業への関心を深める取組を行ってまいります。
 一方で、人口減少問題は、地方のみの取組では解決が困難な課題です。政府は、昨年10月、一億総活躍社会の実現を掲げ、少子高齢化の流れに歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持するとしています。この構造的な課題に真正面から取り組もうとする決意を評価するとともに、多くの子どもを産み育てる方々の負担に一定程度報いるような税制や年金制度等の改革に踏み込んだ、実効性のある施策展開を大いに期待するところです。

 次に、地域経済の再生の取組についてです。  我が国経済は、これまでの円安基調を背景に、大都市に立地する輸出型大企業を中心に業績が改善しておりますが、地方の中小企業に広く及ぶまでには至っておりません。企業の設備投資が力強さに欠けるほか、生産活動も一進一退の状況にあり、実体経済は踊り場にあると考えております。先頃発表された10月から12月期の実質国内総生産の速報値は、中国経済の減速の影響などから、前期比の年率換算で1.4%減となったほか、最近の急激な円高の動きなどもあり、我が国経済は先行きを見通すことが難しい状況になっています。
 日本銀行では、2月16日に、新たな金融緩和策として「マイナス金利」を導入しました。しかしながら、デフレからの脱却を確かなものとし、我が国経済をしっかりと成長軌道に乗せていくためには、金融政策に加え、積極的な財政出動による内需拡大が不可欠です。政府・日銀には、金融政策と財政政策を両輪とする適切なマクロ政策を実行し、地方でも景気回復が実感できる経済環境を早期に整備していただきたいと考えております。
 また、財政出動は、大都市圏から地方に経済効果を波及させる所得の再分配機能を持つという観点からも重要です。中でも、公共投資の確保は、老朽化する公共施設の維持・更新を円滑に進め、社会資本ストックを適正に維持していくという意味だけではなく、災害時に太平洋側の代替機能を果たし、国土強靱化に資する日本海国土軸の形成につながるものと考えております。
 先に決定した国の本年度補正予算、及び新年度予算案においては、前年度を上回る額が確保されましたが、十分な水準が確保されているとは言いがたいと受け止めております。地方創生に向けた歩みをより確かなものとするためにも、引き続き国に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。
 本県といたしましては、現下の経済情勢を見極めながら、今議会にお諮りしている平成27年度補正予算案、及び平成28年度予算案を一体とした切れ目のない対応により、設備投資の促進等も含め、独自の県内需要の喚起に積極的に努めてまいります。
 加えて、中長期的な観点から、多様な地域資源の利活用や、新たな成長分野への参入促進、起業の促進、付加価値の高い農業経営の実現など、県経済の飛躍に向けた取組にも積極的に取り組んでまいります。

 来年度は、県の最上位計画である「夢おこし」政策プランの4年ごとの最終評価の年となります。
 昨年7月にいただいた中間評価報告書では、新潟のブランド化や企業誘致の推進、防災や危機管理体制の整備など、約半数の分野で一定の評価をいただいた一方、人口減対策やくらしやすさの発信、情報インフラの整備などの分野で、進捗がやや遅れているとのご指摘をいただいたところです。
 また、10月に実施した県民意識調査では、平成18年の初回調査と比べ、全項目で満足層が増加し、不満足層が減少しております。 
 新年度においては、これらの評価結果や併せていただいたご提言に加え、各方面からのご要望など、現場の声をできる限り施策展開に反映するよう努めてまいります。その上で、各分野の目標達成を図るとともに、基本理念である「将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現」に向け全力で取り組んでまいります。

 以下、本年の県政の主要課題について、順次述べさせていただきます。

 まず、人口減少問題への具体的な対応策についてです。
 まず、自然減への対応についてであります。
 結婚や出産への支援を進めるための大きな壁として、結婚や家に対する社会の意識の変化があると考えております。かつての、地域や職場での結婚への働きかけは、価値観の多様化や個人情報への配慮などから難しくなっております。また、職場での働きかけには、セクハラやパワハラといった問題への配慮も重要となっております。
 県といたしましては、様々な課題もありますが、一方で結婚を希望される多くの方々がおられることも事実であり、こうした方々の希望を叶える取組を精力的に展開してまいりたいと考えております。
 具体的には、結婚し家族を持つことについての機運醸成に努めるとともに、世話焼き機能付きのイベントの開催に加え、新たに出会いサポートセンターを設置し、コンピューターマッチングを行うなど、より多くの出会いの機会を提供してまいります。また、地域のつながりが薄れていく中で職場等で出会いの機会を増やすことの意味は大きいものと考えており、企業や団体の結婚支援を後押ししてまいります。
 少子化対策は、結婚だけではなく、妊娠・出産、子育ての各場面で切れ目のない支援を行うことが必要です。新年度においては、不妊治療費助成を拡充するとともに、特別保育等の保育サービスの充実や年度途中の待機児童解消のためのモデル事業を実施してまいります。また、イクメン応援宣言企業制度の創設等による男性の育児休業の取得推奨、ひとり親家庭の就業や生活の支援等、様々なニーズに応じた支援を実施してまいります。
 一方、本年度から3年計画で取り組んでいる少子化対策モデル事業については、効果的な施策提言を行うための検証を進めるとともに、優良な取組事例の発信に取り組んでまいります。また、県や市町村の結婚・妊娠・出産・子育てにかかる各種支援策の情報発信を充実・強化し、支援を必要とする方々に情報が確実に届くよう、努めてまいります。

 次に、社会減への対応についてです。
 過去10年の本県の社会動態をみますと、県外からの転入者数が約7,700人減少しており、転出超過が縮小しない大きな要因になっています。そのため、新年度においては、U・Iターン者の増加につながる施策を積極的に進めてまいります。
 まず、他県等との連携により首都圏等への情報発信を強化するとともに、「新潟県U・Iターンコンシェルジュ」を新たに首都圏に配置するほか、ふるさと回帰支援センターにも相談員を配置するなど、個別相談体制を強化してまいります。
 また、移住者への家賃補助、ひとり親家庭を含む低所得世帯向けの県奨学金の貸与や引越支援に加え、県外で就業している方がUターン就業した場合の奨学金返還支援や県外学生の県内での就職活動に係る交通費支援を新たに実施するなど、U・Iターン者への経済的な支援を強化してまいります。
 加えて、空き家活用など市町村との連携により、地域での移住者受入体制の整備を図るほか、本社機能の移転を含めた企業誘致や県内での起業の支援など、就労の場の確保を含め、受入れ環境の整備に努めてまいります。
 一方で、社会減対策としては、主たる要因である転入者の減少への対応に加え、近年増加傾向にある若者の県外への流出を抑制することも必要です。
 本県の若者の県外への流出は、その多くが大学への進学と大学卒業後の就職の時点で生じています。そのため、県内大学の収容力の拡大に向けて、魅力ある学部・学科の新設等への支援を引き続き実施してまいります。また、先般設置した有識者会議におけるご意見も踏まえながら、大学新設に対する支援についても検討してまいります。加えて、県内大学生の県内就職を促進するため、大学、市町村、地元産業界とも連携し、県内企業のトップが自ら魅力を伝える講座や県内企業へのインターンシップを全県的に展開してまいります。
 また、県内の若者に対し、就学の早い段階から、郷土愛や郷土への貢献意欲を醸成し、一人ひとりの個性や専門性などに応じて、自己実現できる様々な職業や職場が県内にもあることを認識してもらうことが重要です。そのため、引き続き小・中・高を通じて一貫したキャリア教育に力を入れ、地域と密着した取組を推進してまいります。

 次に、経済・雇用への対応と成長分野への投資についてです。
 本県経済は、地域で大宗を占める中小企業や小規模事業者の景況感に弱さがみられ、先行きについても慎重な見方をしているのが実態です。
 一方で、雇用面では、有効求人倍率が直近の12月で1.22倍と高い水準を維持しており、幅広い業種で人手不足感がみられ、多くの企業で人材不足への対応が重要な経営課題となっています。
 そのため、特に人手不足が深刻な建設、運輸業界への対応として、それぞれの業界の魅力発信を強化するほか、アドバイザーの活用や就職マッチング、技術力向上などを支援し、若年者や女性等の入職・定着の促進に努めてまいります。
 本県経済の安定と発展には、地域の経済と雇用を支えている地場産業の活性化が不可欠です。そのため、それぞれの産地、業種が抱える構造的な課題の克服に向け、計画づくりから実行段階まで、きめ細かい支援を行ってまいります。また、国内市場が縮小するなかで、海外市場への展開の支援も強化してまいります。
 本県経済が今後飛躍していく上で、エネルギーは重要なテーマです。本年度取組を始めた雪冷熱を活用したデータセンターについては、設備整備を進め、5月から実証に取り組むほか、地中熱については、住宅への設備導入の支援策を創設し、活用拡大を図ってまいります。
 また、新たに長大な海岸線を有する本県の特長を活かした洋上風力発電の導入可能性の調査を行うほか、電気自動車等の使用済み電池を蓄電池として活用する実証に取り組むなど、新潟版グリーンニューディール政策を積極的に推進してまいります。
 あわせて、次世代の国産エネルギーとして有望視されるメタンハイドレートの資源開発を見据え、技術開発の研究にも取り組むなど、引き続き多様な地域資源の利活用の可能性を追求してまいります。
 また、県内で培われてきた技術やノウハウの活用も視野に、健康やロボット、航空機など新たな成長分野への参入や起業を促進してまいります。新年度は、新たに労働力不足等への対応も念頭に、生産性向上やイノベーションに資する人工知能やIoTの活用に向けた取組も進め、高付加価値型の産業構造への転換を図ってまいります。
 地域経済の活性化には、波及効果の大きい観光産業の振興も重要です。
 本県の延べ宿泊者数は、昨年1月から11月の累計で、前年同期比18.8%増加し、北陸信越各県の中でも最も大きい伸びを示しています。そうした中、北陸新幹線開業から1年余りとなる4月には、上越妙高駅と糸魚川駅を発着するリゾート列車「えちごトキめきリゾート雪月花」の運行も始まります。こうした新たな魅力も活かしながら、着地型観光のコンテンツづくりや二次交通等を含む受入体制の整備を進め、新潟が旅の目的地となる魅力づくりに努めてまいります。また、JRを含む民間事業者とも連携し、二本の新幹線を活かした首都圏と関西圏からの継続的な流動につなげる取組をさらに進めてまいります。
 加えて、地域の多様な関係者を巻き込んだ観光地域づくりの舵取り役として期待されている日本版DMOの県内での形成に向けて、意欲ある団体等の体制づくりを支援してまいります。また、その際必要な科学的なアプローチを可能にするため、ビッグデータを活用した旅行者の動向分析に取り組んでまいります。

 次に、地域医療体制の確保と福祉の向上についてです。
 まずは医師・看護職員確保についてです。
 本県の平成26年末時点の人口10万人当たりの医師数は、平成24年より5.8人増の200.9人となりましたが、全国平均に比べて44人少なく、医師不足は引き続き深刻な状況にあります。
 本県としては、これまで奨学金等のインセンティブの付与や勤務環境整備などの様々な施策を講じてきたところです。2015年度の医師臨床研修マッチング結果は昨年に比べ9人増の102人となり、徐々にではありますが、そうした事業の効果が表れてきたものと受け止めております。
 平成29年度からは、新しい専門医の認定制度が始まることとされており、これまでの事業の成果を活かしていく上でも、後期研修医を受け入れる病院における魅力ある研修プログラムの構築は極めて重要です。そのため、新潟医療人育成センターの高度シミュレーターの活用を研修プログラムに取り入れるための支援を行うなど、専門研修の質を向上する取組を支援してまいります。
 医師数を増やしていくことの一方で、地域の限られた医療資源を有効に活用するため、地域の病院が機能を分担し役割を果たしていくことについて、医療関係者や住民を含め、地域の合意形成を図っていくことも重要です。そのため、地域の医療資源の理解促進のための取組も併せて進めてまいります。
 また、医療の高度化、在宅医療などニーズの多様化に伴い、看護職員の需要も高まっております。このため、養成機関の整備支援に努めるほか、看護教員の養成講習会の県内開催にも取り組みます。加えて、キャリアアップのための病院間の人事交流をモデル地域で実施するなど、看護職員にとって魅力のある環境の整備を進めてまいります。

 次に、地域における医療体制の充実についてです。
 昨年6月に開院した新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院については、引き続き運営の安定化を目指して、スタッフの確保や医療の質の向上に向けた取組を支援してまいります。また、魚沼地域に導入されている、医療連携のためのITネットワークによる検査情報等の共有化とその活用を進め、医療サービスを受ける側と供給する側の双方にとってメリットのある、効率的で先進的な事例の創出に努めてまいります。 
 県央基幹病院については、具体的な規模や診療機能等を定める整備基本計画の作成を進めております。今後、パブリックコメントを行った上で、その結果も踏まえながら、独立行政法人労働者健康福祉機構からの燕労災病院の移譲も含め、新病院の整備を着実に進めてまいります。
 また、県立加茂病院及び、新しい外来診療棟が5月に供用開始予定となっている県立十日町病院については、引き続き改築事業を着実に進めてまいります。
 なお、2機目の導入を目指しているドクターヘリについては、格納庫の整備などを進め、本年秋の運航開始に向けて取組を進めてまいります。
 次に、福祉関連の諸課題についてです。
 まず、介護人材の確保についてですが、本県においては、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、約4,700人の介護人材が不足すると想定されています。県では、「介護離職ゼロ」を目指す国の取組も踏まえ、介護業務の魅力の発信、資格取得や再就業の支援のほか、労働環境改善のための介護ロボットのモデル的導入やキャリア形成の支援など、参入促進と離職防止の両面から対策を講じてまいります。
 次に、自殺防止対策についてです。本県の自殺者数は、関係者の努力もあって減少傾向にありますが、自殺死亡率は全国と比較して高い状態が続いております。
 県では「こころの相談ダイヤル」の設置のほか、テレビ・ラジオ・新聞での広報、公共交通機関や身近な場所でのポスター掲示など、県民の自殺予防意識の醸成を県民運動として展開しております。今後も引き続き、ラジオのパーソナリティによるメディアゲートキーパーの取組を強化するなど、県民への啓発に重点的に取り組むほか、自殺死亡率が高い現状を踏まえ、働き盛り世代や高齢者に対する支援を重点にした取組も進めてまいります。
 次に新潟水俣病への対応についてです。
 昨年9月、2年半ぶりの公健法に基づく認定審査会が開催され、審査結果に基づき、新たに2人を患者として認定したところです。今後も特別措置法の異議申し立てを含め、平成25年4月の最高裁判決に沿って、より丁寧かつ総合的な審査を行うとともに、患者の皆様の福祉の増進、及び地域社会の再生と融和の促進に努めてまいります。

 次に、農業を魅力ある産業とするための施策の展開とTPPへの対応についてです。
 農業は、付加価値を大きく伸ばす可能性のある産業であり、農業・農村の所得増加を目指す成長産業化のための取組を積極的に展開してまいります。
 本県農業の基幹である米については、水田フル活用による所得確保に努めてまいります。非コシヒカリの領域でのトップブランドを目指す水稲新品種「新之助」については、平成29年度の一般デビューに向けて、引き続き戦略的な取組を進めてまいります。新年度においては、現地試作の規模を拡大するとともに、高いレベルで安定した食味・品質を確保するなど、ブランド管理を徹底できる生産・流通体制の整備を進めます。秋には、試験販売を開始することとしており、周知イベントやメディア戦略の展開など、認知度の向上に向けた販売・宣伝対策にも重点的に取り組んでまいります。
 また、新潟米需要の維持・拡大に向け、多様な銘柄米の生産拡大や、輸出などを含む販路開拓の取組を進めるとともに、業務用米の多収穫・コスト低減の取組を進め、農家所得と生産量の確保を図ってまいります。特に輸出に関しては、アメリカ市場に加え、昨年のミラノ国際博覧会での成果等も踏まえ、新たにヨーロッパの市場調査や効果的な流通拠点の調査等に取り組んでまいります。
 一方、米の需給環境の改善に向けて、主食用米から飼料用米等非主食用米への誘導を重点的に推進してまいります。来年度は、飼料用米の生産量を今年度の2倍の4万トンに引き上げることを目標に、収入面でより有利な多収性品種による生産拡大や、畜産農家の利用拡大に向けた支援などに取り組んでまいります。米粉については、大口需要者と連携した情報発信を首都圏等で行うとともに、グルテンフリーに着目した県産米粉の新たな需要を喚起するなど、需要拡大の取組を進めてまいります。
 また、農業経営の基盤強化に向け、農地中間管理事業等を活用する農地の出し手の経営転換や受け手の規模拡大を支援するとともに、複合化や6次産業化による所得確保の取組を支援し、付加価値の還流を一層推進してまいります。加えて、首都圏等における県産農林水産物の販路拡大に向け、県内産地と首都圏実需との連携による新たな流通ルートの構築にも取り組んでまいります。
 稲作県である本県農家の所得の確保・向上には、園芸導入を促進していくことが重要です。そのため、早生稲跡の水田など稲作経営資源を活用した園芸生産の拡大に更に取り組むほか、大型機械の導入による一連の作業の機械化を新たに支援し、園芸生産の拡大を推進してまいります。
 農業従事者が減少し高齢化が進む中、新規就農者の確保は喫緊の課題です。このため、首都圏での希望者の掘り起こしを行う一方、地域の受入体制づくりを支援するなど、企画・販売力を有する新規就農者の確保・育成に取り組んでまいります。
 次に、TPPについてです。
 昨年10月に大筋合意されたTPP協定については、2月4日に協定文書への署名が行われ、今後、協定の承認に向けた国内手続きが進められることとなりました。また、国においては、先月、補正予算が成立し、本県において特に影響が懸念される農林水産分野において、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成など、政府の「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく施策を推進することとされております。
 本県といたしましては、TPP協定の発効いかんにかかわらず、担い手の経営基盤の強化や生産の効率化・最適化等を加速する必要があることから、国の補正予算も最大限活用して取組を進めてまいりたいと考えており、関連予算案を本議会にお諮りしております。
 なお、政府は、TPPの協定承認案と関連法案を今国会に提出する方針と報道されておりますが、国内対策の効果・影響を十分見極め、国益を守れるか否かを総合的に判断した上で、国会での批准の対応を決めるべきと考えております。

 次に、アジア各地をはじめとする海外との交流拡大についてです。
 本年1月、中国黒龍江省ハルビン市を訪問し、陸省長と会談を行ってまいりました。陸省長からは、本県との経済交流の拡大に向けて期待が示されたところです。今後、双方が相互に利益を享受できるよう、経済や観光などの様々な分野での交流を一層進めてまいります。また、中国の急速な高齢化を見据え、新たに介護関連のビジネスの展開支援にも取り組んでまいります。
 新年度においては、北東アジア地域との長年にわたる交流実績を活かした取組を引き続き進めるほか、成長が続く東南アジア地域などとの経済交流等の一層の促進を図ってまいります。
 昨年、本県と交流覚書を締結したベトナム・ハイフォン市と、経済、農業、教育など様々な分野で交流を進めるほか、シンガポールとベトナムにビジネスコーディネーターを追加配置し、県産品の新たな販路開拓に取り組んでまいります。
 また、モンゴルについては、現地のカシミヤを県内繊維産地で活用するため、現地企業への技術支援や市場調査を進めるほか、交流覚書を締結したフブスグル県との教育分野での交流も進めてまいります。
 今後の交流人口の拡大に向けては、増加する訪日旅行客の流れを県内に取り込むことも重要です。そのため、現在、東京と京都・大阪を結ぶゴールデンルートに集中している訪日外国人観光客の流れを県内に取り込むため、埼玉、群馬、長野の各県と連携し、日本海側と太平洋側をつなぐ「縦のゴールデンルート」への誘客の取組を強化してまいります。あわせて、多言語コールセンターサービスの導入や移動時における情報通信の利便性向上など、受入体制の整備も図ってまいります。
 東京オリンピックまであと4年と迫ってまいりました。今後、事前キャンプの誘致活動をさらに積極的に展開するほか、引き続き、佐渡金銀山の世界遺産登録に向けた取組を進めるとともに、本県の豊かな自然遺産を活かしたジオパーク活動の支援も行うなど、本県の魅力の発信と交流人口の更なる拡大に努めてまいります。
 人流や物流の活性化のためには、それを支える交通基盤の充実が必要です。
 そのためのインフラとして、新潟港については、コンテナ取扱量の着実な増加に向け、港湾運営会社と連携を密にして集荷活動を促進するとともに、荷主や船社等への支援を行い、リードタイムの短い、利便性の高い航路の充実を図ってまいります。今後とも、現在検討している集荷構想を踏まえ、将来的なセミハブ港化を目指して着実に取り組んでまいります。
 交流人口の拡大には、クルーズ船の誘致も有効な方策と考えております。今年度、大型クルーズ船の受入れに向けて、新潟東港の係留施設整備を行ってきたところであり、5月には、県内で過去最大となる7万5千トン級のクルーズ船が寄港することとなっております。地域に対する経済効果も期待できることから、今後も船社等への働きかけに力を入れ、寄港数の増加につなげてまいりたいと考えております。
 一方、新潟空港に関しては、国際ハブ空港との接続強化による乗継利便性の向上のため、新潟-成田線など既存路線の利用拡大の取組を強化するとともに、新規路線の就航に向けた更なる働きかけを行ってまいります。また、新潟空港へのインバウンド需要の一層の取り込みに向けた商品造成支援等を行ってまいります。
 なお、中長期的には、新潟空港が首都圏と欧州等世界の都市との旅客流動の一翼を担う「首都圏第三空港」化を視野に入れた取組が必要と考えております。そのため、欧州等の新たな就航先を把握するとともに、新規路線開設を目指し、試行チャーターの実現に向け取り組んでまいります。また、将来の交通体系の変化もにらみつつ、軌道系空港アクセスについて、今年度の調査も踏まえ、県民の皆様の御理解を得ながら、取組を進めてまいりたいと考えております。

 次に、県民の安全・安心の確保についてです。
 まず、大雪に対する対応力の強化についてですが、この冬の前半は異常少雪であったものの、一転1月24日からは県内全域で大雪となり、特に長岡市では一日の降雪量が観測史上4番目を記録しました。この大雪の影響により、高速道路が通行止めとなり、国道などにおいて長時間にわたり大規模な渋滞が発生するなど、県民生活と物流に大きな影響が生じました。
 これを受け、去る1月28日に東日本高速道路株式会社に対し、除雪体制の強化と道路管理者間の連携強化について要望を行ったところです。県といたしましても、このたびの状況を踏まえ、関係者との情報共有を確実に行い、今後の冬期間の道路交通の安全確保に万全を期してまいります。

 次に、原子力発電所の安全確保と防災対策等についてです。
 先般、県では、安全管理に関する技術委員会におけるフィルタベント設備の検証に関連し、万が一、柏崎刈羽原子力発電所で事故が発生した際の、放射性物質拡散シミュレーションを実施いたしました。今後、今回の試算結果も踏まえ、技術委員会等の専門家から、フィルタベント設備の検証と併せて、防護対策等につきましても議論していただきたいと考えております。また、緊急時に即時避難が困難な住民等の安全を確保するため、福祉施設や公共施設等への放射線防護機能の整備を引き続き着実に進めてまいります。
 安定ヨウ素剤の配布につきましては、昨年9月から10月の間、原子力発電所から概ね半径5km圏内に居住する住民を対象に、事前配布を実施したところです。来月上旬には、まだ安定ヨウ素剤を受け取られていない方や新たに転入されてきた方などを対象に、事前配布説明会を開催することとしており、今後も着実に配布を進めてまいります。
 一方、安定ヨウ素剤の配布には、依然として多くの課題があることから、引き続き国に対し、必要な見直しを要望してまいります。
 県としましては、原子力防災対策がより実効性のあるものとなるよう、引き続き市町村や関係機関と十分に協議し、具体的に取組を進めてまいります。
 なお、昨年末、福島第一原子力発電所事故の自主避難者について、平成28年度末をもって応急仮設住宅の無償提供を終了する等の措置が福島県から公表されました。本県といたしましては、避難者の気持ちに寄り添い、それぞれのニーズや選択に応じた支援を行う必要があると考えており、年度内を目処に支援策をとりまとめ、関連予算を6月定例会にお諮りしたいと考えております。

 次に、北朝鮮による拉致問題についてです。
 北朝鮮は、去る1月6日の核実験に続き、2月7日には人工衛星と称するミサイルの発射を行いました。こうした一連の行動は、国際社会の平和と安全を著しく害するもので極めて遺憾であります。また、今般、日本の独自制裁強化に対する措置として、北朝鮮は拉致問題を含む日本人の調査の全面中止と特別調査委員会の解体を発表しました。拉致問題の解決がさらに遠ざかるのではないかと強く懸念しており、拉致被害者ご家族のお気持ちを考えると、本当に残念でなりません。政府には、国際社会との連携のもと、北朝鮮の行動を変えるため、新たな戦略的な取組を構築するよう知事の会などを通じて求めてまいりたいと考えております。
 拉致問題の現状を見ますと、時間の経過が北朝鮮に有利に働く構造になっており、拉致被害者の帰国に与える影響等を考慮の上、損害賠償の請求など、解決を引き延ばすほど北朝鮮に不利になる仕組みを検討する必要があると考えております。政府においては、現在の難しい国際情勢を踏まえながらも、拉致問題解決に向けた取組を着実に進め、「全ての拉致被害者の帰国」の実現につなげていただくことを強く望みます。
 県といたしましても、国の取組を後押しするため、市町村や支援団体はもとより様々な団体にも働きかけ、県民運動として一人でも多くの皆様の関心と理解が深まるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 次に、前定例会以降の県政の主な動きについてご説明いたします。
 G7新潟農業大臣会合が4月23日、24日に迫るなか、先般、記念シンポジウムが開催されました。この会合は、新潟の農業や食、観光など、新潟の魅力を世界各国に発信する絶好の機会であると考えております。また、これまでのG8労働大臣会合、APECの開催に続き、今回の会合の成功が本県の会議運営能力のアピールとなり、今後の大規模なビジネスイベント等の誘致にもつながることが期待されるところです。本県としては、新潟市とも連携し、間近に迫った開催に向け、警備面を含め、準備に万全を期してまいります。

 次に、平成30年に開催される第73回冬季国体についてです。
 去る1月6日、平成30年2月に開催を予定する「第73回国民体育大会冬季大会」の「スキー競技会」について、日本体育協会及び文部科学省から本県開催の要請があり、2月12日には、県体育協会、県スキー連盟及び妙高市から、妙高市を会場とした開催要請もあったところです。
 県としては、これらの要請をお受けすることとし、 開催地となる妙高市及び関係団体等と連携して、大会の開催に向けた準備を進めてまいりたいと考えており、関連する予算について、今議会にお諮りいたしました。

 次に、平成28年度当初予算編成の考え方と今後の財政運営の方向性についてご説明申し上げます。
 新年度当初予算案では、県税収入については、税制改正の影響等により前年度予算から2.3%の増と見込んでおりますが、これは、新年度の景気を政府より慎重に見込んだものであり、平成27年度の決算見込みとの対比では1.7%程度の減となるものです。
 一方、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は、国の地方財政対策等を踏まえ、2.7%の減少と見込む中で編成したところです。
 歳出におけるポイントの一つである地方創生にかかる取組については、国の交付金を最大限活用してまいりたいと考えており、今議会にも国の補正予算に緊急対応として計上された地方創生加速化交付金を財源とした事業を平成27年度補正予算としてお諮りしているところです。
 また、新年度から創設される予定の国の地方創生推進交付金については、内容が明確になった段階でその活用を検討し、改めてお諮りしてまいります。
 今後の財政運営については、先般、財政運営計画の改訂においてお示ししたとおり、産業の振興等による税源かん養や資産の流動化等に努めるとともに、歳出面での「選択と集中」の取組等を通じて、持続可能な財政運営を行ってまいります。

 続いて、平成28年度予算の概要について、既に申し述べた以外の取組についてご説明申し上げます。
 第一に「経済・雇用対策と明日の新潟の飛躍につながる取組」についてであります。
 まず、「本県の産業構造の転換に向けた取組」については、マイナス金利を活用した設備投資の促進のほか、外国企業や外資系企業による対内投資を呼び込むための取組を更に進めてまいります。
 次に、「地場産業の振興と地域産業の自立・活性化」として、小規模な地場産地等における技能継承等や新たな需要開拓に向けた取組を支援してまいります。
 次に、「魅力ある農林水産業と農山漁村の実現」では、植物工場の取組拡大に向けた調査・研究を実施するほか、多様な木材需要に対応する供給体制の構築を支援してまいります。

 第二に、「教育環境の整備など、選ばれる新潟県づくりの推進と、人口の自然減・社会減への対応」についてであります。
 まず、「安心して子どもを生み育てる環境整備」では、小児救急医療相談の実施時間を拡大するとともに、いじめ見逃しゼロに向けた県民運動を強化してまいります。
 次に、「住みやすいふるさとづくりと暮らしやすさの発信」として、えちごトキめき鉄道の新駅整備に向けた取組を支援するほか、犬猫の殺処分ゼロに向けた取組を強化してまいります。
 次に、「観光、スポーツ、文化等を通じた交流の拡大」として、国際基準を満たす全国でも希少な競技施設の整備を支援するとともに、選手の育成・強化を更に支援してまいります。
 次に、「個を伸ばす人づくりの推進」として、県立少年自然の家の建て替えや県立海洋高校の実習船「海洋丸」の代船建造に向けて、取組を進めてまいります。

 第三に、「誰もが健康でいきいきと暮らせる福祉・医療サービスの充実」についてであります。
 まず、「医療サービスの充実」では、がん検診の受診率向上に向けた取組を強化してまいります。
 次に、「福祉サービスの充実」として、認知症に対する医師等の対応力向上を支援するなど認知症対策を拡充するほか、障害者の雇用の促進に向けた取組を強化してまいります。

 第四は、「安全・安心で魅力ある新潟県づくり」についてであります。
 まず、「災害からの復興」として、過去の災害からの復興の取組を着実に進めるとともに、東日本大震災による避難者の方々に対し、引き続ききめ細かく支援してまいります。
 次に、「防災立県の推進」として、災害派遣精神医療チームの体制を整備するとともに、高齢者や障害者世帯等の耐震改修の支援を強化してまいります。
 次に、「安全・安心で快適な県民生活の確保」として、性暴力・性犯罪被害者に対するワンストップ支援センターを開設し、必要な支援を行ってまいります。
 最後に、「地球、自然環境保全対策の積極的な推進」として、エコパークいずもざきの第3期処分場の整備を支援してまいります。

 第五として、「選択と集中」の推進についてであります。県派遣職員の引き揚げによる県出資法人の見直しのほか、PFI事業の活用など民間資金・ノウハウを活用した公共サービスの提供の取組をさらに進めてまいります。
 また、県民の利便性向上につながる県独自の事務・権限の市町村への移譲を進めてまいります。併せて、職員の適正配置等による定数の削減や内部管理経費の見直しを継続してまいります。
 なお、県と政令市との役割や業務分担の定着を踏まえ、現在の新潟地域振局の本局を、今年の夏以降に順次、新津庁舎等に移転してまいります。

 以上、申し上げてまいりました、平成28年度一般会計予算は、総額 1兆3,087億9千万円となり、平成27年度予算に比べ、総額で0.6%増となったところであります。

 次に、本会議に平成28年度当初予算と併せて上程されました平成27年度補正予算に関する議案等についてご説明申し上げます。
 第42号議案は一般会計補正予算でありまして、総額279億4,244万2千円の追加補正についてお諮りいたしました。今回の補正は、国の補正予算や現下の経済・社会情勢に対応した経費等について計上するものであります。
 なお、この補正予算に係る公共事業等について、繰越明許費を計上したほか、一般公共事業等について、平成28年度に係る起工準備期間の確保等を図るため、いわゆる「ゼロ国債」を46億5,880万円計上しております。
 併せて、社会資本整備総合交付金等の事業について、早期発注による施工時期平準化の取組を試行するため、ゼロ県債を1億7千万円計上しております。

 以上、補正についてご説明申し上げましたが、その結果、補正後の平成27年度予算規模は、
1兆3,478億5,686万9千円となります。

 次に、お諮りしております条例案件等のうち主なものについて、ご説明申し上げます。
 第22号議案及び第23号議案は、行政不服審査法の改正に伴い、行政不服審査会の組織運営に関する事項等を規定するとともに関係条例を改正するため、
 第26号議案は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行等に伴い、各種手数料の新設等を行うため、  第27号議案は、警察活動の強化を図るため、警察官定員を改正するため、
 第28号議案は、特別職報酬等審議会の答申等に基づき、特別職の報酬等の額を改正するため、
 第29号議案は、人事委員会の勧告等に基づき、一般職の職員の給与を改正するため、
 第33号議案は、消費者安全法の改正に伴い、消費生活センターの組織及び運営等について必要な事項を定めるため、
 第37号議案は、在宅医療の強化推進を図るため、看護職員修学資金の返還免除要件を緩和するとともに、臨時貸与の期限を2年延長するため、
 第38号議案は、犬猫販売業者に対し、生体移動後の目視による健康確認の実施を規定するとともに、猫の飼い主等に対する遵守事項を規定するため、
 それぞれ条例の制定及び所要の改正を行うものであります。
 最後に、第41号議案は、包括外部監査契約の締結について、お諮りするものです。

 以上、新年度における所信の一端と施策・議案の概要などについて申し述べました。何とぞ慎重ご審議のうえ、上程された各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。



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